ショートエピソード|赤獅子の獣族
追憶のオリジン 第四章
ショートエピソード:赤獅子の獣族 成長発達
レイ
「タト…君はミミを少し甘やかし過ぎじゃないか…?」
タト
「そうかな…?でも、ミミはこんなに小さいんだ」
(レイを世話するライアンさんの方がよっぽど…いや、黙っておこう)
レイ
「真偽は分からないが、赤獅子の獣族は、1年で人間の3年分ほど成長すると聞いたことがある」
タト
「えっ、ミミが生まれて4〜5年だとしたら、ボクらと同じくらい…なのか?」
レイ
「体は人間と同じように発達するらしい。でも力が強く、酷使されやすくて、寿命は長くても30年ほどだそうだ」
タト
「そっか……。不思議なものだね」
レイ
「ああ。この世界は、未知のもので溢れている」
二人は、リスを追いかけて無邪気に遊ぶミミの姿を見つめた。
――いや、よく見ればあれはモモンガだ。
その滑空するモモンガを、ミミはすごい跳躍で追い越していた。
(この世界が未知で溢れているなら、ミミもきっとそのひとつ。
理解できないことは多い……けど、
だからこそ、ミミの笑顔を守るんだ。
今のボクにできることが、ただ、目を離さないことだけだとしても。)
ミミのふさふさの赤毛が、いっときも止まらずにせわしなく動く。
タトはその姿をみるたび、冷え切った胸がどこか温かくなる。
そして、顔が自然とほころぶのだった。
(おわり)
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