こぼれ話〜森での食事①
【背景】本編 第二章のこぼれ話
森での食事①
タトは、氷ウサギの肉を焼くミミに目を見張り、思わず言った。
「それにしても…氷ウサギ?中心部へ行かないといないはずじゃ…」
「だってここらへんの動物は大っきすぎて、ミミ食べきれないんだよ。残すと変な動物が寄ってくるでしょ?ウサギは捕るの簡単だし」
簡単?
氷ウサギは氷山の近くにしかいない。
その氷山が問題だ。
近づけば近づくほど、天候は不安定になり、魔攻撃が激しくなる。
それをかいくぐって狩らなければならない。街でも手練れが複数人で狩る動物だ。
「肉を保存しないのかい?」
「ほぞん?ミミは狩りが好きだから、いつも食べる分だけだよ。」
「そうか。
明日は一緒に大物を1頭、狩ろうか。余ったら保存食を作ろう」
「やったー!」
*
翌朝、小柄なシカを一頭見つけた。
一人では難しい大型動物も、二人なら――そう思った次の瞬間、ミミが動いた。
ミミは、片腕に赤い炎をまとい、
駆け出すと同時に人間離れした跳躍でシカへと飛びかかった。
その爪がシカの首に触れた瞬間、シカは音もなく倒れていた。
そのスピードと迫力に、タトは言葉を失った。
このあたりで、瘴気に侵された魔物に遭遇しなかった理由は、もしかしたらミミのせいかもしれない…。
タトは根拠もなくふと、そんなことを思った。
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