どこでもできるはずの読書とお散歩をするため、ふらりと松本に行ってきた
最近、読みたい本が渋滞している。しあわせなことだ。
金曜日にふとんに入ったときはまだ何も決まっていなかった。
「ま、明日、予定のあとに本持ってカフェに行って、近くの公園を散歩しようかな。あとは温泉っぽい入浴剤でお風呂に入ろうかな」
そんなかんじだった。
土曜日、起きた。貴重な週末だ。掃除、洗濯、ちょっとした作り置きもしながら、からだとこころを休め、本も読みたい。そして何よりも、どこかに行くスイッチが確実に入っている。
行くならば、午前中の予定を済ませてそのまま行きたい。家を出るまであと4時間。
朝ごはん前に、読みかけの本を読み、この週末にやりたいことをざっと書き出した。ぜんぶできるかどうかはともかく、気になっていることを書きだして、おでかけモードの自分と生活暮らし整えモードの自分で会議をした結果、行き先を松本に決め、列車と宿の予約をした。比べて迷う時間はあまりない。どこが一番いいかと迷いがちだけど、今回はとにかく実行することが大事と思った。
何度か行ったことがあるけれど、気になるお店もまだあり、駅と松本城のまわりを歩くだけで、たまにおこる広いところを歩きたい欲も満たされる気がした。移動中と宿やカフェでひたすら本を読み進め、いつもと違うところに身を置きたい。それができれば満足。
何ができれば満足なのか、それに焦点を定めて、他のことはまた今度とする。よくばりな自分がたまに見せる冷静さを必死にたぐりよせた。
予定を済ませ、お昼には新宿から特急あずさに乗り、ここちよいお昼寝と読書をした。電車の中で読書がはかどるのはなぜなのだろう。
16時前に松本駅に着いた。駅を出たら建物の間、道路が開けた先に雪をかぶった山々が見えた。たいへんよい。
まず向かったのは小昼堂というおやきのお店。ラジオで聴いて気になり、Googleマップに旗をたてていた。

この時、他のお客さんは2組だけだったので、天井が高く広い店内でのんびり松本にきちゃった感をかみしめた。
おやきと言えば、野沢菜・かぼちゃ・みそ炒めとかが入っているおかず的なイメージがあるけれど、こちらには甘い変わり種があると聞いていたので、ぜひとも!と選んだのはアップルカスタード。
粒あんくるみとちょっと迷ったけれど、季節のおやきという限定ものに。ひじきくるみも食べたかった。きっとまた来る気がするから、その時に。
皮がむっちり、キャラメル味のりんごがごろっと入っていてとてもおいしかった。
行く直前の用事で会った人に「松本は井戸がたくさんあって、お散歩しながらそれをまわるもの楽しいですよ」と教えてもらったことを思い出し、観光情報センターに寄って「井戸のマップがあると聞いたのですが」と尋ねてみたら、廃版になってしまい今はおおやけには配布していないのですが。と言いながら、奥から出してきたもの頂いた。わーい!
松本城を見て、ぶらりと歩き回り、井戸を見て、これまたGoogleマップに旗を立ていた洋食のお店、おきな堂で夜ごはんを食べた。ひとりで夜ごはんを食べながらも本を読み進める。オムライスとローストポークとメンチカツがのったプレートをゆっくり食べながら読んでいたら、デザートのミニプリンが運ばれてきてしまった。かまわず、読みながらちびちび食べた。
宿に入り、ひたすら本を読み、大浴場の温泉でほぐれてからの夜鳴きそば。旅先で、いつもはもう何も食べないだろう時間に食べるだけで、こんなにもそそられるのか。そして、食べてすぐに寝る。をやった。

2日目は6時からお散歩に出た。晴れていたら朝の松本城を見に行こうと思っていたのだ。5時55分に目を覚まし、外を見たら晴れている。これは行かねば。着替えて、レッグウォーマーをつけ、飴と水を持ち、外に出た。駅前の電光掲示板は-3℃の表示だった。たしかに寒いけれど、朝日を浴びるお城を見に行くわくわく感で気にならない。飴をなめながら歩く。
お城が見えるところに着いたら、地元のおじいちゃんが自転車にのせたラジオでNHKを流している。これは…!ラジオ体操をやるかんじだ…!せっかくなので、松本城を眺めながらラジオ体操をした。第2まで。

宿に戻り、朝ごはんを食べ、帰りの列車を予約して、行きたいお店のオープン時間を確認。温泉は昨晩で気が済んだので、ひたすら部屋で本を読む。
チェックアウトして向かう先は松本駅前の翁堂喫茶店。10時のおやつにラム酒が効いたたぬきケーキを食べながら、少し日常に戻ってみようかと、やることメモのようなものを書く。でも、またすぐに本に戻った。

てくてく歩いて何で知ったのか分からないけれど、自分のGoogleマップに旗が立っているコーヒー豆やさんに行ったら、地元と思われる人が次々やってきた。おみやげに買ったものを飲むのが楽しみだ。
駅でも自分へのおみやげを入手した。みすず飴、みそ、乾燥きのこなど日常使いできるものばかりになった。
お昼ごろの特急あずさに乗り、その中で無事に2冊目を読み終えた。お散歩も読書も日常、見える風景と訪れたお店は非日常。それぞれ、必要な分量を満たすことができて満足。
帰宅したら読みかけの小説たちが出迎えてくれた。
