《真珠の耳飾りの少女》と《デルフトの眺望》を生んだ街へ~オランダ在住のアート好きが教えるフェルメール散策ルート
こんにちは。オランダ在住でアートとチョコレートが大好きなミイルです。
ヨハネス・フェルメール、その名は静かな美しさと感性に満ちた絵画を思い起こさせます。オランダのデルフトで生まれ育ち、彼の人生と作品がこの街の息吹を受け継いでいることは誰もが知るところです。
本記事では、オランダ在住のアート好きがフェルメールの生家からフェルメールの眠っている教会、そして《フェルメールの眺望》を描いた場所やフェルメールの作品に描かれたパンを参考に作ったその名も「フェルメール」というパンまで、フェルメールゆかりの場所を地図付きで公開します。
オランダで見られるフェルメールの7作品
オランダのアムステルダム国立美術館とマウリッツハイス美術館では、ヨハネス・フェルメールの重要な作品を鑑賞することができます。まずは、それぞれの美術館が所蔵している全7作品をご紹介します。
アムステルダム国立美術館(4作品)

質素な室内で若い女性が慎重に牛乳を注いでいる姿が描かれています。窓から差し込む柔らかな光が彼女の横顔や手元を照らし、静謐で温かみのある雰囲気を生み出しています。編み込まれたパンや陶器の質感、らせんを描きながら落ちる牛乳などの描写からフェルメールの細部へのこだわりが感じられます。
★ここに描かれたパンを参考にして作った「フェルメール」という名前のパンを売っているパン屋さんがデルフトにあります。記事の後半で紹介しています!

赤いレンガ造りの建物と、家事をしている女性や子供たちの姿が描かれています。この家にはフェルメールのおばとその子どもたちが住んでいました。フェルメールが愛したデルフトの暮らしを垣間見ることができます。
★この作品が描かれた場所は判明しています。記事の後半でご紹介しますね!

青い衣を着た女性が手紙を読んでいる姿が描かれています。この青色は、ラピスラズリを原料とした高価な顔料「ウルトラマリン」を使用しており、女性の存在感を際立たせています。

豪奢な室内で、召使いが座った女性に手紙を手渡している光景が描かれています。背後の壁には海辺の風景画が掛けられており、17世紀の象徴的な表現として、海が愛を、船が恋人を象徴していたことを想起させます。また、手紙を受け取った女性の期待に満ちた表情や視線から、思いがけない恋人からの手紙であったことがうかがえます。
マウリッツハイス美術館(3作品)

フェルメール初期の作品の一つで、古典的な神話をテーマにした珍しい例です。この絵では、中央の黄色い衣をまとった月と狩りの女神ディアナが数人のニンフと狩りに連れて行くお供の犬とともに描かれています。

故郷デルフトを描いた風景画で、フェルメールが手掛けたわずか2枚の風景画のうちの1枚です。この作品は門外不出とされ、日本で目にすることは難しいため、オランダを訪れる際にはぜひ直接鑑賞していただきたい作品です。
★これが描かれた場所はわかっています!フェルメール好きなら一度は訪れたい場所ですが、よく似た別の場所に間違えて行っている人も……。正しい場所は記事の後半でお知らせしています。

フェルメールの中でも最も有名な作品の一つです。この作品では衣装やアクセサリーが象徴的な役割を果たしています。青と黄色のターバンは異国情緒を感じさせ、当時のオランダでの文化的交流や交易の広がりを思い起こさせます。
フェルメールの人生を彩ったデルフト:画家の視点から巡る物語
ここからは、現在のデルフトの街を散策しながらフェルメールの人生を辿っていきます。フェルメールの生家から彼が今も眠る教会まで11か所を詳しくご紹介します。紹介した場所は一番下のGoogleマップに掲載しています。
1.生家「空飛ぶ狐亭」:フェルメールを育てた芸術環境
1632年、フェルメールはデルフトの街の中心地マルクトからフォルダー運河を渡ったVoldersgracht25/26で生まれました。この場所には、父レイニールが経営していた居酒屋兼宿屋「空飛ぶ狐亭」がありました。「空飛ぶ狐」という屋号は、店内に飾られていた絵画に由来していると言われています。
ここから先は
¥ 500
オランダ在住のアート好きとして、これからもフェルメールやオランダの美術館・街の魅力をお届けしていきたいと思っています。いただいたチップは、次の美術館巡りや現地取材の費用に大切に使わせていただきます。メッセージを添えていただけると、さらに励みになります!
