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花びらをすくう。

花びらをすくう。  
となりの家に英国のひとが引っ越してくる、とお母さんが言っていた。

ある日、不安そうに道をうろうろしている外国の女の子がいた。わたしと同じくらいの歳だと思った。  
「どうしたの」と声をかけてみた。  
彼女は「道に迷っちゃって」と日本語で答えてくれた。

そうか、お母さんが言ってた隣に引っ越してきた子かもしれない。  
「もしかして、青っぽいグレーの屋根で、白い壁があって、緑の木があるお家?」  
「そう」  
「それなら、わたしの家の隣だ。いっしょに戻ろう」  
「うん」

女の子の名はペトルと教えてくれた。お母さんが日本人で、インターナショナルスクールに通うと教えてくれた。  
そこから、ペトルと仲良くなり、お互いの国の絵本やおもちゃを見せ合ったり、公園でおしゃべりしたり、仲良く遊んだ。

しばらくして、ペトルはお父さんの仕事が終わったので、帰国することになった。

「さびしくなるね」  
「うん」とペトルが答えた。

「あのね、ペトルってね、日本語で『花びら』って言うんだよ」  
「そうなんだ」  
「だからね、あの時『花びらをすくった』だよ」とペトルが言った。  
「へぇー、そうなんだ。フッフッフ、アハハハ」  
「アハハハ」

2人で笑ったあと、手を振って、タクシーに乗るペトルを見送った。

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