見出し画像

『ドリーム』理不尽な壁は知識と実力でぶち壊す、女性たちの物語

どうも、みなみです。

今回は、アメリカ合衆国の伝記映画であり、1960年代のNASAで実際に活躍していた黒人女性たちの姿を描いた傑作を紹介します。

それが、『ドリーム』(2016年)です。

演出的に多少の脚色がされており、事実とは異なる部分もあるようなので、今回はあくまでこの映画の中のお話として、私の感じた魅力を語らせてくださいね。

『ドリーム』のあらすじ

1960年代初頭、米ソ宇宙開発競争が激化するアメリカ。
NASAのラングレー研究所では、多くの黒人女性たちが「計算手」として裏方で働いていた。 ある日、天才的な数学の才能を持つキャサリンは、宇宙飛行士を宇宙へ送り出すための最重要部署「宇宙任務部隊」へと配属される。しかし、そこは白人男性ばかりの完全な男社会。オフィスには黒人用のコーヒーポットすらなく、周囲からは露骨な嫌がらせや冷遇を受ける。
同じくリーダーシップに溢れるドロシー、エンジニアを目指すメアリーも、それぞれ人種の壁にぶち当たっていた。理不尽な社会に苦しめられながらも、彼女たちは自らの知性とプライドを懸けて、歴史的な偉業へと挑んでいく――。


主人公のキャサリンは、子供のころから数学が得意でとにかく頭がいい女性です。彼女には、自分の実力への揺るがない自信があるからこそ、どれだけ嫌な相手にも簡単には屈しない強さがあります。
彼女の中には確固たる信念があるから、ちょっとした嫌がらせにも屈しません。黒人だからと諦めざるを得ない境界線が引かれていた時代だったのかもしれませんが、彼女は自分の仕事を誰よりも全うし、男だからと胡坐をかいている周囲の人間たちを実力で圧倒していくんです。

作中、同じ仕事をして計算の確認をする必要があるのに、意味不明な「機密事項だから」と、わざわざ黒塗りにした資料を渡してくる白人男性の同僚がいるのですが、これが本当に観ていて腹が立つ!
男女関係なく、ちっぽけなプライドのせいで仕事が先に進まないっていうのは本当に困りものです。
だってNASAですよ? 人類の未来に関わる仕事なのに、そんな小さなプライドで足を引っ張るなんてもったいない。そう思わずにはいられませんでした。

この作品の最大の見どころといえば、やっぱり上司のハリソンが、キャサリンの長時間の離席に気づいてその理由を問い詰め、そして差別ルールをぶっ壊すところです。
黒人と白人でトイレの使用制限があり、キャサリンは毎回、何棟も先にある800メートルも離れた遠い黒人用トイレまで、重たい資料を持って走らなければなりませんでした。トイレの中でまで必死に計算をして、戻ってまた仕事。それなのに、席を外している時間は周囲から「サボって休憩している」と目を向けられる……。

大雨の日に、それまでの理不尽への怒りを大爆発させたキャサリンの訴えを聞き、ハリソンが取った無言の行動が本当に気持ちよくてスカッとします。バールで白人専用トイレの看板をガツンガツンと叩き割る姿。
そして放った「これでただの古いトイレだ」という言葉。
彼にとっては必要のない仕事に支障をきたすルールは不要なんです。

上司として今までその差別に気づけていなかったという面はありますが、ハリソンは人種も性別も関係なく、「結果を出せる人間なら、人種も性別も関係ない」という考えを貫く人物なんです。
「目的のために手段を選ばない」という彼のスタンスが、残酷なことではなく、意味のない差別を跡形もなく消し去る最高の言葉になるのが不思議で、本当に格好いいなと思います。

作品のメインはキャサリンですが、彼女の仲間であるドロシーの、機転の利いた未来への投資の仕方も本当に素敵です。
巨大なIBMのコンピューターが導入されたとき、「これからは計算手じゃなく、プログラミングの時代がくる」といち早く察知した彼女。
差別され、苦しめられている理不尽な環境の中でも、ただ怒りをあらわにするんじゃないんです。自分の権利をきっちり主張し、時代に合わせて勉強し、一緒に働く女性の仲間たちに技術を教え込んで、全員を必要な存在へと引き上げていく。
みんなの居場所をしっかりと作るために先を見て動けるスーパーバイザーであるドロシーも、本当に格好よくて素晴らしいリーダーです。

そしてもう一人の友人メアリーは、NASAで最初のアフリカ系アメリカ人女性エンジニアになる女性。女性であり黒人でもある彼女が、技師になるための勉強をすることすら認められにくかった時代に、白人専用の高校(大学の夜間課程)に通って学位を取る必要があるという高すぎるハードルを、なんと裁判を起こして自力で勝ち取るんです。通うまでも大変ですが、通ってからも色々トラブルがあったはず。それでも、後半のシーンで白人男性としっかり握手している姿が描かれていて、彼女もまたその実力を周囲に認めさせてきたんだなと思うと、本当に胸が熱くなります。
最初は彼女の身を心配するからこそ反対していた旦那さんが、最後には一番の味方になって応援してくれる姿も最高に素敵です。

この作品を観ていると、男性からの優秀な女性への嫉妬だけでなく、白人女性からの黒人女性への「なんとなくの差別」があることにも気づかされます。優秀な白人女性たちも、女性だからと十分に評価されず、自分なりの居場所を必死に作っていたのかもしれません。
だからといって黒人女性をないがしろにしていいわけではありませんが、それでも、そういった壁を越えて女性同士で手を取り合うことができたときこそ、本当に女性が輝いて働ける未来が築けるんだよな、と思いました。だからこそ、終盤で白人女性であるミッチェルがドロシーを認め、尊重した姿を見たときは、もの凄く嬉しかったです。

何か大きな目的を達成するためには、男も女も関係ないし、人種なんてもっての外です。ただ、その目的を達成できるだけの確固たる技術や知識があるかどうか。
何かを変えたい、のし上がりたいと思ったとき、学ぶって本当に大切だし、やっぱり「知識は力」ですね。

みなみのオススメポイント

  • こんな人にオススメ
    現状を打破する勇気が欲しくて、「自分の力でのし上がるぞ!」とモチベーションを高めたい人に強くオススメします!

  • 最推しキャラクター:ハリソン
    (目的のために手段を選ばないけれど、私情を挟まずに部下の実力をちゃんと見て評価してくれる、理想の素敵な上司です)

  • 吹替で観てほしい度 ★★★★☆
    (映画が持つテンポの良さと、キャサリンたちのセリフの小気味よさをダイレクトに味わうなら吹替版が最高です!)

みなさんにも、「圧倒的な実力で、周囲の偏見や理不尽なルールをドカンとひっくり返してくれた大好きな主人公」はいますか?

それでは、また明日!

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集