文字の世界が、肌のぬくもりに変わった日。〜台風が連れてきてくれた、新しいご縁のカタチ〜

かねてからの「いつかイタリアで。」
という約束を飛び越えて、私の元へ文字通り“嵐のように”現れ、そして爽やかに去っていった、
愛おしいクリエイター仲間との2日間の記録です
Buonasera a tutti!
(みなさん、こんばんは!)
フィレンツェの家具修復士のみっちーです。
先日、台風6号が日本列島を駆け抜けていきましたが、みなさまのお住まいの地域は大丈夫でしたでしょうか。避難された方や被害に遭われた方に、心よりお見舞い申し上げます。幸い、私の日本海側にある地元は少しの風と雨という軽いもので済み、ホッと胸をなでおろしています。6月に入り、アジサイの花があちこちで色鮮やかに咲き始め、しっとりとした梅雨の気配がすぐそこまで近づいているのを感じます。
さて、一時帰国中の実家での滞在も、気づけばもう2週間をきりました。そんな中、私の元に、台風の風よりも力強く、心温まる素晴らしいご縁が舞い込んできたのです。今日は、画面の向こう側の「文字の世界」が、現実の「温度のある友情」へと変わった、愛おしい2日間の物語をお届けします。
実は、いつも私のnoteを楽しみにしてくださっているみなさまへ、今週は少し特別なお知らせがあります。
普段の金曜日記事は3000文字ほどでお届けしているのですが、今回はある大切な人との出会い、そして影で支えてくれた妹との時間が、どうしてもひとつの記事には収まりきらないほどの愛おしい熱量を持って溢れ出てしまいました。
そこで今週は、【週末特別拡大版】三部作として、なんと5000~6000文字という大ボリュームのストーリーに仕上がっています。嵐のような初対面のドタバタ劇から、お互いの「手のカタチ」に宿る職人としての深い気づきまで、今週はいつも以上に私の「魂の声」をたっぷりと詰め込みました。
今回のエピソードはラジオ(stand.fm)でもお話ししています。台風の日のちょっぴり焦った臨場感と、美味しいお料理の余韻を感じながら、私の「生の声」でも受け取っていただけたら嬉しいです。
まさかの失態から始まった、嵐の初対面
今回、わざわざ私の地元まで会いに来てくださったのは、noteの世界で出会ったクリエイターお友達の「まなつさん」です。フォロワー6000人を超える、いわゆるインフルエンサーとも呼ばれるお方。昨年12月に私がnoteを始めたばかりのころ、私の記事を見つけて興味を持ってくれたのが始まりでした。
彼女が書く記事のジャンルは、私のものとは全く異なります。けれど、日々の記事の内容や、交わすコメントの端々から、思考の深さや食の嗜好に不思議なほど共通するものを感じていました。しかも、私とは全く縁のない世界を軽やかに生きてこられた経験者。彼女の記事を読むことは、いつしか私のnote生活の大きな楽しみの一つになっていたのです。
そんな彼女が「会いに行きますよ〜」と、遠く離れた私の地元へ本当にやってきてくれることになりました。
もともとは「いつかイタリアへ会いに行きます!」と言ってくださっていたのです。それが今回、私の日本への一時帰国を知ったまなつさんが、「じゃあ、まずはそちらに会いに行きますね!」と予定を前倒しにするようにして、あの台風のなかを文字通り嵐のように駆けつけてくださることになったのでした。
当日、高速バスの到着に合わせて、私はずいぶん早めに実家を出発しました。駅裏にあるバス停に早く着きすぎてしまい、時間潰しに駅の構内をうろうろ。そろそろ到着時間だなと、バス停が見える位置へと移動しました。外はあいにく台風の影響で雨が降っていたため、駅の中にあるガラス張りの階段ホールで待機することに。
ところが、到着時間になっても、お目当てのバスが一向に入ってこない……。「おかしいな、遅れているのかな?」と心配になってスマホをチェックすると、そこには一本のメールが届いていました。
「予定より早めに着きました。今どこですか?」
やらかしました……!外出時にはスマホをいつも消音設定にしているため、メールの着信に全く気が付かなかったのです。初対面という記念すべき瞬間に、お迎えする側の私がゲストを待たせてしまうという、まさかの失態。焦って汗をかきながら駆けつけた私を、まなつさんは温かく迎えてくれました。
初めてお会いする彼女の印象は、飾らずシンプル、そしてスポーティー。台風の影響で雨が降り気温も低めだったにも関わらず、なんと潔い短パンというスタイル!もちろん、誰もが見惚れるような美脚の持ち主だからこそできる技です(笑)。
すぐに車に乗り込み、予約していたホテルへお送りしました。私の地元は海辺に温泉があるので、せっかくなら温泉を満喫していただこうと、あらかじめ温泉のあるホテルにチェックインしてもらったのです。それから、私たちはすぐ近くのカフェへと移動しました。
シャーペン線画の強者と、修復士のAI論
初対面のはずなのに、席に座った瞬間から、私たちの話は堰を切ったように溢れ出し、一向に尽きることがありませんでした。カフェでは、これからのnoteのことや「AIとの付き合い方」についてたくさんお話ししました。
デジタルな発信に強いまなつさんですが、意外にも「AIを使うことには全く興味がない。」と言います。ご存じの方もいらっしゃるかと思いますが、少し前にあかねちゃんが開催した【第1回イラストあかね祭り🌸】では、素晴らしいAI生成画像がズラリと並ぶ中、彼女は唯一、シャーペンの線画イラストという「完全アナログ画」で応募し、なんと優勝してしまったという凄まじい強者なのです。
そういう私はというと……興味はある。でも、全く使いこなせておりません(笑)。以前「三つの国境を越えて」の連載を書いていたとき、AI画像生成に初挑戦し、挿入画像をNano Bananaに作ってもらっていたのですが、これがもう大苦戦。イタリアに渡ったのは30年以上も前で、手元に当時の写真がなく、生成してもらうしか手段がなかったのです。作業自体は楽しかったけれど、自分の納得できるような画像に仕上がるまでに、とにかく時間がかかってしまって。今でも必要なときはたまに画像を作ってもらっていますが、あまり進歩していないのが現状です。
私の書く記事は、自分自身の人生経験や日常、そしてそこから紡ぐ人生哲学なので、記事自体をAIに書いてもらうことはできません。ですから私の場合は、自分の文章はあまりいじらないでね〜とお願いしつつ、優秀な校正係兼マネージャーとして誤字脱字やタイトルの修正を手伝ってもらっています。
noteとの付き合い方や、自分が今いる位置。お互いにスタンスやアプローチは違えど、話せば話すほど、その根底にある「noteへの愛」は全く同じなのだと深く実感しました。
まなつさんは、これまで築いてきたnoteでの成功体験を、今それを必要としている人へ伝えていくフェーズへ。
そして私は、職人らしく、地味に私のペースで、これからも魂を込めて記事を書き続けていきたい。
お互いの違いを丸ごとリスペクトし合える、本当に心地よい時間が流れていきました。
地元の美味を囲んで、ノンアルコールの乾杯
カフェの後は、今回のメインイベントでもある夕食へ。 私自身、長く地元を離れているため、最近のトレンドが全く分かりません。そこで頼りになる私の妹が登場。今回はお店の予約まで全て彼女におまかせしちゃいました。
さすが地元民!チョイスしてくれたのは、落ち着いた雰囲気のちょっとおしゃれな創作和食のお店「伊在(いざい)」さん。まなつさんから「日本海に来るならやっぱりお魚が食べたい」と伺っていたので、まさにぴったりのお店でした。

目の前に運ばれたのは、目にも鮮やかなお造りの盛り合わせ、そして鮮魚のカルパッチョ。いや〜、本当に美味しかった!さらに、紅ずわいがにといくらの土鍋飯に、薩摩芋の天ぷらと、地元の恵みが続きます。


どれも甲乙つけ難いくらい最高だったのですが、まなつさんはこちらの「土鍋飯」を大絶賛!

サクサクで甘い薩摩芋の天ぷら。
そして子供のころから大の「芋娘」だった私は、こちらのサクサクで甘い「芋の天ぷら」を激推し(笑)。お互いに自分の推しを笑顔で言い合う時間は、何よりのご馳走でした。
お店には豊富なお酒の品揃えがありましたが、まなつさんもあまり飲めないタイプで、私もダメ。というわけで、二人ともノンアルコールの巨峰とジンジャーエールという、なんとも可愛らしい「お子ちゃまセレクト」での乾杯となりました(笑)。美味しいお料理を二人で心ゆくまで堪能し、まなつさんも大満足してくれて、妹の粋な計らいに心から感謝した夜でした。
荒れる海と、対照的な二つの手
次の日の朝、まなつさんは正午過ぎの高速バスで帰る予定だったため、遠くまで観光している時間はありませんでした。でも、幸いなことに雨がピタリとやんでくれたので、二人で近くの海辺をお散歩することに。台風の名残で風が強く、目の前の日本海は激しく白波を立てて荒れていました。そのダイナミックな景色の前で、私たちは記念に、海をバックに「手の写真」を撮影することにしたのです。
実は昨晩、ごはんを食べながら、私はまなつさんの手の美しさをずっと褒めていました。

私の黒く日焼けした、長年ノミやカンナを握りしめて節くれ立った、シワシワの職人の手。その隣に並んだ、華奢で白くて、すっと指の長いまなつさんの美しい手。
こうして並べてみると、お互いの手の違いがより一層際立ちます。歩んできた人生も、表現する手段も、手のカタチも全く違う。けれど、この二つの手はどちらも、画面の向こう側で一生懸命に自分の命を言葉に変えて、誰かへと紡いできた手なのだと思うと、なんだか愛おしくて、たまらない気持ちになりました。
海を後にした私たちは、早めのランチへ向かいました。こちらも妹おススメの「服部珈琲工房」さん。

黒く太い梁が渡されたレトロな空間は、
時間を忘れてしまうほど落ち着きます。
黒い太い梁が渡された、レトロで落ち着いた雰囲気の素晴らしい店内。11時からのランチメニューをめくり、まなつさんは卵サンドイッチを。そして、パスタの国イタリアに住んでいる私が選んだのは……あえて「青春のナポリタン」のセット!

「パスタの国に住んでるのにナポリタン!?」とまなつさんには苦笑いされてしまいましたが(笑)、この昔ながらの甘酸っぱいケチャップ味のナポリタンは、私にとってどうしても外せない、愛おしい故郷の味なのです。食後に美味しいコーヒーをいただきながら、最後の瞬間までたくさんおしゃべりを楽しみました。
そして、あっという間に駅のバス停へ。

いっぱいしゃべって、美味しいものをたくさん食べて、本当に充実した楽しい時間は一瞬で過ぎ去っていきました。まさに「台風とともに嵐のようにやってきて、台風とともに去っていく」かのように(笑)。
「次はイタリアでね!」と、再会の固い約束を交わして温かいハグを交わし、彼女はピンクのバスへと乗り込んでいきました。
今週末のラインナップ
まなつさんとの嵐のような出会い、そして今回の再会を影で支えてくれた妹との対話から紡がれた、今週末のストーリーのラインナップです。どうぞ、私の工房の隣へ遊びに来るような気持ちで、お付き合いいただけたら嬉しいです。
明日・土曜日:【蔵出し裏話】
「あの日、お姉ちゃんはカッコよかった。〜海外初一人旅の妹と、記憶のすれ違いが教えてくれた『背中のパティナ』〜」
まなつさんとの時間を完璧なお店選びで彩ってくれた私の大切な妹。海外初デビューにして一人旅でイタリアへ突っ込んできた不器用な妹と、修行を始めたばかりで自分のことで必死だった私の、爆笑の記憶のズレ。そして、自分の選んだ道を突っ走ってきた私の陰で、地元の実家と両親を守り続けてくれた妹への、溢れる愛の物語をお届けします。
日曜日:【人生哲学】
「木目に刻まれた記憶。〜三つの手が教えてくれた、それぞれの人生に宿る極上のパティナ(艶)〜」
インフルエンサーの華やかさに気後れしたり、他人の自由な生き方が眩しく見えて後悔したり。そんな大人たちの心を優しく包み込む人生哲学です。まなつさんの白く美しい手と、職人としての私の節くれ立った手。そして役割を背負い続けた妹の手。選んだ人生は必ず何かを失わせ、傷を負わせる。けれどその傷こそが、何ものにも代えがたい極上の「艶(パティナ)」になっていくという、三十二年の歩みを経て確信した、魂の修復の哲学を語ります。
エピローグ
noteという、文字だけで繋がっていたスクリーンの世界から、こうして肌のぬくもりを感じるリアルのおともだちへ。それは、ひと昔前には想像もつかなかった、本当に新しくて温かい出会いの形です。
インフルエンサーのような華やかな数字を持っていなくても、流行りのデジタル技術を使いこなせていなくても、何も気後れする必要なんてありません。自分の心に誠実に、地味でも魂を込めて記事を書き続けていれば、その言葉の波長は、必ず出会うべき大切な人の元へと届きます。ひたむきに歩むその手仕事が、もっとお互いを知りたいと思える、一生ものの素晴らしいご縁へと私たちを連れて行ってくれるのです。
noteを始めて、今日まで自分の言葉を信じて書き続けてきて、本当に本当によかった。去りゆくバスの背中を見送りながら、新しいご縁への溢れる感謝が、胸いっぱいに広がっていくのを感じていました。
Buon fine settimana!
(素敵な週末をお過ごしくださいね!)
実家より、溢れる感謝を込めて。
みっちー
