氷河期サバイバーが接客のプロになるまで【ギャル服ショップ編part①】
自信が芽生え始めた頃、心を動かしたのは“おしゃれ”だった
接客の楽しさを、人生の大先輩・きみさんから教えてもらった私は、
少しずつ“誰かに喜んでもらえる”ことの喜びを知り始めていました。
そんなとき。
ちょうど20代に差し掛かる年齢。
ようやく自分にも「何かできるかもしれない」と思い始めた頃、
私の中で大きくなっていったのが、「おしゃれを楽しみたい」という気持ちでした。
クラブ、ギャル、ブレイズヘア─夢中になった“自分をつくる”遊び
きっかけは、友達のゆうこちゃんに連れて行ってもらったクラブ。
ちょっと大人で、おしゃれで、遊び慣れた人たちが集まる空間にワクワクして、すごくかっこよくて。
気が付けば私も夢中で通うようになりました。
そこで出会ったお姉さんたちは、みんなとにかくおしゃれで堂々としていて、めちゃくちゃかっこよくて。
気づけば私もその背中を追うように、ファッションにのめり込んでいきました。
特に心を奪われたのは、ちょうどそのころクラブで流行っていた、
黒人カルチャーをルーツにした「B-girl」スタイルと呼ばれるファッション。
ちょっと強くて、自分をしっかり主張するストリート感のあるスタイルなのに、
ミニスカートや厚底ブーツで女性らしさもしっかりアピールできる──
そんな強さと可愛さが共存した世界観に、私はどっぷりハマっていきました。
当時は安室奈美恵ちゃんが、アメリカの人気シンガー・ローリン・ヒルに影響を受けて、ブレイズヘアをしていた時代。
私もその姿に憧れて、編み込みやスパイラルパーマに挑戦したりして。
“ファッションと自己表現に夢中”な毎日でした。
クラブに行くために、雑誌でスタイルを研究して、真似して、友達と撮ったプリクラを並べては反省会。
お気に入りの洋服屋さんを巡って、鏡の前で何度も試着して──
あの頃の私は、“自分らしさをつくる”のに全力だったと思います。
張り紙がくれた、小さなチャンス
そんなある日、通っていた駅ビルでふと目に入った、「スタッフ募集」の張り紙。
それは、いつも憧れてウィンドウ越しに眺めていた、あのギャル服ショップでした。
当時私は、まだ補聴器の営業職。
けれど、仕事終わりに華やかな洋服屋さんを見かけるたびに、自分の仕事がなんだか地味で退屈に見えてしまって。
ちょうどその頃、職場でモヤモヤする出来事もありました。
上司と同僚が、仕事中に不倫を重ねていたのです。
みんな立ち上げメンバーだから、仕事内容もほとんど一緒。
だから、外回りなんて言う業務もないことも知っていたから、
営業に行くと言って事務所を出て、ラブホテルで“外回り”という名の密会をしていたふたりが、最終的に結婚すると知ったときには、
「もう、ばかばかしくてやってられない!」という気持ちでいっぱいでした。
そんなときに見かけたのが、あの張り紙。
勢いだけで踏み出した「好きな世界」への転職
そんなときに目に入った張り紙だったから、
「どうせ受からないだろうけど…」という軽い気持ちで、履歴書を送ってみることにしたんです。
すると、まさかのトントン拍子。
面接もすんなり通って、気づけば採用が決まっていました。
今思えば、本当に勢いだけの決断だったなって思います。
でも、あの頃の私は若かったこともあって、“気持ちのままに動く”ことができた。
私はそのまま補聴器営業を辞めて、憧れだったギャル服ショップで働く道を選んだのでした。
次回予告
次回は、いよいよアパレル販売員として、
右も左もわからない私が、どうやって“顧客数トップ”になれたのか。
そして、「またこの人に会いたい」と思ってもらえる接客とは、どんなものだったのか。
そんなお話を綴っていきます。良かったら読んでください。
