ベッルム・スパルタキウム 相関図
読んで下さった方で、相関図を書きながら、読みましたというお声を頂いたので、『ベッルム・スパルタキウム』の相関図を作成しました。ちょっと今更感はありますが、改めて作ってみて、気が付いた事もありました。

青の矢印が仲が良くて、黄色の矢印が緊張感がある関係で、赤の矢印が敵対関係を示しています。BC73年時点の図ですが、この相関図を見ると、すでにカエサルが人間関係の中心にいて、全員と仲がいい。
これだとスパルタクスが主人公に見えず、カエサルこそ主人公に見える。ちょっと恐ろしい人間力だなと思います。やはりこの時代は、カエサルを中心に回るという事が定められていたような感じがします。
今回の小説、登場人物は絞ったつもりでしたが、世界史に馴染みがないと、かなり大変だったかも知れません。よく漫画コミックの扉絵の次に配置されている相関図を置いて、もっとバリアフリーに務めるべきでした。
なおカエサルとポンペイウスとクラッススは、BC60年から、ローマで第一回三頭政治を開きます。BC71年にスパルタクスの乱が終息するので、約10年後の出来事です。BC73年の時点で、すでにその萌芽があります。
『ベッルム・スパルタキウム』はカエサルが台頭する前の時代で、スパルタクスが強大なローマに戦いを挑んだ時代です。カプアの剣闘士が、奴隷解放運動を始めて、古代奴隷社会を大きく揺るがした事件です。
スパルタクスは、後の時代、自由の旗手として、19世紀の革命運動の中で、何度も言及されます。カール・マルクスによれば、真のプロレタリアートはスパルタクスだとの事で、左翼リベラルの元祖伝説となります。
「抵抗する事は悪じゃない」という台詞は、プルタルコスによれば、スパルタクスの言葉で殆ど唯一の肉声です。古代奴隷社会で自由を求めて立ち上がった剣闘士に英雄性を感じ、かつローマ軍を何度も破った事は不朽です。
残念ながら人類は、古代奴隷社会を終わらせて、原始部族社会に戻る訳にも行かないので、スパルタクスの奴隷解放運動は、正義とならず、歴史に対する逆行となり、敗北する事が定められていました。
ただ奴隷状態が人間の本性に反する事は真理なので、間違った事ではなく、約2,000年かけて人類は奴隷を解消し、資本主義社会へと移行していきます。そういう意味ではスパルタクスの奴隷解放運動は無駄ではなかった。
これは歴史の波間に、時々現れる敗者の歴史ですが、スパルタクスとニアという男女のペアで駆け抜けた冒険の日々は、美しかったのではないかと思った次第です。当方が日頃感じる霊的な真実も書きたくて書きました。
以上

