Note多言語対応その後
27/05/2026、Noteは多言語対応との事で、まず約20,000記事ほどを英訳した。Noteは、note IRの2026年4月Monthly Reportによると、1日約70,000件超の記事投稿があり、全体で7,000万~8,000万の記事数だと推定される。
7,000万の20,000なら、約 0.0286%で、3,500本に1本英訳される事になり、8,000万の20,000なら、約 0.025%で、4,000本に1本英訳される計算だ。瑠璃ノ蒼は03/06/2026時点で、1,371本記事があり、2本英訳された。
数値的には異常値だ。
単純ランダムだと仮定すると、瑠璃ノ蒼の記事 1,371本 から選ばれる期待値は、note全体 7,000万件 想定:約0.39本で、note全体 8,000万件 想定:約0.34本となる。普通にサイコロを振れば、0本という目が多い筈。
でも選ばれた。なぜか?
Note運営側に、一定の基準はあると推定される。ビューやスキの数もあるだろう。運営はマガジンに入っている記事は訳さないと言っているが、瑠璃ノ蒼の訳出された記事は、バッチリ、マガジンに入っている。
これは他のアカウントでも確認した。
運営はマガジンに収められていない単独の無料記事から選出すると言っていたが、これは守られていない。弱い基準だろう。運営がAIに命じた選定ロジックは分からない。だがテーマ性・検索性・翻訳し易さもあるだろう。
だから平均より選ばれやすい記事群を持っていたのかも知れない。

皆さんの記事が英訳されたか確認するには手間がかかるが、記事URLの末尾に ?hl=en を付けて、英語版が表示されれば対象だ。(翻訳版では上部に “SYSTEM NOTICE / Auto translation by AI / Show original” と表示)
AIだとChat gptが一発で見つけてくれる。Geminiはダメだ。できませんと回答した。Claude Sonnetは散々苦戦して、無料クレジットを使い切った。Googleで検索するより、Chat gptにアカウントのURLを教えて検索しよう。
で、当方のどの記事が英訳されたのか?
What is AI Fraud? A Guide to the Basics You Need to Know to Stay Safe
Latin and Classical Greek Passage 031
う~ん。小説ではない。
この二本だ。pourquoi?
AI記事の英語版を確認したが、文句はない。元々相性がいいので、英訳はちゃんと伝わると思う。こんな感じだ。
社長からのメール。
疑う事なんて、普通はしないよね。
でも—— その常識が、もう通用しなくなっている。
という入りで、英語版も、
An email from the CEO.
You wouldn't normally doubt it, right?
But—
That common sense no longer applies.
となっており、導入のテンポは維持されている。
特に良いのは、この記事の中心構造である―
信頼(立場) × 緊急 × 秘密
が、そのまま
Trust (Position) × Urgency × Secrecy
になっている処だ。これは英語圏のビジネス読者にも分かりやすい。詐欺・BEC・ソーシャルエンジニアリング系の説明として、むしろ英語の方が自然に見える部分もある。
ではラテン語・古典ギリシャ語一節031はどうか?
かなり厳しい。原文は、単なるラテン語解説ではなく、キケロ、エピクロス派、マルクス主義、理神論、アトランティス、AI、愛、悟り、徳まで飛び、瑠璃ノ蒼の思想が大爆発しているが、英訳は内容をかなり拾っているものの、元の日本語の圧は弱くなっている。陳腐化した。
ラテン語の文法説明部分は英訳で問題ない。beatus, autem, esse, sine, virtute, nemo, potest の解説は、英語版でも自然に読める。むしろラテン語学習者には、英語の方が分かりやすい可能性さえある。ここはgoodだ。
問題は後半だ。たとえば日本語原文の、
暇だった。だからこの対話禄を書いた。
これは瑠璃ノ蒼的には、キケロを一気に役者化して、読者を失笑させつつ本題に入る一文だ。英語版では、
He was free. That is why he wrote this dialogue.
になっている。意味は合っているが、「暇だった」の雑な切れ味が消えている。ここは “He had time on his hands.” くらいの方が近い。
また、日本語の、
コレ、どっかで聞いた事がある。マルクス主義だ。エピクロス派とはマルクス主義の前世だ。
は、かなり強い断定がある。英語版では、
I've heard this somewhere before. It's Marxism. Epicureanism is the previous life of Marxism.
となっていて意味は通るが、“previous life” は少し不自然だ。ここは “a previous incarnation of Marxism” の方が思想・輪廻・皮肉の感じが出る。
惜しいのは記事全体の「雑味」が英訳でやや中和される事だ。原文の、
そしてどっちも維持できない。破綻する。
は非常に強い。英語版の、
And neither can be maintained. They collapse.
も悪くないが、日本語の方がリズムが鋭い。さらに、終盤の「知性とか理性は、幸福から遠いと知れ。」という強烈な一文は、英語版では、
Know that intellect and reason are far from happiness.
となっている。意味は正しい。ただ、日本語の「知れ」は古風で命令形の重みがあり、預言者的だ。英語だと少し教科書的になる。マイルドだ。
英語版は、意味の再現度は70〜75点、文体の再現度は55〜60点くらいだ。内容は読める。ただし、「瑠璃ノ蒼の奇妙な緊迫感、凄まじい雑味」はかなり飛んでいる。一度味わったらやめられない変なドブロクではない。
で、2本を比べると、
AI詐欺記事は、自動翻訳向き。
短文、実務、構造、注意喚起、チェックリスト誘導。このタイプはnoteの自動翻訳で十分機能する。
ラテン語記事は、自動翻訳だけでは瑠璃ノ蒼の本領が半分も出ない。
思想の飛躍、皮肉、断定、古典語・哲学・宗教・現代文明批評の混線が魅力なので、英訳されても「意味の地図」は残るが、「声」は遠くなる。
特にラテン語記事は、英語圏の読者が読んだ場合、内容以前に「この人は何者だ?」という印象は残る。ただし、日本語原文で感じる、超危険だが妙に読ませる文明論エッセイ感は英語版では少し説明文寄りになる。
運営はなぜこんな雑味の強い記事を選んだのか?
ま、でも勝手に英訳、フランス語訳した小説がある。
英語だけ翻訳して多言語を名乗るには片腹痛い。
そしてネタは最後に出すのがセオリーだ。
実は何と英訳された3本目の記事があるのだ。これだ。
Note, automatic multilingual support from May 27th?
この記事で、英語・フランス語・ドイツ語・ラテン語・古典ギリシャ語・北京語などを扱う当方は、note多言語対応の影響を受けやすい層だとも書いた。ここまで自覚的に書いた記事が、最初に拾われた訳だ。予言通り?
一体何のジョークだ?
流石に一本取られた感がある。
運営も味な事をする。
なぜこれを真っ先に英訳したのか?
ま、実務的な話だし、運営の解説だ。
運営も選んで損はない?
こう見ると、ランダムとは思えない。
人間的な判断はありそうだと思える。
ただ今後は随時翻訳されていくので、
あまり意味がない。
Noteの黒船として、
瑠璃ノ蒼から三記事、
選ばれただけだ。
今後も増えて行くだろう。
さーて、猫の時間だ。

以上
