司法試験・予備試験対策・刑事訴訟法(43)|220条の趣旨から考える逮捕に伴う捜索・差押えを答案の型で整理する
被疑者を逮捕したその場で、令状なしに所持品を捜索し、証拠物を差し押さえる――このような処分は、令状主義(憲法35条)に反しないのでしょうか。多くの受験生は、「逮捕に伴う捜索・差押え」という制度の存在自体は知っていても、なぜ令状なしにこれが許容されるのかという実質的な理由付けを説明できず、条文の要件を機械的に当てはめるだけの答案になってしまいます。
本稿は、2013年(平成25年)司法試験・刑事系科目第2問(準現行犯逮捕に引き続き、被疑者の所持品について令状なしに捜索・差押えがされた事案)を素材に、逮捕に伴う捜索・差押えについて答案の型を整理します。
この論点が重要な理由
・逮捕に伴う捜索・差押え(刑事訴訟法220条1項2号、3項)は、令状主義の例外を定める重要な規定であり、その許容根拠(なぜ令状なしに許されるのか)についての理解が、後続の応用論点(「逮捕の現場」の意義、本シリーズの別記事を参照)を検討する上での土台になります。 ・許容根拠については、緊急処分説と合理的相当性説という二つの立場が対立しており、それぞれの理由付けと、導かれる結論の違い(捜索・差押えの対象物の範囲等)を対比的に整理する必要があります。
・逮捕に伴う捜索・差押えの対象物の範囲(何を捜索・差押えできるのか)についても、条文の文言と、許容根拠の理解から演繹的に検討する応用力が試されます。
・準現行犯逮捕(本シリーズの別記事を参照)の適法性を前提として、初めてこの論点の検討に進むことができるという答案の順序も、重要なポイントです。
結論・規範の要点(ここだけは押さえる)
・検察官、検察事務官又は司法警察職員は、被疑者を逮捕する場合において必要があるときは、逮捕の現場で、令状によらないで捜索、差押え、記録命令付差押え又は検証をすることができます(刑事訴訟法220条1項2号、3項)。
・この規定が、令状なしに捜索・差押え等を認めている根拠については、①逮捕の現場には、被逮捕者による証拠の破壊や、逮捕者に対する危害のおそれといった緊急の必要性が類型的に存在するため、これに対処する緊急処分として許容されるとする見解(緊急処分説)と、②逮捕という重大な司法処分に付随する処分であるため、令状なしに行っても不合理とはいえないとする見解(合理的相当性説)があります。
・逮捕に伴う捜索・差押えの対象物の範囲については、争いがあるものの、当該逮捕の理由となっている被疑事実に関する物件及び証拠に限定されると解するのが一般的です。
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(無料部分では条文の要件と学説の対立の存在までしか示せません。有料部分では、各学説の理由付けと、対象物の範囲の判断への影響、答案での書き方の型を具体的に示します。)
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