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司法試験・予備試験対策・刑事訴訟法(33)|プライバシーの包摂関係から考える捜索の許容範囲を答案の型で整理する

会社事務所を捜索場所とする令状で、そこに勤務する従業員の私物にまで捜索が及ぶのでしょうか。多くの受験生は、捜索・差押えの条文(刑事訴訟法218条・219条)は知っていても、場所に対する令状の効力が、その場所に置かれた「物」や、居合わせた「人」にどこまで及ぶのかを答案で説得的に示すことを苦手としています。

本稿は、2012年(平成24年)司法試験・刑事系第2問(刑事訴訟法)(覚せい剤取締法違反の被疑事実で、会社事務所を捜索場所とする令状に基づき捜索が実施された事案)を素材に、捜索の許容範囲について答案の型を整理します。

この論点が重要な理由

・令状主義(憲法35条)の下では、捜索の対象は令状に記載された「場所」「物」「身体」ごとに区別して審査されるのが原則であり、場所に対する令状で、そこに置かれた物や居合わせた人まで捜索できるのはなぜかという理論的な説明が求められます。
・本問のように、会社事務所という「場所」に対する令状で、そこにいた従業員の私物(荷物)を捜索できるかは、頻出の応用論点です。
・「プライバシーの包摂関係」という視点は、令状主義の趣旨(プライバシーの司法的保護)に立ち返って論じる典型的な思考枠組みであり、この理解を答案でどう表現するかが差を生みます。

結論・規範の要点(ここだけは押さえる)

・捜索とは、一定の場所、物又は人の身体について、物又は人の発見を目的として行われる強制処分をいいます。
・令状主義(憲法35条)の下で、捜索・差押えは、原則として捜索すべき場所、身体若しくは物を明示した令状によらなければなりません(刑事訴訟法219条1項)。
捜索場所に置かれた物について、本来捜索場所にあることが予定されている物については、その物に対するプライバシーの利益は場所に対するそれに包摂されており、場所に対する捜索令状により捜索できると解されます。
捜索場所に居合わせた人の携帯品についても、その物が当該場所に置かれているのではなく、居合わせた人がたまたま携行していた場合等には、この理は妥当しません。
捜索場所に居合わせた人の身体については、身体に対するプライバシーの利益は、場所に対するプライバシーとは独立して保護に値するものであるため、場所に対する令状によって当然に捜索が許されるわけではないと解されます。

ここまでが捜索の許容範囲の基本枠組みです。ここから先は、会社事務所内の従業員の荷物への当てはめの型と、答案での書き方を示します。

――ここから先は有料部分です――
(この論点の答案で差がつくのは、「場所に対する令状で物も捜索できる」という結論を書くだけでなく、その物が場所に対するプライバシーに包摂される関係にあるかどうかを、具体的な事実(従業員の存在が当然予定されているか等)に即して検討できるかどうかです。有料部分では、この判断の手順と答案の型を具体的に示します。)

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