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映画館に行かなくなった理由と、暗くしたリビングがいちばんのシアターになった話

映画を、部屋を暗くして見た。

ミッション・インポッシブルの最新作。 リビングに家族と並んで、照明をぐっと落とした。

2時間半という長さを、気にしなかった。

それが、久しぶりの感覚だった。

映画館で映画を見なくなって、もう何年か経つ。 上映中にスマホをいじる人がいた。隣で眠る人がいた。 いつからか、落ち着いてエンタメを楽しめる場所が、家だけになっていた。

でも、家で見ると、自分のペースで全部を選べる。 照明の明るさも、音量も、見るタイミングも。

暗くしたリビングで、家族と並んで、大きな画面に向き合う。 それがわたしにとっての、ちょうどいいシアターだ。

トムクルーズが60歳を超えてなお、スクリーンの中で走り続けている。

すごいな、とは思う。 でも、それより印象に残ったのは、ヨーロッパのどこかの街の夜景と、窓から差し込む光の角度だった。

物語に集中しながら、そういう細部を拾ってしまう。 映画を見ていると、審美眼というか、自分の好きな「画」の感覚が研ぎ澄まされる気がする。

こういう光を撮りたい、と思うシーンが必ず出てくる。

映画は、エンタメであると同時に、 自分の「好き」を確認する時間でもある。

部屋が明るくなったあと、少しだけ余韻が残った。

その余韻をそのまま抱えたまま、夜に自分の部屋へ戻る。 それが、いい映画を見た夜の、正しい終わり方だと思っている。

おわり


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