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関電の見直しロードマップは破綻している=あまりにもせこい燃料プール「管理容量」のごまかし

 原発には燃料プールがあります。使い終わった燃料=使用済核燃料と新しく装荷する燃料を保管しておくためのプールです。使用済核燃料は熱を発しているので、水で冷却し続けないといけません。
定期検査(定検)の時には、全ての燃料を原子炉内から取り出すので、燃料プールには炉内のすべての燃料を取り出すため=1炉心分(3取替え分)➕(プラス)新しく交換するための新燃料を置いておくため=1取替分の空き容量が必要!なはずです。


管理容量と管理目標

10月23日に関電から「毎月26日のランチタイムに関電前に集まる女たち」(以下ランチタイム)に回答が届きました。
これをみると、関電は2010年から、使用済核燃料の原子炉建屋内の燃料プールの管理容量を「貯蔵容量から1炉心を除いた数量」と定義したと書いてあります。
管理目標というのは8月のランチタイムへの回答で、初めて出てきた用語なので、9月のランチタイムで質問していました。

9月のランチタイムの質問への回答から=
(質問)先月いただいた関電の使用済燃料の貯蔵量についての表で、
*1 管理容量は貯蔵容量から1炉心を除いた数量
*2 管理目標は貯蔵容量から1炉心+1取替分を除いた数量  とありました。
以前(確か昨年)「貯蔵容量から1炉心を除いたもの」という関電の管理容量は、なぜ他社の管理容量と違うのかと質問したら、ちゃんとした回答をいただけませんでした。再度説明をしてください。
(回答)当社においては、過去、技術基準の要求に加え、燃料取替作業を考慮し、「貯蔵容量から1炉心分および1取替分を除いた数量」を「管理容量」と定義していました。その後、2010年に定義の明確化の観点から、技術基準に基づき、「貯蔵容量から1炉心分を除いた数量」を「管理容量」と呼称することに見直しました。
 
※「実用発電用原子炉及びその付属施設の技術基準に関する規則の解釈」第26条では、同規則の「第2項第3号に規定する「燃料体等を必要に応じて貯蔵することができる容量を有する」とは、発電用原子炉に全て燃料が装荷されている状態で、使用済燃料及び貯蔵されている取替燃料に加えて、1炉心分以上の容量を確保すること。」とされている。

タイトル画像は以下の規則の解釈の該当部分 
「実用発電用原子炉及びその附属施設の技術基準に関する規則の解釈」について次のように定める。P69 第26条第2項第3号
平成25年6月19日 原子力規制委員会
https://www.nra.go.jp/data/000069274.pdf

(質問)いつから関電は管理容量と管理目標と2種類の数値を定めたのですか。
なぜ管理容量と管理目標という2種類が必要なのか教えてください。
(回答)上記回答のとおり、2010年に見直しています。法令に則り管理容量で管理していますが、保守的な管理として管理目標も定めています。
 
(質問)管理容量と管理目標という2種類の数値を用いているのは、関電以外にどこの電力会社でしょうか。具体的な名を教えてください。
(回答)法令に則り管理容量で管理しています。電気事業連合会が公表している資料では、各社管理容量でデータを記載しています。
https://www.fepc.or.jp/resource_sw/chozo.pdf

2024年2月までは管理容量は原則「1炉心プラス1取替分を引いたもの」だったのに

2024年2月のランチタイムの質問への回答*1では、関電の「管理容量」はなぜ全国標準の原則「1炉心プラス1取替分」と違うのかという質問に、関電はまったく答えていませんでした。そして今質問にある原子力文化財団のHPに飛んでみたら、「法令要求上は、貯蔵容量から1炉心分を差し引いた容量が必要」という今回の関電の回答にあった電事連HPの表現と同じものに変わっていました。

原則として「貯蔵容量から1炉心+1取替分を差し引いた」という管理容量の定義はいつから変わったのか

「使用済燃料対策推進協議会」という経済産業省の審議会が不定期で開催されています。
この資料をさかのぼってみると、2024年1月19日、第7回協議会の資料「使用済み燃料貯蔵対策の取組強化について=使用済燃料対策推進計画」(電気事業連合会以下電事連)*2では、管理容量は、原則として「貯蔵容量から1炉心+1取替分を差し引いた容量」と記載されていました。
2025年2月6日のおなじタイトルの電事連の資料*2では「法令要求上は、貯蔵容量から 1 炉心分を差し引いた容量が必要」と変わっていました。

解釈に記載されている「貯蔵されている取替燃料分」は無視?!

関電の回答に何度も引用されている「実用発電用原子炉及びその付属施設の技術基準に関する規則の解釈」第26条(タイトル画像)は、同規則の「第2項第3号に規定する「燃料体等を必要に応じて貯蔵することができる容量を有する」とは、発電用原子炉に全て燃料が装荷されている状態で、使用済燃料及び貯蔵されている取替燃料に加えて、1炉心分以上の容量を確保すること」とされています。
環境と原子力の話
https://ksueda.eco.coocan.jp/index.html
の末田さんに教えてもらいましたが、この規則の解釈を読むと「貯蔵されている取替燃料に加えて」という言葉が含まれています。関電、そしてここ最近になって電事連もこの部分を完全に無視することにしたようです。
以前原則とされていた「1炉心+1取替分」の「+1取替分」とはこの「貯蔵されている取替燃料分」であり、取り替える新燃料がなければ、原発の運転は継続できないはずです。

乾式貯蔵施設ができても「貯蔵容量は増やさない」と約束

今年9月のランチタイムへの回答では、2010年からこの「管理容量」の定義に変更したと関電は回答しています。(ランチタイムのメンバーの森さんによれば、大飯町の職員が関電に聞いたら、2011年からと答えたそうです)
しかし、現実には取り替える新燃料がプール内に存在しているのだから、管理容量の数字を減らしたとしても、困るのではないかと考えていて思い出したことがありました。
2023年10月に関電は、最初の使用済燃料ロードマップを公表、美浜、大飯、高浜の各サイトに乾式貯蔵施設をつくることを発表しました。このとき関電は乾式貯蔵施設ができても「貯蔵容量」は増やさないという方針を説明したのです。この「貯蔵容量」をすこしでも増やすために1取替分を引くのをやめたのではないでしょうか。
この「貯蔵容量とは何か」をランチタイムで質問すると、2024年1月にこんな回答をもらいました。
(回答) 貯蔵容量は次のとおりです。この貯蔵容量を原則として増加させない考えです。
美浜発電所1、2号機(廃止プラント):843体
美浜発電所3号機(運転中プラント) :809体
高浜発電所1~4号機(運転中プラント):4,386体
大飯発電所1、2号機(廃止プラント):704体
大飯発電所3、4号機(運転中プラント):4,258体
合 計:11,000体    
なお、これまで説明していた管理容量については、今後の使用済燃料ピットの満杯時期を把握するための数字であり、上記運転中プラントの貯蔵容量から1炉心分(3取替相当分 )を除いた数字をお示ししていたものです。

(2024年1月25日関電回答より)

2032年には80tの使用済核燃料が収納できなくなる?!

2025年2月に関電が発表した見直しロードマップP3(以下↓表−2)の「使用済燃料貯蔵量推移見通し」の期末空き容量から、取り替える新燃料分である1取替分を引くと、計画が破綻することがわかりました。(1取替分の数字は前出の2025年2月6日「使用済み燃料貯蔵対策の取組強化について=使用済燃料対策推進計画」*2より)
美浜原発の1取替分は20t。2031年度から2032年度の空き容量10tから引くとマイナス10t。
高浜原発の1取替分は100t。2031年度から2032年度の空き容量が70tなのでマイナス30t。
大飯原発の1取替分は60t。2031年度から2032年度の空き容量が30tなのでマイナス30t
7基合計の1取替分は合計で180t。2031年度から2032年度の空き容量合計は100tなので、マイナス80tになります。*3

表−1 関電見直しロードマップ破綻

たとえ六ヶ所再処理工場の運転が予定通りに進んでも(とてもそうは思えませんが)、たとえ使用済MOX燃料を300tフランスに運んでも(運んでほしくはないですが)、それでも見直しロードマップは破綻することになります。https://www.kepco.co.jp/corporate/pr/2025/pdf/20250213_1j.pdf


表−2 貯蔵量推移見通し2025年2月発表

使用済核燃料の置き場がない!

関電が数字の上で「取替燃料分」を消し去ったところで、現実に取り替える新燃料は存在しています。たとえ期末貯蔵残高が計算上では「空き」があっても、実際のプールは満杯になってしまう。ではどうするつもりなのかと考えて、この解決策こそが「乾式貯蔵施設」だと気づきました。乾式貯蔵施設の地元同意を求めて、関電は500億円の福井県への支援などを発表しましたが、10月の福井県議会では認められませんでした。
乾式貯蔵施設に搬出できなければ、いくら数字をごまかしてもプールは満杯になり、原発を動かせなくなります。

福井県は乾式貯蔵施設に同意するべきではありません!!

*1 2024年1月25日ランチタイム回答より
(質問)関電のいう「管理容量」とは、「貯蔵容量」から1炉心分の燃料の体数を引いたものという理解で良いですか。一方、日本原子力文化財団の資料では「管理容量」とは、原則として「貯蔵容量から1炉心+1取替分を差し引いた容量」と記されています。
「各原子力発電所の使用済燃料の貯蔵量」より 「原子力・エネルギー図面集」(日本原子力文化財団)https://www.ene100.jp/www/wp-content/uploads/zumen/7-7-1.pdf
なぜ関電の「管理容量」と原子力文化財団の「管理容量」は違うのですか。

(回答)
当社は、法令(技術基準の解釈)※1に則り、「貯蔵容量から1炉心分を除いた数量」を「管理容量」としています。
※1「実用発電用原子炉及びその付属施設の技術基準に関する規則の解釈」第26条では、同規則の「第2項第3号に規定する「燃料体等を必要に応じて貯蔵することができる容量を有する」とは、発電用原子炉に全て燃料が装荷されている状態で、使用済燃料及び貯蔵されている取替燃料に加えて、1炉心分以上の容量を確保すること。」とされている。

*2 使用済燃料対策推進計画
2024年1月19日
第7回 使用済燃料対策推進協議会 資料2
使用済み燃料貯蔵対策の取組強化について p11
管理容量は、原則として「貯蔵容量から1炉心+1取替分を差し引いた容量」
(「使用済燃料対策推進計画」)
https://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/shiyozumi_nenryo/pdf/007_02_00.pdf

2025年2月6日
使用済み燃料貯蔵対策の取組強化について p10
法令要求上は、貯蔵容量から 1 炉心分を差し引いた容量が必要
(「使用済燃料対策推進計画」)

https://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/shiyozumi_nenryo/pdf/k_005_01_00.pdf

*3
なぜ、足りなくなる数字が、美浜原発10t、高浜原発30t、大飯原発30tで合計は70tになるのに、全体を計算すると80tになるのかと思い、見直しロードマップの表1の数字をよくみると、2031年から2032年の空き容量が美浜10t、高浜70t、大飯30tなのに、7基合計では110tではなく、100tとなっているからでした。ただの計算間違いなのか、四捨五入とかの影響なのかはよくわかりません。

*4 X(Twitter)で Sisyphus1953 先ずは、#真の市民社会の実現(#ブルジョア革命)から @sisyphus1953 さんからこの福井新聞の記事教えてもらいました。
各原発の貯蔵率がでていますが。そのもとになっている「管理容量」関電分は1取替分(交換燃料分)を考慮しない数字になっています。


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