アーティショーの花③お皿のうえ
リラは、
まだアーティショーを
上手に食べられない。
葉を一枚ずつ、
はがしていく。
どこを食べるのか、
よくわからない。
マスールたちは、
葉の付け根を歯でしごきながら、
黙って食べている。
ページをめくるように、
何枚も何枚も。
すると、
クリーム色の毛のようなものが現れた。
ぎっしり集まっている。
リラは目をみはる。
狩人の家にある、敷物みたい。
丸くなって眠る
小さな獣。
リラが、
指でそっと撫でていると、
マスールの手が、毛皮をそっと外す。

灰色の、
少しねっとりしたところが現れる。
おとなたちは
布で指をぬぐい、ナイフとフォークに持ちかえる。
やっとお食事らしくなる。
けれどリラはその間も、
ずっと畑で揺れる
アーティショーの首を思い出していた。
④につづく (週一回更新)
リラ|ある修道院の果樹園で
第二話 アーティショーの花 ① ②
