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女性の健康を、女性だけの問題にしない。

「あの人、最近ちょっと元気ないね」

「仕事のミスが増えた気がしない」

「以前よりイライラしているように見えるよね」

「体調、大丈夫かな?」

管理職をしている友人たちと話していると、こんな話をよく聞きます。

そして、そのあとに必ず出てくる言葉があります。

「……でも、何て声をかけたらいいの?」

そう、今の時代、上司も悩んでいるんです。

「体調悪そうだけど、大丈夫?」

これは言える。

でも、

「更年期じゃない?」

なんて言ったら……  はい、アウトーーー!

いや、冗談でじゃなくて、本当に難しいんです。

セクハラ?

パワハラ?

プライバシー?

「じゃあ、何も言わないでおこう」

となってしまう。

でも、思うんですよね

それって、誰も悪くないのに、誰も助けられない状態じゃない?


女性の健康は、女性だけの問題じゃない。

40代、50代になると、女性の身体にはさまざまな変化が起こります。

眠れない

疲れやすい

汗が出る

集中できない

イライラする

気分が落ち込む

頭痛がする

動悸がする

そして、

「なんとなく、今までの自分と違う」という感覚。

本人でさえ、

「これ、更年期なのかな?」

「年齢のせいかな?」

と悩んでいる。

ましてや、上司がそれを正確に判断することなんて到底できません。

上司は医師じゃない。
部下の身体を診断する必要もない。

でも、

「最近、少し大変そうだけど、何か困っていることはない?」

と声をかけられる環境は、つくれる。

そして、

「必要なら専門家に相談していいんだよ」

と、選択肢を渡すことはできる。

私は、ここに大きな可能性があると思っています。


「更年期ですか?」と聞かなくてもいい。

ここ、ものすごく大事なんです。

管理職研修で、

「部下の更年期に気づきましょう!」

なんてやったら、私は逆に心配です。

上司が部下の更年期を見抜く必要なんてありません。

そうではなくて、

「最近どう?」

「何か仕事で困っていることはある?」

「体調面で配慮が必要なことがあれば相談してね」

と言える。

そして、本人が必要だと思ったときに、医療や相談窓口につながれる。

つまり、

「診断する上司」ではなく、「相談しやすい環境をつくる上司」。

私は、こちらのほうがずっと大切だと思います。


そして、データを見てみると……

東京都が2024年に都内企業2,000社を対象に行った調査があります。

更年期症状で困っている従業員がいるかどうかを、

「把握していない」企業が70.4%

PMSや産後のホルモンバランスの乱れなどについては、

77.6%が「把握していない」

さらに、女性従業員への支援としてフェムテックを活用している企業は、

わずか2.0%。

私は、この数字を見て、

「企業が女性を大切にしていないんだ!」

とは思いませんでした。

むしろ、

「ああ、みんな困っているんだ」

と思いました。

とうの女性も困っている。

実は上司も困っている。

そして企業も困っている。

でも、

誰も悪くない。

ただ、

「どうしたらいいのか分からない」

だけなんです。

だったら、

「分かるようにすればいい。」

ここに医療者が入る意味があると思うのですよね。


企業だって、実は「何をしたらいいか分からない」

東京都の別の調査では、企業が女性の健康課題への対応で困っている理由として、

「何をすればいいかわからない」

という声が挙がっています。

そして、

「症状を聞く手段がない」

「本人が話したがらない」

「セクシュアルハラスメントにならないか不安」

といった声もあります。

……やっぱり。

みんな、困ってるんです。

だから私は思います。

企業に「もっと女性を支援してください」とお願いするだけでは足りない。

「どう支援したらいいのか」を一緒に考える人が必要なんです。


だから、私は地域から始めたい。

ここからが、私の新しい挑戦です。

私は現在、自分が暮らしている芦屋市に、女性の健康支援について提案する準備をしています。

そして、もう一つ。

私が生まれ育った沖縄県嘉手納町にも、これから提案をしていこうと準備しています。

なぜ、嘉手納なのか。

それは、私の原点だからです。

沖縄の町で育ち、たくさんの人の暮らしを身近に感じながら大人になった。

そして今、28年以上、産婦人科医として女性たちの身体と人生に向き合ってきた。

その経験を、今度は自分が育った町へ返していきたい。

奇声を聴きながら育った環境を思い出した数日で、そう考えました。

芦屋と嘉手納。

今、私が暮らしている町と、私が生まれ育った町。

場所は違っても、女性が抱える悩みには、きっと共通するものがあるはずです。

若い女性が、自分の身体について知ること。

働く女性が、体調の変化を一人で抱え込まないこと。

更年期を「我慢するしかない」と思わないこと。

そして、必要なときに医療につながれること。

私は、そんな環境を地域の中につくれないかと考えています。


企業だけでもできない。医療だけでもできない。

行政だけでもできません。

だからこそ、

地域 × 企業 × 医療 × 女性

をつないでいく。

これが、Project HERで私がやりたいことです。

女性自身が、自分の身体について知る。

企業や管理職も、女性の健康について知る。

行政が、相談や教育の場をつくる。

医療者が、必要なときに医療につなぐ。

それぞれが少しずつ役割を持てば、女性を取り巻く環境は変えられます。


私は、病院の外へ出ます。

28年以上、私は診察室の中にいました。

そして今、診察室だけで女性を支えることには限界があると感じています。

病院に来る前の女性にも。

「これって相談していいのかな」と迷っている女性にも。

そして、

「心配だけど、どう声をかけたらいいか分からない」

と悩んでいる上司にも。

医療の知識と、相談するための選択肢を届けたい。

それがProject HERです。


私は、管理職の友人たちから、

「今は何でもハラスメントって言われるから、部下に何も言えないのよ」

という声を聞いてきました。

だったら、私たち医療者が、

「こう声をかければいい」

「ここから先は専門家につなげればいい」

「本人が選べるようにするには、どうすればいい」

を伝えればいい。

上司に「女性の身体を勉強してください」と丸投げするのではなく、

上司も、女性も、困らない仕組みをつくる。

それが、本当の意味での女性支援なんじゃないでしょうか。


私は、28年間の経験があります。

保険診療もやりました。

自由診療にも挑戦しました。

クリニック経営も経験しました。

そして、全てを手放したからこそ、今、見えているものがあります。

私が本当にやりたいのは、医療をもっと病院の外へ届けること。

女性が困ってから助けるのではなく、

困る前に、知ってもらう。

我慢してから受診するのではなく、

迷ったときに、相談できる。

そして、

自分の身体と人生を、自分で選べる。

そんな社会をつくりたい。

だから私は、これからも提案します。

芦屋にも
嘉手納にも
企業にも
地域にも
行政にも

そして、まだ私のことを知らない女性たちにも。

「女性の健康を、女性だけの問題にしない。」

これが、私からの提案です。

さて。

次はどんな扉を開こうかな

Project HER、Unstoppable. 🔥

今、暮らしている町へ。

そして、私を育ててくれた町へ。

この夏、私の新しい挑戦は、ここから始まります。

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