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NewsPicksのプロピッカーは「新しいステマ」ではないのか 自覚していながらステマに手を貸す企業の役職者たち

私は大学でメディアの研究をしている。一学生の問題提起にどれだけの意味があるかわからないが、誤情報が拡散されやすい現状、そしてAIがさらにその状況を混沌とさせていくなかで、見逃せない問題があると思い、noteを始めてみた。

SNSで誤情報が拡散されるなか、私がメディアに求めるのは情報の信頼性だ。この媒体に載っている情報は信頼できる、という安心感のために特定の媒体で記事を読むようにしている。親や先生もそのほうがいいと言ってくる。

そのなかで、なぜこれが問題にならないのだろうと疑問に思うのが、NewsPicksのプロピッカーシステムだ。最も洗練され、そして最も危険な情報操作の形態だと思う。大学生からするとちょっと胡散臭いように感じるサイトなのだが、インターン先やOB訪問で会う人のなかにはNewsPicksを利用している人が時々いる(否定派、つまり私と同じ問題意識を持っている人も多かったのが救いではある)。

NewsPicksのプロピッカーには報酬が支払われている。これは、メディア研究のなかで実際にプロピッカーを務めたことがある何人かから聞いた話だ。彼らに求められているのはプロのピッカー、つまり有益な情報を見つけて、それをフォロワーに伝える役割のはずである。当時のことはわからないが、このプロピッカーという制度が導入されたときも、それまでの愛用者から非難の声があがったらしい。

プロピッカーという本来の仕組みは良いものだと思う。美術館のキュレーターと同じで情報のキュレーターがいてもいい。問題なのは、こうした報酬を得てプロピッカーを務めている学者や企業の役職者たちが、企業の記事広告をピックして、拡散に手を染めていることだ。

これは明らかにステルスマーケティングだと思うし、プロピッカーたちも認識していると思うのだけれど(そうでなければ、特別な役割を持って情報発信している立場の認識が甘い)、ステマとバレていないために利用しているのだと思う。

つまり、NewsPicksは中立的で信頼性の高い情報プラットフォームであるべきなのに、実質的にステルスマーケティングの温床と化しているのだ。

プロピッカーの倫理的ジレンマ

プロピッカーの中には、大学教授や企業の役職者といった、本来なら高い倫理観を持つべき人たちが含まれている。彼らが、このシステムの本質的な問題点を理解していないはずがない。それなのに、なぜ情報の信頼性を損なうようなことをしているのだろう。NewsPicksから頼まれているわけでもなさそうだ(まったく記事広告をピックしない人もいるので)。

直近の例でいえば、コカ・コーラ ボトラーズジャパンの記事広告である。ユナイテッドアローズで執行役員CHROを務める山崎万里子さんがこの記事を拡散し、コメントをつけている。(彼女は過去にJTBやエプソンの記事広告にもコメントしており、記事広告をピックする比率が高い)

実際に良い記事だと思ったのかもしれない。しかし、記事広告であるかどうかは理解しているはずだし(その区別すらできなければプロピッカーである意味がない)、そういった金銭の授受によって作られている記事にはコメントしない姿勢こそがプロなのではないだろうか。

山崎さんだけの問題ではない。多くのプロピッカーが同様のことをしているので、麻痺しているのかもしれない。しかし、これは企業にとってもブランド毀損になるのではないか。私からするとユナイテッドアローズという企業のステマに対する認識すら疑わしく思えてくる。

このコーラの記事広告では、Amazon Web Services金融事業開発本部 コンテンツ日本リードのピネダさくらさんという方もコメントしている。アマゾンのような外資系はステマに厳しいのではと思っていたが、そうでもないのだろうか。

企業の役職者だけでなく、大学教授もいる。いかに多くのプロピッカーが同様のことをしているか、ステマが横行していることの論拠として、いくつか例をあげてみよう。左は広告主、右はプロピッカーである。

GEヘルスケアジャパンの広告 土居 丈朗(慶應義塾大学 経済学部教授)
グラングリーン大阪の広告 永濱 利廣(第一生命経済研究所首席エコノミスト)
グラングリーン大阪の広告 岩嵜 博論(武蔵野美術大学 教授)
TDKの記事広告 比屋根 一雄(三菱総合研究所 執行役員兼研究理事)
レゾナックの広告記事 稲葉 祐樹(デンソー 次世代製品設計担当部署 課長)
レゾナックの広告記事 碓氷 早矢手(講談社 IPビジネス部部長)
日本総合研究所の記事広告 細田 知美(電通PRコンサルティング チーフコンサルタント)
アクサ生命の記事広告 山田 崇(ドコモgacoo EduWork事業開発室長)
三菱電機の記事広告 松沢 優希(日本IBM サステナビリティ担当 シニア・マネージング・コンサルタント)

このようにたくさんの事例があげられる。こうしたプロピッカーの姿勢について、疑問に感じるのははたして私だけなのだろうか。そして、NewsPicksの利用者や広告主はこうした状況を問題と思っていないのだろうか。

広告を出す側の人たちはステマなどの問題にも精通しているはずだ。次回の投稿では、無自覚なのか、うまく利用しているのかはわからないが、広告主の責任について考察してみたい。

(お願い)私だけの違和感なのかがわからないので、ぜひ利用者や利用されている方、メディア関係者のコメントをお待ちしております。


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