ポケットメモ#56 気持ちは20歳。眉毛の現実に直面する
■今日のポケットメモ
電車 おじさん 白い眉毛
***
電車に乗った。
つり革につかまる。
目の前。
60代半ばと思われる男性が、座席に座っている。
つり革につかまりながら、見下ろした。
頭髪。
白いものが、かなり混じる。
眉毛。
白い眉毛は長い。
ふさふさとしている。
黒い眉毛は短いのに。
そういえば。
うちの祖父の眉毛も長かった。
絵本に描かれているおじいさんの眉毛も、長い。
電車に揺られながら。
さらに、記憶をたどる。
まだ子どもの頃。
うちにいたおばあさん。
あの頃、90歳に近かったかも。
髪だけではなく眉毛も真っ白で、長くなっていたような・・・。
「次の停車駅は」
電車のアナウンスが、急に耳に届いた。
次、降りる駅だ!
あれこれ考えていたから、乗り過ごすところだった。
***
深夜。
化粧水をつけながら、鏡をのぞく。
長い眉毛が一本、主張していた。
「やばっ。長いやつだ。
眉カットばさみ、どこにしまったっけ?」
気持ちは20歳。
他人の眉毛を観察した日、現実に直面した。
<Fin.>
現実は、キビシイ・・・。コチラも。
