ラテン語・古典ギリシャ語一節013
Plātō scrībēns est mortuus.
某文法書プラートー スクリーベンス エスト モルトゥウス
古典式発音
Platon est mort en écrivant.
フランス語訳
Plato died while writing.
英訳(Loeb)
プラトンは書きながら死んだ。
日本語訳
解説
PlātōはΠλάτων(プラトーン)人名。ギリシャの哲学者。BC427~BC347。
「プラトンは」と訳す。
scrībēnsはscrībō(書く)の現在分詞・能動態・男性・単数・主格
「書きながら」と訳す。付帯状況の分詞、副詞的用法
estはsum(~である)の直接法・能動態・三人称・単数・現在
「~だ」と訳す。英語beのisに相当
mortuusはmorior(死ぬ)の完了分詞・能動態・男性・単数・主格
「死んだ」と訳す。語の形は受動だが、意味は能動。
著名な某文法書の分詞の解説で、付帯状況の用法として、紹介されていた。この「プラトンは書きながら死んだ」とは何なのか気になって調べてみたら、元ネタはディオゲネス・ラエルティオスだった。
Ἐτελεύτησε δὲ γράφων, ὡς φησὶν Ἑρμίππος, τὴν Μοίρᾳ διάλογον ἐνταῦθα ἀτελῆ.
Loeb『Diogenes Laertius, Lives of Eminent Philosophers』Book III, §2 p275
He died while writing, as Hermippus says, the dialogue “On Fate,” which remained unfinished.
Loeb『Diogenes Laertius, Lives of Eminent Philosophers』Book III, §2 p276
彼は書きながら死んだ。ヘルミッポスが言うに、『運命について』という対話禄を未完成で残した。
拙訳
つまり、モイラについて、プラトーンはグラフォーンしながら、テレウタウォーした訳だ。時制はアオリストだから、叙述の時の中で、永遠に凍り付いている?彼は机に突っ伏して、倒れたままのイメージだ。
だからどうした?と言われればそれまでだが、何か漫画的な面白さがあったので、選んでみた。プラトンは、ソクラテスの仇討ちで始まり、途中神話的世界観をリアルに再構築し、最後はポリスの詳細設計で終わった。
プラトンは霊感があった。『国家』のエルの神話とか、洞窟の比喩とか、霊能者の視点に立たないと書けない。イデアの世界も、あの世の世界の話だ。基本的に霊界を見て、そのイデアを現実世界に下ろそうとした。
プラトンは、ソクラテス同様、完璧にダイモーンの導きで、活動していた。それに対して、アリストレスは霊能者ではない。だが多少の霊感とダイモーンの支援で活動していた。現実的だが、それでも現代人ではない。
アリストレスの『ペリ・プシュケー』について、いつか取り上げたいが、とりあえず、古典古代のつまみ食いを続ける。最近、ラテン語の偉い先生にこの記事が見つかって、恥をかいた?が、粛々と進めよう。
以上
