#1-6 氷山の問いかけ|追憶のオリジン〜氷の女王の眠る街〜
第6話 氷山の問いかけ
翌朝、タトは昨日と同じように森へ出て、木を切った。
木の幹を叩く音だけが、霧の森に響いている。
ふと、氷山を見上げる。
(あの氷山の中に…女王が眠っている…)
(そしてボクは、その女王と同じオリジンを持っている…?)
そんなこと、信じられなかった。
昨日よりも多くの木を切った。
頭をからっぽにしたかった。
(なぜ、いくら木を倒しても、森の侵攻は止まらない?)
(災害級の吹き下ろしは、なぜ女王が眠る場所から起こる?)
久しぶりに、手のひらがじんじんと痛んだ。
(…他の塔は、まだ残っているのだろうか?)
タトは、自分が平凡な人間だと知っている。自分がオリジンなどとは、とても思えない。
ボクはただのボクで、何かを変える力なんてない。
ただ、毎日を生きることで精一杯だ。
もう一本、力いっぱい木の幹を叩いて倒した。
(つづく)
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