この暑さに、殺人未遂罪を適用したい
「今日も危険な暑さです。」
天気予報で聞き慣れた言葉なのに、毎年その重みが増している気がする。
外へ出れば、まるで見えない巨大な壁が立ちはだかるようだ。息をするだけで体力を奪われ、アスファルトは熱を放ち、日差しは容赦なく照りつける。
冗談半分で、「この暑さに殺人未遂罪を適用したい」と言いたくなる日がある。
もちろん、本当に罪を問える相手がいるわけではない。
けれど、それほどまでに暑さは人の命を脅かす存在になってしまった。昔は「夏だから暑い」で済んでいたことが、今では熱中症という命に関わる危険と隣り合わせになっている。
人間は自然には勝てない。
だからこそ、勝とうとするのではなく、上手に付き合う知恵が必要なのだと思う。
水を飲むことも、エアコンを使うことも、日陰を選ぶことも、休むことも、今では「甘え」ではなく「命を守る行動」である。
夏は美しい。
青空も、入道雲も、花火も、蝉の声も、日本の夏には心を動かす景色がたくさんある。
しかし、その美しさに見とれすぎてはいけない。
命があってこそ、夏を楽しめる。
だから今日も、私はこの暑さに心の中でこうつぶやく。
「君には、殺人未遂罪を適用したい。」
そして同時に、自分自身へ言い聞かせる。
「今日は無理をしない。それが、一番の勝ち方だ。」
