来週のFOMCは据え置きが本命
次回FOMCが近づいている。
市場では利上げの可能性も意識されているが、現時点の経済指標だけを見れば、急ぐ必要性はない。
6月の米消費者物価指数は前月比0.4%低下した。
前年比では3.5%上昇しており、物価上昇率はなおFRBの目標を上回っている。
エネルギー価格も前年同月比で大きく上昇しているため、インフレ問題が解決したとは言えない。
それでも、少なくとも直近の数字は、インフレが全面的に再加速している姿を示していない。
一方で、雇用の弱体化は無視できない。
6月の非農業部門雇用者数は前月から5万7000人増にとどまり、失業率は4.2%だった。
雇用者数の伸びは鈍く、労働市場の減速は明らかになりつつある。
CPIが落ち着き、雇用が弱くなっている局面で利上げを急げば、インフレを抑える前にリセッションの可能性を高める。
問題は地政学だ。
中東情勢がさらに悪化し、原油価格が上昇すれば、エネルギー価格を通じてインフレが再び強まる可能性がある。
供給側から生じた物価上昇に対して金融政策を過度に引き締めれば、物価を十分に抑えられないまま、雇用と景気だけを悪化させる可能性がある。
そして、2026年11月3日には米中間選挙が控えている。
選挙が近づくほど、FRBの判断には政治的な意味が読み込まれ、政権からの圧力も強まりやすい。
この状況で最も合理的なのは、利上げを急ぐことではない。
据え置いたまま、次のCPI、雇用統計、原油価格を確認することだ。
7月のFOMCは28日と29日に開催される。
ウォーシュ議長は5月に就任したばかりで、これまでのFRBより政策の方向を事前に明確に示さない姿勢を取っている。
市場にとって予測は難しくなるが、判断材料はある。
今の状況が示しているのは、利上げの必要性より、待つ合理性である。
トランプ政権にとっても、中間選挙までにアピールしたい成果は多い。
原油価格を含むインフレの抑制。
中東で続く戦争の勝利や終結。
CLARITY法案をはじめとする暗号資産政策の前進。
これらを中間選挙の実績として示したいなら、景気後退を招きかねない追加利上げは、政権にとって望ましい展開ではない。
複数の材料が同時に動き、それぞれの期待が資産価格へ反映される。
秋までは方向感に欠ける可能性がある。
ただ、利上げが見送られ、地政学的な緊張も緩和されるなら、年末に向けてリスク資産には上昇を期待したい。
いいなと思ったら応援しよう!
この記事は noteマネー にピックアップされました

