売上ゼロのグラフを、一日に何十回も見ていた頃の話
「10年やっても稼げなかった」と、やっと書ける気がする
売上のグラフを、一日に何十回も見ていた時期がある。
0が続くと、世界に「いらない」と言われている気がした。
更新ボタンを押す。
変わらない。
また押す。
変わらない。
ストックフォトを始めたばかりの頃の僕だ。
稼ぎたかったというより、たぶん、誰かに認められたかった。
そして、ある日ぷつりと、何もできなくなった。
うつの波が来て、
アカウントのことなんて考えられなくなって、
そのまま忘れた。
「10年やっても、稼げなかった」
ずっとそう思っていたし、これを書くのは、正直、今でも少し怖い。
でも先日、忘れていたそのアカウントを開いて、僕は少しだけ、過去の自分を許せた気がした。

【放置していたのに売上が残っていた】
何が間違っていたのか、今ならわかる。
あの頃の僕は、数字に「自分の価値」を預けすぎていた。
0が続くと、作品がダメなんじゃなくて、自分がダメなんだと思った。
グラフを更新するたびに、合否を言い渡されている気がした。
でも、ストックフォトの売上は、そういうものじゃなかった。
今日アップした一枚が、半年後にふと売れることもある。
数字は、見た回数では増えない。ただ、心だけが減っていく。
それに気づけなかったから、僕は燃え尽きた。
アカウントを放り出して、そのまま忘れた。
長いあいだ、「稼げなかった」が僕の結論だった。
だけど、放置していたあいだも、売上は少しずつ残っていた。
何もしていない僕の代わりに、過去の作品が静かに働いていた。
それを見たとき、責める相手が、いなくなった。
あんなに自分を責めていたのに、過去の僕は、ちゃんと何かを残していたのだ。
もし今、売上ゼロのグラフを何度も更新している人がいたら、伝えたい。
そのグラフは、あなたの価値じゃない。
更新する手を止めて、また調子のいい日に一枚だけ積めばいい。
止まっても、消えない。
それが、この働き方のいちばん優しいところだから。
僕はもう一度、ここから始めます。
今度は、数字じゃなくて、「壊れずに続けられるか」を見ながら。
その記録を、連載「ASD×Adobe Stock 10年の全記録」に書いていきます。
よかったら、アドビストックも一緒に見ていってください。
https://stock.adobe.com/jp/contributor/207652252/sally%20san

