#3-11 白い輝き|追憶のオリジン〜氷の女王の眠る街
第11話 白い輝き
無邪気で明るいミミ、寡黙な少年レイ。
そのふたりを、穏やかに取り持つタト。
旅は思いのほか、快適だった。
朝の空気に、草のにおいが混じっている。
3人は水に覆われた湿原を抜け、やがてフェリサリアの塔の裏側に到着した。
街から数キロほど離れた場所だ。
そこに拠点を構え、
六角柱の光る石、「オリジア」の探索が始まった。
*
苔むした瓦礫のある地帯は広い。
レイは、崩れる前の塔の全貌を知っているかのように、瓦礫を調査しては、効率的に指示をくれた。
石を探したり、夜を明かしたりしながらも、タトは、ミミが時折、
フェリサリアの方を寂しそうに見ているのに気づいていた。
そして、ある昼下がり――
それは思いがけない形で訪れた。
「ここを調べるのは三度目だが、気になる地形変化がある。根が広がったのかもしれない」
レイが慎重に言う。
「よし、もう一度見てみよう」
地面をなぞりながら、タトは辺りを探った。
その頃ミミは、木の枝から枝へと駆け回っていた。
「あーもうつまんない〜!おやつ〜!」
文句を言いながら、巨木の枝にくたっと寝転がった。
フェリサリアの森にいると、切ない気持ちが押し寄せる。
ミミは、タトを目で追いながら、木漏れ日が揺れる中、ウトウトとまどろみ始めた。
その時——
ぱきっ
ミミが寝ていた枝が乾いた音とともに折れ、地面に落ちた。寝ぼけ眼のミミは体勢を整える間もなく…
「ぎゃんっ!」
尻もちをついた先で、ミミの手のひらがふれたのは、土の中から少しだけ顔を出した石。
その瞬間、石が光った。
柔らかな白光が、根元を包むように広がる。
「あっ……!」
ミミの悲鳴に慌てて駆け寄ったタトとレイは、光る石を見ると、顔を見合わせて笑った。
百メートルは軽くありそうな巨木の根元、木の根が石を押し上げていたのだ。
ミミが六角柱のオリジア石を掘り出すと、白い輝きが彼女の手のひらを照らした。
「……ミミ。」
呼ばれて顔を上げると、優しく微笑むタトがいた。
「このオリジアを持って、エリザに会いに行こう。
ボクたちも、一緒に行くよ」
その声は、静かであたたかかった。
そしてその瞳は、ミミの悲しみを包みこむように、深く深く、輝いていた。
(つづく)
第11話 白い輝き - 追憶のオリジン〜氷の女王の眠る街〜|不思議な六角柱の石が世界の謎へと導く冒険ファンタジー | Tales 物語・小説
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