春爛漫コラボ【散文詩小説】
春爛漫企画
Keiさんの短歌より、二首とコラボさせていただきます。

一首目引用
闇の世に
さきそめにけり
淡にほふ
ひとひらの夢
春の夜空に
コラボ 散文詩小説
【ひとひらなれど】
── 今宵のお相手、お引き受けいたしんす──
紅のひと差しを終えれば、情を捨てた花の乱。
乱れ飛ぶ紙花を思いわずかに口角を上げれば、呼び出しの戦はそこにありと、天下御免の仲の町に外八文字のすり跡を付ける女。
ぴんと伸ばした背に、廓女郎の真を隠す哀しい嘘を見抜いたのだろうか。絢爛な闇夜に咲く桜がそのひとひらを、緞子仕立ての打ち掛けの肩に落とした。
ひっそりと。
ただひっそりと見る、夢のごとく。
◇◆ ◇◆ ◇◆ ◇◆ ◇◆ ◇◆◇◆ ◇
*呼び出し 上位の花魁
*仲の町 吉原のメインストリート

二首目引用
紅梅の
枝垂るるなかに
雪解けの
水音ほのか
春ぞ来にける
コラボ散文詩小説
【互いに】
すっかり年老いた母の手を取る。娘の髪にも随分と白いものが増えた。
藁葺きの並ぶ郷の道をふたり、ゆっくりと歩く。少し嵩が増すも、温むにはまだ早い川の水。ふたりはそこに架かる橋を渡った。
見慣れたこの川、この道。
仄かな梅の香を感じながら、今日もまたお地蔵様に腰を折る。
その手合わせは母を思ってか、娘を思ってか。
この季節を繰り返し見届けても尚、親は親、子は子のままに歳月はゆく。
引用元
尚、コラボさせていただいた短歌の諸権利はKeiさんに帰属します。
イメージを壊してたらごめんなさい🙇♀️
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