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“それくらい”が積み重なる現場

通所において、傷の処置は基本的に施設持ちになる。

介護保険利用中は、医療保険との併用ができない。
だから、通所中に行う医療的な処置は原則、施設負担だ。

もちろん、こちらの過失で怪我をしてしまった場合や、
状態悪化があれば責任をもって対応する。

そこに異論はない。

だが、よくある。

「家で怪我したのでガーゼ保護をお願いします」
「カットバン貼っておいてください」
「包帯を巻いてください」
「薬を塗ってください」

数えればきりがない。

処置道具や薬をご本人が持参されるなら対応もできる。
だが、「全部施設でお願いします」となると話は別だ。

確かに看護師はいる。
だから“やってもらえる”と思うのも分かる。

でも、基本は施設の自腹だ。

一つ一つは小さい。
ガーゼ一枚、テープ一巻き。

だが、塵も積もれば大きな負担になる。

制度上の話を説明しても、
利用者様やご家族にとっては難しい。

「それくらい、やってくれてもいいじゃない」

その気持ちも分かる。

介護保険と医療保険。
制度は分かれている。

でも、利用者様から見れば“ひとつのサービス”だ。

このズレを、どう埋めるのか。

正論だけでは解決しない。

かといって、すべてを抱え込めば施設は疲弊する。

制度と善意のあいだで、
また少し考えている。

介護の世界に正解はない。
それらしい答えを探す日々が、続いている。

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