研修医の給料 「研修医は薄給」はもう古い?
「研修医は薄給」はもう古い?——高待遇を経験して感じた、給与が研修医人生に与えるインパクト
「研修医は安月給」「激務の割に給料が低い」
医学生の頃、そんな話を何度も聞いた。
実際、SNSや病院見学でも、
“手取り20万円台”
“当直してようやく生活できる”
“忙しすぎて金を使う暇もない”
という声は珍しくない。
だからこそ、私は初期研修先を選ぶ際、「教育」と同じくらい「待遇」を重視していた。
そして結果として、かなり待遇の良い、いわゆる“ホワイト病院”とマッチすることができた。
初任給は48万円+赴任手当16万円(手取り約50万円)。
さらに2ヶ月目には77万円(手取り約60万円)に到達した。
しかも、ただ給料が高いだけではない。
夜はちゃんと眠れる。
理不尽な詰め文化もない。
休みも比較的確保されている。
上級医との関係も良好。
率直に言って、「こんな環境、本当に存在するんだ」と驚いた。
この記事では、
なぜ私は“待遇”を重視したのか
実際に高待遇病院で働いて感じたこと
「給料が高い=ブラック」というイメージは本当なのか
医学生時代に知っておきたかった現実
について、かなり踏み込んで書いていく。
「研修医は修行」という空気への違和感
医療界には、昔から独特の価値観がある。
「若いうちは苦労して当然」
「研修医は安く使われるもの」
「金より経験」
もちろん、経験は重要だ。
症例数も、教育体制も、救急対応力も大切である。
しかし、私はずっと疑問だった。
“なぜ、努力している人間が、生活面まで犠牲にしなければならないのか?”
医学生の時点で、多くの人は既に膨大な努力をしている。
受験勉強。
進級試験。
CBT・OSCE。
国試。
臨床実習。
しかも、奨学金を借りている人も多い。
そう考えると、「研修医だから薄給でも当然」という価値観には、かなり時代遅れな部分があると感じていた。
実際の給与額を見て感じた“安心感”
初任給の額面は48万円。
さらに赴任手当16万円が加わった。
そして2ヶ月目。
額面77万円、手取り約60万円。
通帳を見た瞬間、正直かなり驚いた。
もちろん、医師という職業全体で見れば、将来的にさらに高収入になる人もいる。
しかし、「初期研修医2年目でもない、社会人1〜2ヶ月目」でこの金額というのは、やはりインパクトが大きい。
しかも重要なのは、“精神的余裕”が生まれることだ。
例えば、
食費を過度に切り詰めなくていい
家賃を必要以上に妥協しなくていい
将来への貯蓄ができる
趣味や旅行にも多少お金を回せる
こうした余裕は、思っている以上にQOLへ直結する。
研修医生活は、単なる「修行期間」ではない。
人生そのものだ。
だからこそ、生活の質は極めて重要だと思う。
一番驚いたのは、「ホワイト」だったこと
ただ、高待遇の話をすると、多くの人がこう思う。
「でも、その分めちゃくちゃ激務なんでしょ?」
実際、私もそう思っていた。
ところが、現実はむしろ逆だった。
夜はちゃんと眠れる。
無理な連続勤務も少ない。
教育体制も整っている。
業務分担も比較的合理的。
つまり、“人を大切にする病院”だからこそ、待遇も良いのだ。
もちろん、忙しい日はある。
救急対応でバタつく日もある。
医療なので、楽な仕事ではない。
しかし、「常に疲弊し続ける環境」とは明確に違う。
この差は本当に大きい。
「給料が高いとモチベーションが上がる」は綺麗事ではない
時々、
「医師がお金の話をするな」
「使命感で働け」
という意見を見る。
だが、私はこれはかなり危険な考え方だと思っている。
待遇は、確実にモチベーションへ影響する。
人間だから当然だ。
頑張った結果として、
十分な給与がもらえる
感謝される
生活が安定する
この循環は、精神衛生上かなり重要である。
逆に、
激務
低賃金
睡眠不足
将来不安
が重なると、人は簡単に消耗する。
実際、医療界ではバーンアウトの問題が昔から指摘されている。
もちろん、「金だけ」で病院を選ぶのは危険だ。
教育環境や症例、指導体制は極めて重要である。
しかし、“待遇を軽視する必要もない”。
これは実際に働いてみて強く感じた。
医学生時代、「もっと早く知りたかった」と思ったこと
病院見学のとき、多くの学生は、
症例数
救急台数
学会実績
志望科との相性
を重視する。
もちろん重要だ。
ただ、それと同じくらい、
実際の給与
当直代
時間外手当
住宅補助
睡眠環境
有給取得状況
研修医の表情
を見るべきだと思う。
特に最後は本当に重要で、疲弊している病院は、見学すると空気で分かる。
逆に、余裕のある病院は、研修医同士の雰囲気も良い。
医療はチーム戦なので、職場環境は想像以上に重要である。
「どこで研修するか」で人生の幸福度はかなり変わる
初期研修はたった2年。
しかし、この2年間は異常に濃い。
働き方。
医師としての価値観。
生活習慣。
メンタル。
かなり多くのものが、この期間で形作られる。
だからこそ、「とにかく有名病院へ」「ブランド病院へ」という考え方だけでは危険だと思う。
自分に合った環境。
持続可能な働き方。
適切な待遇。
これらを真剣に考える価値はある。
そして実際、高待遇かつホワイトな病院は存在する。
探せば、ちゃんとある。
最後に
私はまだ研修医として始まったばかりだ。
今後、もっと忙しい時期も来るだろう。
失敗して落ち込む日もあると思う。
それでも、少なくとも現時点では、
「この病院に来て良かった」
と心から思っている。
十分な待遇があり、ちゃんと休めて、学べる環境がある。
その結果として、「もっと頑張ろう」と自然に思える。
これは決して贅沢ではなく、本来あるべき姿なのかもしれない。
