夏休みと涼しくなる話
蝉の声が夏休みは近いと告げている! 夏休みは何をしますか?
小暑の収穫と備えについて
夏の朝は清々しい。小暑の朝はまだ爽やかな気配だ。先月から始まった収穫祭も小暑の時期に一区切りつく。
今年はスーパーエルニーニョ†で暑い夏になると予想されているようですが、本当に熱波が来るかどうかはさておき天候不順は予想している。季節外れの台風が来たり、冷涼な時期が長引いたり、畑の野菜たちも影響を受けていて、今年は春野菜の収穫時期が伸びている。でも、今年は夏野菜を減らすと決めていたので、大体予想通りの収量。雨が降らないと思っていたが、予想外に安定していた。秋以降も天候が不安定になることを予想して、次の季節の計画を考えつつ、野菜採りに励みます。
虫のおかげでカリフラワーは食べられなかったが、とうもろこしはアワノメイガ†の影響も最小に抑えて収穫できました! 今年は数が少ないので、コーンスープは贅沢だな。コーンのバター醤油ご飯にして食べよう。とうもろこしの炊き込みご飯が美味しいんですよ。
混植している枝豆は摘芯†を忘れたので、収量を増やせなかった。枝豆は本葉五枚ぐらいのときに摘芯すると収量を増やせるのですが、時期的に忙しくてちょん切るのを忘れていました。もともとコーンの肥料代わりに植えていたので、防除をせず苗を食われまくって生き残っている本数のほうが少ないけど、それでも一回分ぐらいのビールのお供は取れそうだ。枝豆は自分で作ったほうが味がいいけれど、無農薬で育てると虫にとってもご馳走らしく、かなり食われます。種の段階で土に入れた瞬間から鳥にも狙われるし、芽が出れば苗ごと食われる。枝豆を食べたいなら防除を学ばねばならない。
目安としては小暑†の末候から土用が始まるので、そこまでにあらかたの収穫を片付けておくつもり。今年はナスの定植時期を遅らせたので、切り戻しをしない。普段ならナス科の切り戻しも梅雨明けのこの時期に行います。
残り少ない日数を数えて、土用までの仕事を計画する。
夏土用は農事にとっては禁忌が多いので、小暑は最後の踏ん張り時で片付けることが多い。でも、大暑†に入ったら園芸は基本的にお休みです。
大暑の楽しみといえば、土用うなぎですよ! ご馳走の準備はできていますか? 頑張った自分に是非土用のご馳走を用意しておいてくださいね!
雑感
前回の【短観】での反応ありがとうございます。意外と素早い反応があって、NOTEの読者は短い文章が好きそうだと理解したのですが、私の長文コラムも一年は続けようと思ってます。
実はAIには二十四節気の心得と題してカレンダー作りを命じていた。私の文章はそこに入れ込むコラムの予定でしたが、彼らも私の意図を知って創造性を発揮したらしく、文章にされてしまった。
読者はAIより人間の文章を読みたいようなので、AIにはまたカレンダーというかリストアップしたキーワードのまとめを作ってもらおうと思ってます。AIのリストと私のコラムを合わせて、マガジンを作ります。それはもともと私が欲しくてAIに頼んでいた覚書だ。季節ごとにしたほうがいいこととかやらないほうがよいことがあるのだけど、いつまでに何をするんだったかなと迷うことが増えてきたので、自分のために作っています。
短観のほうが読みやすいと思う人はタイムラインから読んでください。一区切りついたら、マガジンで再編集を始めます。時季の話なので、最新号だけ読めるようにしておきますね。
京都の熱波
先月は京都へ行ってきました。寺に用があって出向いたのだけど、六月は青もみじが美しい時季。帰り際に東山周辺を散策しました。ねねの道は外国人も多かったけれど、京都は街角に風情あって素敵ですね。
ただ、時季的に夏至の時期に上洛すると暑気あたり†しそうだと思っていたら、やっぱり倒れました。京都は暑かった。散策中に急にのどが渇いて熱波にやられ、氷を食べたくて涼を取った。宇治抹茶を点てて氷にかけた宇治金時で、冷えたわらび餅と一緒に贅沢なかき氷を頂いた。その時は、体を冷やすことができて生き返りました。でも、その後、反動があった。
この時期、小豆と餅をあわせた水無月という菓子を食べて邪気を払うようですが、この水無月が今回は命を繋いだように思う。何が原因かわからないが自宅に戻ってから動けなくなり、食べられなくなり、ぐったりしていたんですが、調理できなくても季節物で買っておいた水無月を一欠片かじって生き繋いだ感じ。その時、一口含むたびに、菓子なのに栄養が体に吸収されるような不思議な感覚があった。
どうして、その菓子を「水無月」と呼んだのかな。月は肉体を示すから、水を無くす食べ物ってことか。いや、六月の旧称が水無月だから、この時期に食べる菓子という意味だろうけど、それでもなぜ?と思います。
小豆はカリウムとマグネシウムが豊富だ。皮ごと食べればアントシアニンも含まれて栄養価は高い。利尿作用ある食品で、体から余分な水を排すのだが……以前、私は自分で六月後半の雨は毒だと書いた。余分な湿を溜め込むことが良くないのかもしれないですね。とにかく、小豆を食べるようになってから尿の出も変わって体が楽になり、小豆の威力を感じました。
暑い時期に小豆を食べるって意味あることなのだろう。しかも、米のとれない夏の時期に餅に砂糖をまぜて外郎を食べる贅沢ね。それはおそらく甘酒と一緒で簡易版の栄養剤なのだろう。疲れた体にも吸収よく癒やしの食事となりました……夏越の祓と水無月の伝統を残しておいてくれた先人に感謝いたします。夏はわらび餅を食べたいと思っていたけれど、最近は水ようかんとかあんこを選ぶようになっている。夏に小豆のおやつはありがたい。
そんなこんなで、今年も夏越の祓†を生き抜いて今は小暑を迎えています。
夏の邪気
個人的な話をするけれど、実は我が血族は冬よりも夏のほうが死にやすい。それも真夏ではなく、まさに夏越の大祓の前後だ。夏至から小暑に向かう季節は人体に負荷がかかっているんじゃないかと思います。一族の死因から分析して、おそらく循環器だ。水の循環によるもの。その時期は体内の水分コントロールが本当に難しいのではないかと推測します。
夏は暑い。だからって冷やせばいいかというと、そうじゃない。体から水が出るから補えばいいかというと、そうじゃない。そもそも、外気温の温度が体温を超えている。肉体だって、環境に合わせようとする。夏は基礎代謝が下がっているはずだ。そこに冷たい水を入れるとどうなる? 循環して水を使って排除するのではなく、活用できない水が溜まってむくんでいるんじゃないですかね? それで湿邪†が溜まるんですよ。
私の母方は少し霊媒の気があったようで、よく宝くじも当たって金運も良かったが、霊的にいろんな物が見えていたようだ。私はそっちの才能はないのだが、今年は夢のお告げで「夏は死なないように気をつけろ」というインスピレーションを受けました。それを聞いたのはまだここで連載を始める前の四月ぐらい。今年は丙午だし、雨量も少なかったので、夏は馬鹿熱くなるかもしれないとその時に考えていました。それで、今年は早めに畑仕事を終えて夏はのんびりしようと決めた。
でも、気をつける場所は「風呂」だという。お告げを聞いた朝、目覚めてから「どういうことだ?」と悩んだ。そういうオカルト系のお告げには全く意味がないと思うのであれば、気にしなければいいんだけど、死なないようにね、って言われて気にしないわけにもいかない。しばらくは「なんで、風呂?」と悩みました。
今年は原油も高いし、エアコンは最小限の使用にしたい。だから、私はエアコンを使うのを控えて、風呂を活用しようと考えていた。
夏は入眠障害が起きやすい。気持ちよく眠りに入るには深部体温を上げてから放熱し、温度差が五度以上になると眠りやすくなる。だから、あえて入眠の二時間ぐらい前に風呂に入って体温を上げてから放熱して眠りに入るようにすると良いと言われます。冬はそれでいいけれど、夏の風呂は暑熱順化†効果もある。暑い日に風呂に入って汗を流すと意外とさっぱりします。
夏は冷房病も意外と深刻で、体の芯は冷えている。夏は暑いから湯船に入る回数が減るんですが、たまに入ると体の芯が温まって意外と気持ちいい。だから、定期的に入ったほうがいいだろうと思っていた。
それを気をつけろってことなの?
夏は風呂に入ったほうがいいのか、辞めたほうがいいのか。どっち?
水の事件
七月下旬になると海開きもありますが、学生は夏休みに入り、家族や友人たちとキャンプへ行ったり、旅行したり、冒険の計画をするかもしれませんね。で、毎年、この時期になると水難事故のニュースが増える。
昨年の警察庁のデータによると夏季は年間で最も水難者が多い時期で、七月から八月で全体の三割強の事件が起きている。昨年は四百件以上、五百人以上の方が水難事故にあっている。特に土用入りから盆休みの頃までの事件数が高い。だから、私と朔さんは土用の禁忌として「水辺に行くな」としました。AIが作った小暑の心得にも夏は水辺で涼むのではなく、家の中で涼みましょうみたいな話があったかと思います。
暑い時期だからこそ、水辺で涼みたくなるのはわかるのだが、この時期の気候は天候がまだ変わりやすく、夕立も増えてくる。時期的に入道雲が出るにはまだ早いけど、近頃はゲリラ豪雨も増えてきた。そんなときに、水際にいたらどうなるか。昔の人は土用の時期は急な天候の変化が多いことを知っていて、水辺の整理は土用が始まる前には終わらせていた。というか、もうこの時期に水辺の整備なんてしないだろう。梅雨入り前にそれはしておく行事だから。
もちろん、五月に一度やったきり溝浚いを全くやらないのは違うと思うので、地域ごとに梅雨の後片付けをいつやるかは決められていると思います。だから、小暑は土用前の作業がてんこ盛りで忙しいのだ。
いずれにせよ、夏は安易に水場へ近づくと「魂」を取られます。
なぜなら、日本では水の流れる場所に「靈魂」がいるからだ。あなたが大丈夫と思っていたって、霊があなたを呼び込む危険はございます。
少し首筋涼しくなりましたかね? 幽霊を信じる信じない、人によって意見は様々あるかと思いますが、もう少しオカルトのお話をさせていただく。
日本ではいつから盆と呼ばれるかわからないけれど、地方によっては七月中旬から入盆が始まり、地域によっては八月中旬も盆と呼ばれますね。このお盆の時期、日本ではご先祖様が戻ってくるとされている。この時期に墓参りをしたり、親類に中元を持っていって挨拶したり、知人に暑中見舞いを送って近況を知らせたりして連絡を取り合うこともあるかと思います。
そういう古臭い行事を嫌がる人もいると思いますけど、昔から日本は先祖の霊を怒らせると引き換えに幼い命を水で奪われると言われております。
ご先祖様は雨とともに天界から地上に降りてきます。盆の始まりと終わりはよく雨が降るので、ああ戻ってきたな、ああ帰られたな、と私は思うのですが、その時期を無視するとご先祖様だって寂しいので、可愛いお孫さんを連れ帰って遊びたいな、なんて考えたりするわけです。
靈魂は丈夫でふてぶてしい大人よりも、純粋で健気な命を選びますので、あなたが無事でもあなたが大事にしている弱々しい可愛い子供を持っていく可能性があります。戒めに。
だから、この時期は子供を水辺につれていき、水の中に入れてしまうと急に潮の流れや川の流れが変わって、陸地から一気に引き離してしまう。それをされたくないなら、年に一度ぐらいはお墓参りをしてあげてくださいませ。この世に生まれてきたのはその方々が私達を産んでくれたからに相違ない。先祖が延々と続く生命の連なりを見て、応援してくれるように。
でも、墓参りが面倒くさい、過去に感謝したくない、古臭い行事なんて無視したい、という方はその時期は特に水辺には近づかぬよう。
結語 涼しくなる話
昔からこの時期に水辺に近づくと、そういう靈魂の話を思い出すもので、私はプールだって行きたくないと思う人間です。だから、私が水辺で死ぬことはないと思うのだが、風呂は盲点だ。風呂も一応水場ですからね。
それで、調べてみたところ、意外と夏の風呂場の事故は多いらしいと知った。「夏、風呂、事故」の検索語でググってみますと存外記事が出てきます。なぜ、夏の風呂場が危ないのかは実際に調べてみてくださいませ(!)調べるのが億劫という方にキーワードを伝えておくと、ヒートショック†、だそうです。ヒートショックというと、冬の寒い時期に暖かい部屋から急に寒い場所へ行くと負荷がかかって、血管切れたり、詰まったりする。それが夏にも起きるのか。
夏のヒートショックはちょっと様子が違うようですが、急激な温度変化による血圧低下による失神や体調不良が起きるのは共通している。冷房の効いた部屋で冷やされた肉体を湯船に入れると血管が広がって副交感神経が優位になるのを感じてホッとしますが、あれって血流がいきなり増えるので、安易に立ち上がると脳貧血起こす人もいるらしく、意外と危険らしい。
さて、少々怖い話をしよう。厚労省の人口動態統計年報によると浴槽内で溺死する人間は年間五千人弱いるそうだ。昨年の交通事故死者数は二千五百人前後だから、二倍近くになる。そして、肝試しで話題にした水難事故の十倍だよ。おいおい……風呂場って危ないじゃない!
お風呂場で熱中症になる方もいるようだ。夏の風呂はぬるめで短時間が鉄則らしい。私は夏の暑い時期にわざわざサウナに入って汗をかいたり、長風呂をしようとは思わないが……それで、思い当たる節がいくつか出てきた。
実は、織田信長さまが入ったとされる歴史的な薬湯が滋賀県にある。伊吹山の麓は天然の薬草を用いた薬湯で有名だ。京都旅行の帰り、運転疲れを癒やすために、実はそこに立ち寄っていた。
ぬるい湯で一時間ぐらい入ったのかな。旅行先だと短時間で出るなんてもったいなくて、やや長めに薬湯に入ってしまった。ドクダミやよもぎ、陳皮などの漢方薬のたっぷりはいった薬湯だ。それはそれは体に良いだろうと思っていたが、どうやら「湯あたり」したらしい。湯あたりとは、入った直後よりも湯治から数日後にかけて現れる体調不良で長いときは一週間ぐらい不調が続く。私の症状に当たってるよ。
死ななくてよかったと思うべきか。水無月さまさまだ。伊吹山はヤマトタケルの命を奪った山としても有名だ。おお、肝が冷えますな。
以上、涼を呼び込む怪談話として聞いておいてくださいませ。
さて、今年、みなさんは夏休みに何を計画していますか……?
海に行くなら気をつけてくださいね。山に行くにもお気をつけて! どこかへ行く前にお墓参りをして精神整えておくことをおすすめいたします。暑い時期を共に生き抜きましょう。
脚注
†スーパーエルニーニョ:数年に一度、太平洋赤道域の海面水温が平年より著しく高くなる現象。日本の夏は冷夏になることが多いが、今回は猛暑が予想されている。
†アワノメイガ:トウモロコシなどの害虫。幼虫が茎や実に食い込み、収穫に大きな影響を与える。
†摘芯(てきしん):植物の茎の先端を摘み取ること。脇芽を増やして収穫量を上げたり、草丈を抑えたりするために行う。
†小暑(しょうしょ)・大暑(たいしょ):二十四節気の一つ。小暑は暑さが本格的になる頃、大暑は一年で最も暑い時期を指す。
†暑気あたり(しょきあたり):暑さのために体がだるくなったり、食欲がなくなったりする、いわゆる「夏バテ」の症状。
†夏越の祓(なごしのはらえ):6月末に行われる。半年の罪や穢れを祓い、残り半年の無病息災を祈る。
†湿邪(しつじゃ):中医学(漢方)の考え方で、体内に溜まった余分な水分が引き起こす不調のこと。
†暑熱順化(しょねつじゅんか):体が暑さに慣れること。適度な運動や入浴で汗をかく練習をすることで、熱中症を防ぐ体を作る。
†ヒートショック:急激な温度変化によって血圧が乱高下し、心臓や脳に負担がかかる現象。
