月のブランコ
夜空のどこかに、月のブランコがあるという。
三日月の先に結ばれた金色のロープ。
そのブランコは、誰かを遊ばせるためのものではない。
まだ生まれていない物語を揺らすための場所だ。
月がゆらりと揺れるたび、小さな光の粒がこぼれ落ちる。
それは星ではない。
物語の種だ。
種の中には、さまざまな世界が眠っている。

竜が空を渡る話。
妖精たちの秘密の舞踏会。
海の底に沈んだ王国。
誰かの何気ない一日を描いた、やさしい物語。
けれど、その種は落ちただけでは花開かない。
絵を描く人のもとへ届き、
物語を書く人のもとへ届き、
空想が好きな誰かの心へ届いて、
はじめて芽を出すのだ。
だから月のブランコは今夜も静かに揺れている。
ひとつでも多くの物語が生まれるように。
ひとつでも多くの「こんなお話があったらいいな」が見つかるように。

もしかしたら今、あなたの頭に浮かんだ空想も。
月のブランコからこぼれ落ちた、小さな種なのかもしれない。
片桐みかんさんのお題に参加させて頂きました👇️✨️
