夜空に輝く星の形の小粒パスタ
前回に引き続き
離乳食や風邪の時にブロードと食べられる
5mm 程の極小パスタ、パスティーナについて
ご一緒に深堀りしていこう。
パスティーナの魅力は
その多様な形状と、それぞれが持つ役割にある。
夜空に輝く星を模した「ステッリーネ」
(イタリア語で星は Stella ステッラ)
Stellineは女性形複数で小さなという意味で語尾が-ineになる。
ステッリーネは
幼い子供たちの目を楽しませ、食欲をそそる。
小さな輪の形をした「アネッリーニ」は
野菜の旨味が溶け出した
ミネストローネの中で心地よい存在感を放つ。
細く短い「フィリーニ」は
軽いスープに静かに寄り添い
米粒に似た「リゾーニ」や
「ごく小さな粒状の「アチーニ・ディ・ペーペ」は
喉越しが滑らかで
病後の身体にも滑り込むように馴染む。
最も愛されている食べ方は
黄金色に澄んだブロードに
パスティーナを躍らせる
「パスティーナ・イン・ブロード」だ。
ここに新鮮な溶き卵を回し入れ
余熱でふんわりと仕上げた
「パスティーナ・イン・ブロード・コン・ウオヴァ」は
イタリアにおいて、どんな症状でも治してしまう滋養を持つ。
また、炒めた鶏肉やトマト
チーズと合わせて香ばしく焼き上げる
「パスティーナ・アル・フォルノ・コン・ポッロ」は
家庭料理らしい満足感を与える一皿となる。
パスティーナは、鶏や野菜の純粋な旨味と卵の優しさで
傷ついた身体を内側から包み込む。
この極小のパスタを茹で上げるには
職人のような繊細な感覚が求められる。
ロングパスタとは異なり
パスティーナは一瞬で火が通り
油断するとすぐに形が崩れて
互いにくっついてしまう。
たっぷりの湯に、一リットルあたり
五から十グラムの塩を加え
沸騰した湯に滑り込ませた瞬間から勝負は始まる。
鍋の底に沈まないよう、すぐに木べらで優しく
しかし確実に空気を抱かせるように混ぜる。
火加減は吹きこぼれない限界の強火を保ち
袋に書かれた表示時間よりも数十秒早く硬さを確かめる。
スープと合わせる場合は
余熱でさらに火が入ることを計算し
芯がわずかに残る絶妙なタイミングで
湯を切らねばならない。
この一連の動作には
食べる人の体調を思いやる
作り手の深い愛情と科学的な視点が同居している。
人間が本当に弱っているとき
心と身体を救うのは
豪華なごちそうではなく
一杯の温かいスープと
そこに浮かぶ小さな一粒の優しさだ。
地中海の豊かな大地が育んだ小麦の力と
何世代にもわたって受け継がれてきた知恵は、
現代を生きる人々の心をも深く満たしてくれる。
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