20年に一度の川曳、次は86歳。
今日、伊勢のお木曳行事の「川曳」を見学しました。
川の中には、大勢の人たち。
真夏の太陽の下、掛け声を合わせながら、御神木をゆっくりと曳いていきます。
その姿を岸から眺めながら、私はあることを考えていました。
この光景を、私はもう一度見ることができるだろうか。
川曳は、20年に一度。
次は20年後です。
私はそのとき、86歳になります。
もちろん、「また見に来たい」と思います。
でも、医師として、そして66歳になった一人の人間として、「次がある」と簡単には言えないことも知っています。
救急医として40年以上働き、一万人を超える人の最期に関わってきました。
その中で何度も耳にした言葉があります。
「来年、また。」
「今度、一緒に。」
「いつか。」
その「いつか」が、来なかった人を、私はたくさん見てきました。
だから最近、二十年という時間が、とても長く感じます。
今日見た青い空も。
五十鈴川の流れも。
御神木を曳く人たちの笑顔も。
その一つひとつが、「今しかない景色」に思えました。
人は、「最後になる」と分かっていることは大切にします。
でも、本当は、最後かどうかは、誰にも分かりません。
今年の花火も。
久しぶりに会う友人も。
美味しい食事も。
今日という日も。
もしかしたら、それが最後かもしれない。
だから悲しむのではなく、だからこそ大切にしたい。
二十年後に、またこの景色を見られるかは分かりません。
でも、今日見たこの景色は、一生忘れないと思います。
人は未来を生きることはできません。
生きられるのは、いつも「今日」だけ。
だから今日という一日を、大切に生きていきたいと思います。
感謝。
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