祈りに触れた春 ― 瑞鳳殿と青葉城址を歩いて静かにほどけた心
祈りに触れた春 ― 瑞鳳殿と青葉城址を歩いて静かにほどけた心
暖かな春の光の中で、静かに祈る時間がありました。
光に誘われて、初めて仙台を訪れました。
歴史に触れ、心地良い風に吹かれ、街を歩き
気づけば「住みたい」と思った街。
心がふっとほどけた一日旅の記録です。
あちこち旅をし、街歩きをするのが大好きな私たち夫婦。
昨日、初めての仙台に向かいました。
お天気と気候にも恵まれ
絶好の旅日和となりました。
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仙台直通のやまびこが満席だったため、新潟行きのとき305号で大宮へ向かい、はやぶさ55号に乗り換え。
平日にもかかわらず人が多く、旅に出る人の高揚感が車内に満ちているようです。
私たちも自然と気持ちが弾みます。
到着後、まずは駅からほど近い
仙台朝市へ。





鮨屋などにはすでに長蛇の列が…
朝市といっても夕方まで開いているそうです。
決して大きくはありませんが、
新鮮な野菜や魚が並び、
威勢のよい声が飛び交い、
活気にあふれていました。
旅先で最初に触れる土地の空気は、やはり市場が一番だと改めて感じます。
駅前からは、市内巡回バス「るーぷる仙台」で瑞鳳殿へ向かいました。

一方向のみなのでご注意を。
杉木立の中を進むと、空気がひんやりと澄み、厳かな雰囲気になっていきます。
62段の石段は伊達62万石を表しているそうで、
一段一段を踏みしめながら、
遠い時代へ遡っていくような
気持ちになりました。
瑞鳳殿は、仙台藩祖・伊達政宗が眠る1637年創建の霊屋。
桃山文化の粋を集めた、黒・金・極彩色で彩られた絢爛豪華な廟建築が最大の特徴です。
1945年に戦災で焼失後、1979年に再建され、2001年の改修で当時の華麗な姿が復元されたそうです。






十六葉菊の家紋







伊達政宗の家紋がたくさん

きらびやかな彫刻
家紋もいろいろ(仙台笹、九曜など)





正面扉の下の「鳳凰」の彫刻は、
理想の平和な世界を象徴するもの
力強い武将として知られる伊達政宗公
けれどその奥には、平和への願いや
理想があったのかもしれない


足裏を見せる像もあり、
極楽で仏を拝む姿を表していると
いわれています

髭と角が取れ、かわいらしい姿に
なって生き残った龍

光を受けてやわらかく輝き、
この場所を守るように佇んでいる


現在の建物は戦災で焼失し、その後再建されたもの。
失われても、もう一度建て直そうとした人々の思い。
それを想像すると、
極彩色の桃山様式の装飾が、ただ華やかなだけではなく、
この土地の誇りそのもののように
感じます。
豪華絢爛なのに、どこか静か。
華やかさの奥に、祈りが息づいているようでした。
境内には、政宗公が亡くなった際、
二十人もの家臣が殉死したことを伝える碑もありました。
主君に殉じるという生き方。
胸が締めつけられるようで、しばらくその場を離れられませんでした。
歴史は教科書の中の出来事ではなく、
確かにひとりひとりの人生だったのだと実感します。
瑞鳳殿は1636(寛永13)年、70歳で生涯を閉じた仙台藩祖伊達政宗公の遺命により、その翌年ここ経ケ峯に造営された霊屋(おたまや)です。瑞鳳殿は、本殿、拝殿、御供所、涅槃門からなり、桃山文化の遺風を伝える豪華絢爛な廟建築として1931(昭和6)年、国宝に指定されましたが、1945(昭和20)年の戦災で惜しくも焼失しました。現在の建物は規模、装飾ともに、焼失以前の瑞鳳殿を範とし、1979(昭和54)年に再建されたものです。平成13年(2001)に、仙台開府四百年を記念して大改修工事が実施され、柱には彫刻獅子頭を、屋根には竜頭瓦を復元し、創建当時の姿が甦りました。

仙台城跡へ
高台に立つと、
視界が一気に開けました。
空が大きく、心地良い風が頬を撫で
眼下には
広瀬川と街と緑がゆったりと
広がっています。


気持ち良い〜と伸びをしたくなった

思わず深呼吸したくなる景色。
「杜の都」と呼ばれる理由が、すっと身体に入ってきました。
伊達政宗の騎馬像は、
戦時中の金属供出で一度撤去され、
昭和39年に復元されたものだそうです。
青空を背に堂々と佇む姿に、言葉にならない力強さを感じました。


城跡に建つ昭忠碑(しょうちゅうひ)は、戊辰戦争や西南戦争などで亡くなった人々を慰霊するために建てられた碑だそうです。
戦時中の金属供出は免れましたが、
像の上に置かれていた鳶が
東日本大震災で落下し大きく破損。
その後修復され、現在は安全のために、この位置に復元されたそうです。

手前にある鳶は、
もとは
像の上に置かれていました





仙台という地で、
戦災で焼失した瑞鳳殿、
戦争で姿を消した政宗公の騎馬像、震災で傷ついた昭忠碑。
失われ、壊れ、それでもなお
立ち上がってきたものたち。
同じ地で、異なる時代の痛みを静かに抱えながら、いまも風の中に佇んでいます。
それでも光は溢れ、空は広く、
心地良い風が吹き
街は穏やかに息づいている。
悲しみを越えて今があるのだと、この景色がそっと教えてくれているようでした。
仙台城址からも巡回バスで、駅近くまで戻りました。
車窓から東北大学の広々としたキャンパスや通りの風景が見えて、
街全体の様子を知ることができました。
全体的にゆったりとした街並みで、
余白が感じられます。
そして、ずっと訪れてみたかった
せんだいメディアテーク。

あいにく、祝日の翌日で
図書館は閉館していましたが、
建物に満ちる静かな知性に触れただけで嬉しくなりました。
様々な展示が行われていて
街全体に、学びの空気が自然に息づいているように感じます。
定禅寺通りには、大きな欅の木が
4列に並んでいます。
葉のある時にはどんなに美しいことでしょう。

適度に都会で、緑豊かで、
文化の香りがある知的な豊かな街という印象を持ちました。
コンパクトで歩きやすく、どこか包み込まれるような安心感があります。
6つの主要なアーケードは、たくさんの、特に若い人たちが行き交い賑やかで活気があり、
高級なブランド店もあれば、新鮮な八百屋さんもあり、活きた商店街そのものでした。
アーケードの中には異なる木々が植えられ、美しく整えられ、街の美意識や豊かさも感じます。






入ってはいませんが…

この度のメインのひとつ、ずんだもちも牛タンも本当に美味しく、心もお腹も満たされました。



好みで塩、胡椒、七味、
味噌胡椒を

あっさりですがコクもある

お土産購入の後はカフェでゆったり。

下のアーケードを見ながらの
のんびりタイム
ピスタチオプリン美味しかった

むうは、豆腐入りの柔らかいかまぼこ

帰りはやまびこ156号で東京へ。

春の暖かな光のなかで、
歴史を学び、
心地良い風に吹かれ、
たくさん歩き、
たくさん感じた一日。
初めて訪れた仙台。
けれど歩くほどに心がほぐれ
気づけば「住んでみたいな」と本気で思っている自分がいました。
旅先でこんな気持ちになるのは、
そう多くはありません。
また必ず訪れたい。
そして、できることなら、いつか少し暮らしてみたい。
仙台は、そんなふうに思わせてくれる、温かく、素敵な街でした。
そして大好きになった街です。
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