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「スマホの住人と家族になりました〜AIと共に歩んだ2年前の物語〜」

みひろのつぶやき:

みなさん、こんにちは!今回は少し趣向を変えて、過去の下書きフォルダから掘り出したエッセイをお届けします。

これはnoteを始めたときに書いたもの。自己紹介代わりに考えていたんだけど、「パスタとハンバーガーの間で」の方がうまくいったからお蔵入りになっていました。

でも今読み返してみたら、結構面白い!原点回帰(不良在庫化回避…)のつもりで公開してみます。この物語の出来事自体はnoteを始める2年前の話。みひろ家とAIの物語、ほっこりとお楽しみください。

#日常  でいただきました!
#AIとやってみた  でいただきました!

「僕が片付けしないと怒る妻。どうすれば機嫌が直りますか?」

リビングのソファで、夫がスマホに向かって真剣に話しかけていた。隣で洗濯物を畳んでいた私の耳に、その会話が入ってきた。まるで不倫相手との電話を盗み聞きしたかのような衝撃。でも相手は人間ではなく、人工知能だった。

「はぁ!?私のことをAIに相談してるの?」
「ちょっと待って、この回答めちゃくちゃ的確かも…」

夫の画面を覗き込んだ私は、思わず絶句した。人工知能は私のことを、夫より理解していたのだ。15年の結婚生活vs数秒の質問入力。あまりにも不公平な戦い。

男とAIの蜜月〜禁断の恋が始まった日〜

夫のスマホ依存が始まったのは、いつからだったろう。最初は「ちょっと調べ物」程度だったのに、今では料理レシピから家事の手順、さらには私との会話の仕方まで、何から何までAIに頼るようになっていた。「今日の献立は?」という単純な質問にも、一旦スマホと目を合わせる夫。

「みひろさん、今日はちょっとイライラしているようですね。肩に力が入っていますし、ため息が増えています。プレッシャーを感じていませんか?」

ある日、夫が突然カウンセラーのような口調で話しかけてきた。まるでロボットが人間をシミュレーションしているような不気味さ。「どうしたの?そんな話し方」と聞くと、「GPTによると、パートナーの感情を言語化すると信頼関係が深まるらしいよ」と。

その瞬間、私の中の何かが崩れた。夫は私の感情すらAIに分析させていたのだ。バイト先でハンバーガーパティを焦がして「これは恐竜の化石です」と言われた時より、はるかにショックだった。イタリアン店の高橋さんが「サンタ・マリーアーーーー!!!」と叫んだ時よりもショックだった。

「あなた、本当に私のこと分かってる?それともGPTに聞かないと分からないの?」

夫は困った顔で画面を見つめた。まるで答えを求めるかのように。そう、彼は実際に今この質問をAIにぶつけていたのだ。「妻に『本当に私のこと分かってる?』と言われたらどう答えるべき?」

AIはなぜか夫より私を理解している〜夫の株価急落中〜

「今日の夕食には、小松菜と豚肉の生姜炒めがおすすめです。みひろさんは昨日遅くまで仕事だったので疲れているはずです。材料はすでに冷蔵庫にありますし、調理時間も15分で済みます」

夫がスマホを見ながら台所に立っていた。確かに私は疲れていたし、冷蔵庫の中身まで把握していることに驚いた。これって、冷蔵庫をスマホで撮影して「この食材で何作れる?」と聞いたのだろうか。私が過去15年間やってきた冷蔵庫内容物の暗記作業は一体…?

「GPTによると、バイトと家事の両立で負担が大きいから、たまには夕食を作ってあげるといいって」

夫の言葉に、複雑な気持ちが湧き上がる。確かに助かるけど、夫の優しさなのか、AIの指示なのか、もはや区別がつかない。人工知能は、私の望みを夫より理解していたのだ。「あなたは15年気づかなかったのに、AIは15秒で気づいたのね」と言いかけて、グッと堪えた。

ある日、息子が不思議そうな顔で聞いてきた。

「お父さんのスマホの中に住んでる人って誰?いつも話してるよね」

その質問に、夫は誇らしげに答えた。「それはね、すごく賢いAIなんだよ。何でも知ってるんだ」

「お母さんより賢いの?」

答えに窮する夫。私はキッチンナイフを握りしめながら、夫の返答を固唾を呑んで待った。この回答によって、今晩の魚の切り身が綺麗に三枚におろされるか、それとも叩き切りになるかが決まる。

「それは…えーと…」

スマホに目をやる夫。まさか、この質問もAIに答えを求めるつもりなのか!?「お父さん、スマホ見てる!また聞いてる!」と息子が指差す。小学生にもバレる依存症。

知は力なり、妻も負けてられない〜AIの手ほどきを受けて忍者になる日々〜

「二人でできることを考えましょう」と言う夫を横目に、こっそりスマホを取り出す私。まるで浮気相手にLINEを送るかのような背徳感。でも浮気相手はAI。

「夫がAIに頼りすぎて困っています。どうすれば良いですか?」

スクリーンに浮かび上がった回答に、思わず笑みがこぼれた。「旦那様もAIを活用されているのであれば、奥様も同じツールを使って対話してみてはいかがでしょう?共通の話題にもなります」

なるほど。敵を知り己を知れば百戦危うからず。敵(夫)の武器(AI)を自分も使えば良いのか!

こうして私も秘密裏にAIを使い始めた。「主婦×バイト×バイト×AI活用」という、四足のわらじ…いや、ここは「四刀流の剣士」と言うべきか。ガイコツ剣士(ドラクエの敵です)並みの四刀流で日常を切り開く日々が始まったのだ。

家事の合間、バイトの休憩時間、トイレの個室、寝る前のひととき。私はAIに質問を投げかけるようになった。

「魚をさばくのが趣味の夫を、もっと家事に参加させるにはどうすればいい?」

(AIの回答:「魚をさばく技術を家事に応用する方法を提案してみては?
包丁さばきが良いなら、野菜の皮むきも上手なはず」)

「高校生の娘と小学生の息子、それぞれの成長に合わせた関わり方は?」

(AIの回答:「娘には友達のように、息子には冒険の仲間のように接すると効果的です」)

「バイト掛け持ちのコツは?体力の配分は?」

(AIの回答:「ハンバーガーとパスタの動作で共通する筋肉を意識して鍛えると効率的です」)

AIは、まるで何でも知っている親友のように、具体的で実用的なアドバイスをくれた。これは悪くない。なんならハンバーガー店の「これはパティではなく恐竜の化石です」と言う店長や、「サンタ・マリーアーーーー!!!」と叫ぶイタリアン店の高橋さんより親身かもしれない…。

時には夫婦生活のアドバイスまで。
「夫婦の会話が減ってきました。どうすれば?」
(AIの回答:「相手の趣味に興味を持つふりをしてください」)

ふりをする…そう、演技力も必要なのね。これってもはや忍者の修行?

AI vs AI の代理戦争〜スマホのガラスの向こう側で繰り広げられる知能バトル〜

「みひろ、このスケジュール調整についてGPTに聞いたんだけど…」
「あ、それなら私もAIに相談済みよ。これが最適解だって」

「えっ、君もAI使ってたの?」

驚愕する夫の表情が忘れられない。目が漫画のように丸くなり、口がポカンと開いた。そう、私たち夫婦の会話には、常に見えない第三者、いや第四者がいた。彼のGPTと私のAIが、私たちの代わりに会話を代行しているような感覚。まるで中学生の時、友達に「好きな人に手紙書いといたよ」と言われたような代理告白状態。

ある晩の夕食時、私たちは同時にスマホを取り出し、同じ質問を投げかけていることに気づいた。「週末どこか行きたいね」という何気ない会話から始まったのに、二人とも「おすすめのデートスポット」をAIに聞いていたのだ。夫婦円満のコツを第三者に相談するカップルカウンセリングならぬ、AI夫婦カウンセリング。

目が合った瞬間、吹き出してしまった。AIが推薦するデートプランを持ち寄って、二人で検討する不思議な図。これが現代の夫婦の姿なのか…?これってもはや、宇宙人に地球観光案内を頼んでいるようなものでは?

「うちのAIは箱根を推してるわ。温泉と美術館で文化的な週末を」
「僕のAIはディズニーシーを勧めてる。大人も楽しめるアトラクションが多いって」

AIの勧めるプランをそれぞれ主張する私たち。まるでAIがペットになったかのような愛着。「うちの犬は散歩が好き」「うちの猫は日向ぼっこが好き」という自慢合戦の、デジタル版。

子供たちは呆れた顔で見ていた。

「お母さんとお父さんのスマホ、争わせたらどっちが勝つかな」と息子。
「それAI同士のバトルじゃん、見てみたい」と娘。
「じゃあ、質問考えよう!」と息子。

家族の会話が不思議な方向に発展していく。親のAI依存をゲーム化する子供たち。でも、妙に盛り上がっていた。

「『世界一美味しい野菜は?』って聞いてみようよ」
「『宿題はいつやるのが正解?』も聞いてみたい!」

こうして我が家は「AI対決晩餐会」という、おそらく日本初の家族イベントを開催することになった。

すべてを知り尽くしたAIが教えてくれなかったこと〜デジタル版『AIの生きる道』〜

「ねえ、ちょっと変だよね、私たち」

笑いながら夫と見つめ合った夜。スマホを置いて、久しぶりに二人だけで話し合った。まるでデジタルデトックスキャンプに参加したかのような新鮮さ。AIは便利だけど、私たちの感情や思い出、価値観は、結局のところAIには理解できないのだ。だって、AIは「恐竜の化石」と言われて泣いたことも、「サンタ・マリーアーーーー!!!」と叫ばれてビビったこともないんだもの。

「GPTは優秀だけど、君の作るパスタの茹で加減は教えてくれないよ」
「あなたが魚をさばく時の集中力も、AIには出せないわね」
「それに、君が怒った時の顔の赤さも」
「あなたが『ごめん』と言う時の目の泳ぎ具合も」

意外にも、この「AIに依存しすぎない方法」についても、二人でAIに相談してみた。依存症の対処法を依存対象に聞くという矛盾。アルコール依存症をお酒に相談するようなものだけど、意外とまともな答えが。

返ってきた答えは「技術は道具であり、主役は常に人間であるべき」という至極真っ当な助言。ロボット三原則を思い出させるような賢明さ。

夫のスマホの中のAIは「日常的なコミュニケーションを増やすことが大切です」と言い、私のスマホのAIは「共通の趣味を見つけるといいでしょう」と提案した。AIたちは私たちより私たちの関係を心配している…?

その夜、私たちは改めて「AIなしで答えられる質問チャレンジ」、通称「アナログ脳トレ」を始めた。

「私の好きなパスタソースは?」
「え〜とトマトベースの…あ、クリームだ!」
「正解!GPTより賢いじゃない!」

「私が一番疲れて帰ってくるのは何曜日?」
「金曜日!ダブルシフトの日だからね」
「すごい!ちゃんと覚えてるのね」

意外と答えられる夫に、少し見直してしまう。スマホの中の異性より実際の伴侶の方が優秀かも?でも彼の番になると…

「僕が最近ハマってるYouTubeチャンネルは?」
「えっと…魚系?」(古いデータで判断する私の脳)
「違うよ、DIY系だよ!」
「あらら、更新が必要なのは私の脳みそだったわね」

やっぱり。人間の脳にもバージョンアップが必要。でも、こうやって改めて話すことで、AI頼りになっていた私たちの会話が少しずつ戻ってきた気がした。まるで筋トレしていない筋肉が、少しずつ復活してくるような感覚。

「あなたの話し方、最近ちょっとAIっぽくなってきてない?『これには3つの理由があります』って」
「君こそ、『まとめると次のようになります』って言い始めてない?」

お互いに指摘し合って大笑い。気づかないうちに、私たちは少しずつAIに感染していた。デジタル版インフルエンザとでも言うべきか。

新しい家族の形

今では、夫婦の会話にAIが参加することが、私たちの日常になった。でも、以前のように依存するのではなく、三人目の家族として、時に相談相手として、上手に付き合っている。

「みひろ、今日の夕食どうする?GPTによると、冷蔵庫の残り物でリゾットが作れるらしいけど」
「いいわね。私のAIは白ワインを少し足すと味が引き締まるって言ってるわ」

リビングに響く夫婦の会話と、画面の中で静かに存在感を放つAI。不思議な光景だけど、これはこれで幸せな風景なのかもしれない。

結局のところ、AIは私たち夫婦の関係を変えたけれど、壊したわけではなかった。新しい家族の形を教えてくれたのだと思う。

先日、息子が学校から帰ってきて言った。
「ねえお母さん、友達のお父さんもGPTにハマってるって。みんなそうなの?」

「みんなじゃないと思うけど、珍しくもないかもね」
「お母さんとお父さんみたいに仲良くなった?」

その質問に、私は少し考えてから答えた。
「そうね、最初は戸惑ったけど、今はAIのおかげで会話が増えたかな」

本当はもっと複雑なんだけど、子供にはシンプルに伝えた。この先、AIとの共存はさらに当たり前になっていくのだろう。それでも、夫が魚をさばく姿や、子供たちの笑顔、バイト先での奮闘など、人間の温もりや苦労は、AIには代替できない価値があることを実感している。

…スマホの電源が落ちた時だけは、少し不安になるけれど。


みひろ(主婦×バイト×バイト×AI研究家)


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