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シチリアの食に投影されたアラブの星図

シチリアの市場を想像する時
私は決まって遠い異国の熱気を感じる。

スパイスの甘くエキゾチックな香り
山と積まれたナスや柑橘類の鮮やかな色彩。

それは、海を隔てた
北アフリカの市場の記憶と鮮やかに重なり合う。

ここはイタリアでありながら
イタリアではない。

シチリアは、地中海の中心で波を受け止め
あらゆる文化を飲み込み
そして全く新しい何かを創造してきた
巨大なる文化の交差点である。

この島の食文化を深く理解するには
歴史の地層を掘り起こさねばならない。

特に、9世紀から約250年間にわたるアラブの支配は
シチリアの食のDNAを根本から変革する
決定的で創造的な時代であった。


海を渡ってきた食の革命家たち

9世紀、海を渡ってやってきたアラブ人たちは
単なる征服者ではなく
優れた農耕技術を持つ「食の革命家」であった。

彼らがこの島にもたらした変革は
現代のシチリア料理の礎となっている。

彼らはオレンジやレモンといった柑橘類
桃や杏、さらにはナスといった作物を持ち込み
島の農業を一変させた。

また、サトウキビ栽培の技術と共に
「砂糖」という概念を定着させ
カッサータやシャーベットといった
洗練された菓子の文化を花開かせたのである。

次回はアラブ人がもたらした食材によって
どのような融合が生まれたのか?
ご一緒に深堀りしていこう。


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