「すべての子どもたちが安全な世界」を目指すAiCANの挑戦!〜インパクトスタートアップで現場に伴走するCS(カスタマーサクセス)を紹介〜
こんにちは、HIRAC FUN広報の矢頭です!今回は、HIRAC FUNDの投資先であるインパクトスタートアップAiCANに興ついて、事業の魅力や働く人々の想いを伝えるインタビューを掲載します。
AiCANは、自治体の子ども虐待対応を支援する業務支援アプリ『AiCAN』と専門的研修や伴走サポートを通じて、社会課題である「子ども虐待」の解決を目指しています。今回、株主であるHIRAC FUNDでAiCANを担当する檜山からAiCANが持つ成長性と将来性、そして社会に与えるインパクトについて深掘りしました。
プロフィール
インタビュイー:
AiCAN CEO 髙岡 昂太
子どもの虐待やDV、性暴力などの分野で臨床を行いながら、課題解決のための研究・開発をしてきました。現場の課題を、現場の経験値とテクノロジーの統合を通して解決し、すべての子どもたちにとって安全な世界にすることに挑戦しています。
AiCAN CMO 橋本 笑穂
世界中のすべての子どもたちが心穏やかに過ごせる時間が持てる世界をつくりたい。娘たちに、今よりももっと豊かで美しい世界を手渡したい。そんなことを考えて仕事をしています。
インタビュアー:
檜山 悠太朗(HIRAC FUND ディレクター)
英国ロンドンの大学で経営学/金融学を専攻。3年で卒業後(academic acceleration)、EY税理士法人に入社し国際税務アドバイザリーに従事。 大学在学中には東南アジア投資をする独立系ベンチャーキャピタルのシンガポールチームにインターンとして参画し、企業価値の算定などを担当。 2021年6月にHIRAC FUNDに参画し、投資実務及びファンドレイズに従事。2025年7月時点で18社への投資に携わる。新興技術、ESG、ヘルスケアなど幅広い領域の投資検討を推進する。

AiCANについて
檜山:本日はよろしくお願いします。はじめに、AiCANがどのような事業に取り組んでいるのか、具体的に教えてください。
高岡:はい。私たちは、子ども虐待対応にあたる児童相談所や自治体の職員の方々を支援するSaaS型のクラウドサービス「AiCAN」を提供しています。
これは、タブレット端末から利用できるWebアプリ、クラウドデータベース、そしてデータ分析用AIから構成されています。
主な機能としては、情報を入力するとAIが重篤な虐待の併存確率を予測表示したり、チャット機能や写真撮影機能で職員間の情報共有をスムーズにしたり、移動中のスキマ時間にも記録入力ができるようにしたりと、現場の業務効率化、コミュニケーションの円滑化、そして判断の質向上に寄与しています。
アプリ提供だけでなく、導入後の研修や常駐サポート、業務改善提案まで、現場に「伴走」するワンストップサービスとして展開しています。
現場に伴走するCSとは
檜山:ありがとうございます。今回はこのAiCANで営業職・カスタマーサクセス(以下CS)職の方がどういったミッションを持って業務にあたっているかお聞かせください。その前に、最初にビジネス職を管掌されている橋本さんについてもお聞きしたいのですが。新卒からBtoG(Business to Government)事業にかかわっているのですよね。
橋本:そうですね。BtoGの魅力は、民間企業ではなかなかアプローチしにくい、社会の根幹を支える領域に直接貢献できることだと感じています。
特にAiCANでは「すべての子どもたちが安全な世界に変える」という明確なビジョンがあり、技術やビジネスの進化が、子どもの幸せに直結することを実感できます。自分たちの仕事が、少しずつ社会の「当たり前」を変えていく過程に立ち会えることは、大きなやりがいだと思いながら日々仕事をしています。
檜山:サービスの導入先は自治体の児童相談所や、子育て支援課・母子保健課などですよね。いわゆる一般の営業やCSにおいて、やりとりをする方が違うと思いますが、いかがでしょうか。
橋本:仰るとおり、最もコアなお客さまは児童相談所を設置する自治体で、全国に90自治体しかありません。営業を行う上でも、今すぐでなくとも将来的に関わることが想定されるので、一度の取引で終わらず、ずっと関係が続いていく中長期前提でコミュニケーションを取ることを意識しています
また、お客さま同士が横で繋がって情報交換もするので、口コミで情報が広がることが多いですね。ですので、この点でも短期的な利益以上に関係性・信頼の構築を大切にしています。
檜山:AiCANのCS職と他社の違う点について教えていただけますか。
橋本:AiCANのCSは、単にアプリを導入して終わりではありません。お客さまである自治体の方々が抱える課題を深くヒアリングし、「AiCAN」をどのように活用すればその課題を解決できるのかを一緒に考え、提案していく「伴走型業務支援」が特徴です。
導入時の研修や常駐サポートはもちろん、定期的なワーキンググループを通じて活用方法を探ったり、システムに蓄積されたデータの分析結果を業務改善に活かせるようフィードバックしたりと、多岐にわたります。

檜山:CSの方が常駐もサポートも入るのですね!現場に出る機会が多いということでしょうか?
橋本:安定稼働以降はオンラインも増えますが、導入初期のキックオフや最初の2日は必ず導入先の現地でしっかりと時間をとります。業務フロー自体が変わるサービスなので、対面でしっかり説明させていただきます。
檜山:かなり丁寧な導入支援をしているのですね。
橋本:デジタルサービスに慣れていない方もいらっしゃいますから、タブレットの基本的な操作から丁寧に説明し、一人ひとりのリテラシーに合わせて伴走します。 リアルなコミュニケーションを重視することも、自治体の方とコミュニケーションをとる上で非常に重要だと考えています。
檜山:ほかにAiCANのCS職の違いはなにかありますか?
橋本:先ほど述べたとおり、担当する範囲が広いのも特徴です。自治体システムや児童福祉の知識、タブレットやApple製品の知識、さらに自社アプリの仕様理解など求められる範囲が広いです。ですが、一人で抱えるのではなく、チーム制にして対応していますので、その点は安心していただければと思います。
檜山:橋本さんのなかで印象に残っているエピソードはありますか?
橋本:実証実験後、一時的にサービスを引き上げる必要があるのですが、現場の方から「AiCANロス」という言葉が上がることがあります。
業務に「AiCAN」が不可欠になっていることだと思いますので、印象に残っています。
ほかにも、紙ベースの業務に戻れないというお声や、「AiCAN」の導入によって職員間の連携やチームの結束が高まり、業務効率が大きく改善したというお声を聞くと、私たちのサービスが、これだけ深く貢献できていることを実感できるのは大きなやりがいです。
檜山:素晴らしいですね。CS職として、AiCANで働く中でどのような成長機会がありますか?
橋本:AiCANのCSは、直接お客様の声を聞き、サービス作りへ繋げることができる最前線の部門です。やりがいをもって働いている方が多いと思います。
また、私たちはまだ創業6年目のスタートアップですので、これから事業をグロースさせていく段階です。 サービスや事業が成長していく中で、やり方を常に見直し、工夫や改善を続ける必要がありますので、成長機会を求める方には良い環境だと思います。今色々な知識や経験がなくても「社会の役に立ちたい」「社会課題を解決し、自分自身も成長し学びたい」という想いがある方には、良い成長の機会になると思います。
AiCANのこれから
檜山:AiCANのこれからの方向性・ビジョンについて教えていただけますか。
高岡:まず私達は「すべての子どもたちが安全な世界に変える」というビジョンを持っています。もともと私自身が児童相談所の非常勤職員として勤務するなど、これまでとくに子ども虐待に携わって来ました。臨床や研究をしていたのですが、事業として持続可能な形にし、この課題を根本から解決すべく2020年に起業しました。
これまでは、サービスの立ち上げや、一部の自治体に注力しサービスの開発や導入の支援を進めていました。現在は全国で16の自治体、1,000名のユーザーを突破しました。今後は、引き続き現場の課題解決・質の向上を継続しつつ、全国へのさらなる展開を両輪で進めたいと考えています。より遠くにいくために、仲間とともに事業を拡大する次のフェーズに来たのかなと感じます。

檜山:自治体の方に支持いただいている理由はどこにあるのでしょうか?
高岡:「AiCAN」のサービス導入まで、2〜3年かかるため導入自治体数の増加は緩やかです。しかし導入自治体で60%業務効率化が再現されているのが特徴であり、私たちの強みだと思っています。
檜山:導入実績だけでなく、効果の再現性という部分が強みなのですね。
高岡:そうですね。今後の全国展開を加速させる上で、CS職は非常に重要なポジションだと思っています。CSは、単にサービスを導入するだけでなく、ユーザー、つまり現場の課題を深く理解し、AiCANの活用を通じて業務変革を推進する「伴走者」になります。自治体は横のつながりが大きい部分もありますから、オンボーディング体験の良さや業務効率化や職員間のコミュニケーションの円滑化といった効果の再現性が、新たな自治体への導入につながります。

檜山:ありがとうございます。CS職についてよくわかりました。最後に高岡さんからもメッセージをもらってもいいでしょうか。
高岡:「子ども虐待」は世界中で解決されていない困難な社会課題のひとつです。私たちは常に子どもの安全を最優先にし、最前線で立ち向かう皆さまとともに、日本、そして世界を変えていきたいと思っています。
この想いに共感いただける方とぜひ、子どもたちの未来のために挑戦していければと思います!
檜山:ありがとうございました!
おわりに:HIRAC FUNDからみたAiCANの強み
最後までお読みいただきありがとうございました。マネーフォワードベンチャーパートナーズが運営するHIRAC FUNDは、2024年からAiCANの支援をしています。
子ども虐待の領域は、課題解決に取り組む事業者が大きく限定されている中、領域としては非常に根深い課題を複数抱えています。子ども虐待事態を認知することが難しく、また全国233か所の児童相談所において、相談対応件数は 225,509件と、過去最高という状況です。こういった昨今の相談件数に対する受け皿を担保することが重要な課題です。
HIRAC FUNDとしては、AiCANの以下の点が大きな強みだと認識しています
● 社会貢献性と事業成長の両立:社会貢献性の高い事業でありながら、着実に業務効率化の実績を積み重ね、全国展開へのロードマップを描いています。サービスを導入する自治体も増えています
● 現場に深く入り込むソリューションと再現性:サービスの提供に留まらず、業務フロー自体を変革し深い価値を提供しています。また、導入自治体では60%業務効率化が再現されている部分も強みのひとつです
● 経営陣の高い専門性と強い想い:代表の高岡氏は現場で社会課題に向き合い研究・開発を重ねてAiCANを起業しました。この強い想いと経営陣を支える素晴らしいチームで経営されています
HIRAC FUNDは、AiCANの挑戦を全面的にサポートしていきます。このnoteを機会に、興味を持っていただけたらと思います。
