見出し画像

今まで雑談がいらない環境にいた話

なぜ、今まで気づかなかったのか

新しい仕事でコミュニケーションにつまずいてから、
「じゃあ、なんで今までは困らなかったんだろう?」
と考えるようになりました。

私は、人と話すのが得意だと思ったことはありません。
人見知りの自覚もあるし、
誰かとずっと一緒にいると疲れてしまうタイプです。

それでも、これまでの人生で
「コミュニケーションが原因で困った」という感覚は、
正直ほとんどありませんでした。

今振り返ってみると、
それは私のコミュニケーション能力が高かったからではなく、
そうならずに済む環境にいたからだったのかもしれません。


一人で過ごす時間が、苦にならなかった

数年前のコロナ禍、
緊急事態宣言が出ていた時期に、
私はたまたま無職で、一人暮らしをしていました。

買い物以外はほとんど外に出ず、
誰とも会わず、
誰とも話さない日が、しばらく続きました。

でも、その生活はまったく苦痛ではありませんでした。
むしろ、予定のない日々は気持ちが安定していて、
今日は何をしようか、ということだけを考えて過ごせる時間が、
とても心地よかったのを覚えています。

一か月ほど経った頃、
「もうこんなに時間が経ったんだ」と驚くくらい、
あっという間でした。

その一方で、
ネットやニュースでは
「人に会えないことがストレスになる」
「話し相手がいないのがつらい」
という声をよく目にしました。

それを見て、
自分は多くの人とは少し違う感覚を持っているんだな、
と初めて意識しました。


子どもの頃から、人間関係は「短距離」だった

さらに振り返ってみると、
コミュニケーションスキルがあまり必要なかったのは、
大人になってからだけではありませんでした。

私は一人っ子で、
親の仕事の都合で転勤が多い家庭で育ちました。
幼馴染と呼べるような存在はいなくて、
同じ場所で長く付き合う友達も、いません。

転校先では、
周りの子が積極的に話しかけてくれることが多く、
自分から関係をつくりにいく必要はありませんでした。
そして、仲良くなった頃には、また引っ越し。
ケンカをするほど長い関係を築く前に、
環境が変わっていくことがほとんどでした。


看護師時代は、むしろ逆の悩みだった

看護師として働いていた環境も、
その延長線上にありました。

病院での看護師の仕事は、
やるべきことがはっきりしています。
時間ごとに業務が決まっていて、
目的のない会話をする余裕は、正直ありません。

もちろん患者さんやご家族と話す機会は多いですが、
その多くは「話を聞く側」でした。
相手が話したいことを話してくれて、
私はそれを受け止める。

自分から話を広げる必要もありませんでしたし、
仕事上、聞くべきことは決まっていました。

むしろ新人の頃は、
どうやったら会話を早く切り上げられるかで悩んでいたくらいです。
話を切り上げられずに病室に長居してしまい、
ナースステーションに戻るのが遅れて、注意されることもよくありました。

自分から積極的に話を広げなくても、
仕事としては成立していた。
今思えば、
かなり環境に助けられていたのだと思います。


困らなかったのは、「能力」ではなく「環境」だった

だから私は、
「人と話すのは苦手だけど、問題になるほどではない」
という感覚のまま、ここまで来てしまいました。

コミュニケーションに問題がなかったわけではなく、
困らなかっただけ。

環境が変わって、はじめてそのことに気づいたのです。

次の記事では、
コミュニケーションに対する考え方がどう変わったのか、
そして、今の自分がどんなふうに向き合っているのかを、
お話ししていこうと思います。

いいなと思ったら応援しよう!