狐につままれた朝のこと——伏見稲荷と稲荷山
こんにちは。
宝生 還(ほうしょう めぐる)です。
今年で5度目となる
伏見稲荷・稲荷山へ参拝に伺いました。

狐につままれた朝
東京駅を始発で出発して
伏見稲荷に着いたのは8時半頃でした。
空は柔らかな曇り空で、
初夏の青葉に
白い光が溶けて神域を彩ります。
毎年この時期に
訪れるようになって
回を重ねるごとに
この場所との距離が
縮まっていく感覚があります。
神様、という言葉が
正しいのかどうかわからないけれど
ここにいる存在との
親密度が、確かに増している
そんな気がしています。
初めての参拝は
友人と来ました。
「来年は家族を連れてきます」と
言葉にしたら、
翌年本当に
家族と訪れることができて
その日には
ちょうど美しい
神楽が始まるタイミングで
本殿に手を合わせることができました。
またある年は、毎日
朝早くに参拝されている
地元の方が
たまたま
その日だけ
時間が遅くなったそうで、
初心者っぽい
わたしたちを
親切に
根上がりの松の潜り方から
熊鷹社まで、道案内してくださいました。
偶然というには、できすぎています。
そして今年は、本殿でのことでした。
お賽銭のために
財布を取り出そうと
カバンに
手を入れた瞬間、
一緒に入っていた
カメラに触れました。
その時、
カメラストラップが
するりとほどけたのです。
10年以上
使っている一眼レフで、
構造上外れるはずがない。
もちろん
一度も
外れたことはありませんでした。
まるで
手品を見ているようで、
参拝を終えた直後には
文字通り
狐につままれた気分を
いただきました。
なんてチャーミングな。
そして
なんてお力の大きな場所なのでしょう。

千本鳥居と、480年の眠りから覚めた神社
8時台の参拝は
今回が初めてでした。
おかげで、いつもは
混雑で迂回する千本鳥居を
ゆっくり歩くことができました。
おもかる石
根上がりの松
そして神宝神社へ。
ここは
参道の竹が美しい
静かな場所で、
応仁の乱から
荒廃し、480年近い時を経て
昭和32年に蘇った社です。
長い眠りの後に
再び光を取り戻した
その歴史を思うと、
境内に立つだけで
胸がじんわりとあたたかくなります。


稲荷山へ
熊鷹社
大杉社
眼力社と
参拝を続け
薬力社では
瓢箪のお守りをいただきました。

おせき大神と書かれた
このお守りは
喉の不調に効くとされています。
最近、飼い猫が
くしゃみのような咳のような
症状を見せていました。
旅の前に
「おせきさまにお願いしてくるね」と
猫に話しかけたら
「え!」
というような表情で
目を丸くして、嬉しそうな様子を
見せてくれました。
お守りを帰宅後
壁に飾ると
症状はぴたりと収まりました。
神様と動物は、
何か通じ合うものが
あるのかもしれません。

山頂の一ノ峰は
今年は貸切状態でした。
ありがたいことに、
静かに
ただ感謝を
お伝えする時間をいただきました。
昨年はカラスが
祈りの場の真ん前に現れて
そのあと参拝予定だった
上賀茂神社の
八咫烏が迎えに来てくれたのか
と思いましたが、
今年の静けさには
また別の深さがありました。
二ノ峰
三ノ峰と
参拝を続け
最後に荒木神社へ立ち寄りました。

猫又になった(?)あずきさん
荒木神社には
「監督」と「あずき」
という名前の猫が2匹います。
5年前に
初めて訪ねた時に
教えていただいて
それからずっと
会えるのを
楽しみにしていました。
昨年、監督は
片目を怪我していて
心配でしたが
今年も元気な姿で会えて
ほっとしました。

あずきさんは
いつ見ても天真爛漫で
虫を追いかけたり
屋根に登ったり
自由気ままな猫でした。
それが今年は——なんと、
お守り売り場の前に
綺麗に座って
番頭をしていたのです。
しかも
よりにもよって
この神社で一番大切な
口入り稲荷人形のそばに
堂々と座って。
とうとう霊験あらたかな
猫又になったのかもしれません。

毎年、伏見稲荷は
驚きを見せてくれます。
参拝のたびに
気持ちが軽くなって
確かなお力を
いただいていると感じます。
この後は、初めての
鞍馬山へ向かいました。
続きはまた次の記事で。
最後まで
読んでくださり、
ありがとうございました。
© HOSHO MEGURU
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