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10月はふたつある( と、いいのに )

大島弓子「10月はふたつある」

レイ・ブラッドベリ「十月はたそがれの国」



10月が好きだ。

作る詩も10月のものが多い

誰に見せるわけでない
下手であろう。
其れは詩ではない、といわれるだろう
けれど
書くことが
毎日失敗する自分をなぐさめた。


いまも、私の中から言葉があふれて
霜月の零余子のように
あとからあとからこぼれ落ちる

こぼれ落ちる言葉を笊に受けて
大粒を
むかご飯に炊いて、夕餉にする

残った細かい粒やかけらを拾い集めて
「詩のようなもの」が生まれる




「十月の詩」 田村隆一

   田村隆一詩集『四千の日と夜』より

危機はわたしの属性である
わたしのなめらかな皮膚の下には
はげしい感情の暴風雨があり 十月の
淋しい海岸にうちあげられる
あたらしい屍体がある

  十月はわたしの帝国だ
  わたしのやさしい手は失われるものを支配する
  わたしのちいさな瞳は消えさるものを監視する
  わたしのやわらかい耳は死にゆくものの沈黙を聴く

恐怖はわたしの属性である
わたしのゆたかな血液のなかには
あらゆるものを殺戮する時がながれ 十月の
つめたい空にふるえている
あたらしい飢えがある

  十月はわたしの帝国だ
  わたしの死せる軍隊は雨のふるあらゆる都市を占領する
  わたしの死せる哨戒機は行方不明になった心の上空を旋回する
  わたしの死せる民衆は死にゆくもののために署名する




写真は豊川稲荷東京別院

狐狐狐、狐がいっぱいで少し怖かった

青山通りを隔てたホテルモントレ赤坂で
翌日のデア・プラン公演の開演を祈る。
2020年2月22日
新型コロナで次々と
イベントが中止になったその週であるから
当日の突然の中止も覚悟した。


ホテルの隣は「やらと本店」
二階の虎屋文庫で羊羹展。
300年の創意工夫を伝える、
季節感に満ちた羊羹の意匠に感嘆。
甘いものは苦手だが、和菓子は美しい。
眺めるのは好きで、図案集にみとれる。


それ、10月の話と違うぞ。と
気づいた方には、すみません。
そのとおりです。
整理してたらね、
この写真がね、告げたんですよ
我らをここに置け。と

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