とにかく眠い日々 | 大腸がんのためか?
とにかく眠い。
在宅勤務という環境もあって、仕事が終わるとそのまま倒れ込むように眠ってしまう。通勤という区切りがない分、身体も気持ちも切り替えの機会を失い、ただ疲労だけが静かに蓄積していくような感覚がある。休日も同じだ。外出の予定がなければ、気がつけば一日中眠っている。目が覚めても、起き上がる理由が見当たらず、そのまま再び眠りに引き戻される。
原因はいくつか思い当たる。花粉症の薬は確かに眠気を誘う。しかし、今年の眠さは昨年とは質が違う。ただの副作用というには、あまりに深く、抗いがたい。食事量はむしろ減っている。血糖値の乱高下で説明できるような状態でもない。酒も飲んでいない。生活の中に、これほどの眠気を生む明確な要因が見当たらない。
そうなると、どうしても考えが向かうのは、自分の身体そのものだ。
大腸がん。
診断を受けてからというもの、身体のあらゆる変化がそこに結びついて見えるようになった。これまでなら気にも留めなかった倦怠感や眠気が、「病の徴候」として意味を帯びてしまう。実際、がんというものは、体力を奪い、知らぬ間にエネルギーを消耗させると言われる。出血や栄養吸収の低下、あるいは目に見えない炎症反応が、身体を静かに消耗させているのかもしれない。
だが、それだけだろうか。
眠気は、単なる肉体の問題ではなく、どこか意識の深いところにも関わっているように思える。人は、耐え難い現実に直面したとき、活動するよりも「停止する」方向へと傾くことがある。眠るという行為は、その最も原始的な形なのかもしれない。考えないために、感じすぎないために、ただ意識を落とす。
そう考えると、この眠気は、身体からの信号であると同時に、心の防御でもあるのだろう。
無理に抗うべきなのか、それとも従うべきなのかは分からない。ただ一つ言えるのは、この眠気には理由があるということだ。単なる怠惰ではなく、身体と心が発している、何らかの切実な訴えである。
だから今日も、眠る。
それは後退ではなく、いまの自分に許された、数少ない適応の形なのかもしれない。
