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企業・自治体で「立ち止まる時間」は、どう扱えるのか

企業や自治体の現場で、
「一度、立ち止まって考える時間が必要だ」という声を、
聞かないことはほとんどありません。

忙しさ、複雑さ、判断の速さ。
どの現場も、余裕がない中で必死に回っています。

だからこそ、
「立ち止まる時間が必要だ」と分かっていながら、
それをどう扱えばいいのか分からない。
そんな状態が続いているように感じます。


これまで、
企業の人材育成や組織づくり、
自治体の計画策定や対話の場に関わる中で、
何度も似た場面に立ち会ってきました。

  • 立ち止まる時間をつくりたいが、
    「成果につながるのか」と問われる

  • 忙しい中で時間を取ること自体に、
    どこか罪悪感が残ってしまう

  • 対話の場を設けても、
    結論やアクションを急いでしまう

結果として、
「せっかく時間を取ったのに、
 何も決まらなかった」
という感想だけが残ってしまう。

でも、ここで少し立ち止まりたいのです。


本当に問題なのは、
立ち止まったことそのものなのでしょうか。

それとも、
「立ち止まる時間の扱い方」が、
現場の構造と噛み合っていなかっただけなのか。


多くの現場では、
立ち止まる時間が
「施策」や「イベント」として扱われています。

研修として。
ワークショップとして。
特別な取り組みとして。

もちろん、それ自体が悪いわけではありません。

ただ、
立ち止まる時間を
成果を出すための装置として扱い始めた瞬間に、
その時間は、とても壊れやすくなる

ということも、同時に起きているように思います。


立ち止まる時間が壊れるとき、
そこではこんなことが起きがちです。

  • 「今日は何を決める場なのか」が先に決められる

  • 発言や気づきが、評価や優劣の対象になる

  • 対話が、結論に向かうための手段に変わってしまう

すると、人は無意識のうちに
「正しいこと」を探し始めます。

本音や違和感は、
自然と脇に置かれていきます。

立ち止まるために用意されたはずの時間が、
いつのまにか
立ち止まらないための時間に
すり替わってしまうのです。


一方で、
うまく機能し始める場には、
共通する特徴があります。

それは、
立ち止まる時間を
「何かを生み出す場」ではなく、
「状態を整える場」として扱っている

ということです。

そこでは、
変化を起こすことが目的ではありません。

評価されないこと。
結論を急がれないこと。
話さなくても尊重されること。

そうした前提が、
最初から丁寧に置かれています。


不思議なことに、
そうした場では、
「何も起こらない時間」
ちゃんと流れます。

そして、その時間を一度通った人が、
数日後、数週間後に、
自分なりの言葉や行動を
静かに選び始めることがあります。

こちらが背中を押したわけでも、
指示をしたわけでもありません。

ただ、
自分で考え直していい状態
戻っただけなのだと思います。


立ち止まる時間は、
業務の外に置かれるものではありません。

また、
成果を出すための
特別な装置でもありません。

それは、
人が判断し続けるための、
見えにくい基盤のようなものです。

この基盤が弱ったままでは、
どれだけ優れた計画や制度をつくっても、
現場は疲弊していきます。


最近は、
こうした考え方をもとに、
立ち止まる時間を
「設計の問題」として捉え直す取り組みを、
少しずつ言葉にしています。

いわば、
余白を設計するという発想です。

何かを変えるために急ぐのではなく、
変われる余地を、
あらかじめ場の中に組み込んでおく。

それは、
企業や自治体にとっても、
これからますます重要になる視点だと感じています。


立ち止まることは、
甘えでも、後退でもありません。

むしろ、
人や組織が持続していくための、
とても現実的な営みです。

ただし、
扱い方を間違えると、
すぐに形骸化してしまう。

だからこそ、
「つくる」よりも前に、
「どう扱うか」を
丁寧に考える必要があるのだと思います。


相談・対話について

もし、
この文章を読んで

  • 組織やチームの中に、
    立ち止まる時間をどう置けばいいか迷っている

  • 研修や施策としてではなく、
    もっと自然な形で余白を扱えないか考えている

  • 正解を出す前に、
    一度、問いを置く場が必要だと感じている

そんな思いがあれば、
対話や相談の時間をつくることができます。

個人でも、チームでも、
企業でも、自治体でも構いません。

何かを決めるためではなく、
どう扱うかを一緒に考える時間として。

ご関心があれば、
SNSのDMやプロフィール記載の連絡先から、
気軽に声をかけてください。


この文章もまた、
完成した答えではありません。

けれど、
現場で起きている違和感を
そのままにしないための、
ひとつの呼吸として
ここに置いておきたいと思います。

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