これからの5年に向けた、最初の呼吸
年末年始、
これからの数年をどう生き
どう仕事をしていくのかを、
あらためて言葉にする時間をとっていました。
キャリアブレイク、対話の場
地域のプロジェクト、企業や自治体との協働。
振り返ると、取り組んできたことはずいぶん幅があります。
けれど、その根っこにずっと流れていた感覚は、
とてもシンプルなものでした。
『人が、一度立ち止まって考え直せる時間は、
社会の中でちゃんと守られているだろうか』
これまで、
キャリアブレイク中の人たちと対話をし、
地域で暮らす人たちの声を聞き、
企業や自治体で働く人たちと場をつくってきました。
立場も、置かれている状況も違うはずなのに、
話を重ねるうちに、
不思議と似た感覚が立ち上がってきます。
忙しさの中で、考える余裕がなくなっている
正解を出し続けることに、少し疲れている
本当は立ち止まりたいけれど、それが許されない気がしている
「キャリアブレイク」という言葉を使う前から、
多くの人がすでに、
心のどこかで「一度、呼吸を整えたい」と
感じているように思います。
一方で、
プログラムや研修、
イベントとして用意された場だけでは、
どうしても届かない時間があるとも感じてきました。
実際に、
キャリアブレイク研究所や
「むしょく大学」でつくってきた場では、
最初から「次に何をするか」を決めることを
ほとんど求めていません。
むしろ、
「まだ分からない」
「決められない」
「何がモヤモヤしているのかも、うまく言えない」
そんな状態のまま、来てもらうことを前提にしています。
場の設計で大切にしているのは、
評価とスピードを、できるだけ持ち込まないことです。
発言しなくてもいい。
行動を起こさなくてもいい。
何かを持ち帰らなくてもいい。
ただ、
自分がいま感じている違和感や引っかかりを、
無理に整理せず、そのまま置いておけること。
印象的だったのは、
「何も決まらないまま終わってしまって大丈夫でしょうか」
と不安そうに聞かれたことが、何度もあったことです。
でも、
その問いが出てくる時点で、
すでにその人は「自分の状態」を
ちゃんと見つめ始めています。
しばらくしてから、
「実はあのあと、誰かに相談してみました」
「まだ仕事は決めていませんが、少し気持ちが軽くなりました」
そんな連絡をもらうことがあります。
こちらが背中を押したわけでも、
具体的なアドバイスをしたわけでもありません。
ただ、
急がなくていいと感じられる時間が、
一度、身体に入っただけなのだと思います。
この経験から、
「人は、答えをもらって動くのではなく、
自分で考え直せる状態になったときに、
自然と次の一歩を選び始める」
という感覚が、私の中で確かなものになりました。
だからこの場では、
変化を起こそうとはしていません。
変化が起きてもいい状態を、
静かに整えているだけです。
このやり方は、
キャリアブレイク中の人に限った話ではありません。
企業で働く人も、
自治体で意思決定をしている人も、
立場は違えど、
「一度、評価の外で考えたい」という欲求を
同じように抱えていると感じています。
この小さな実践が、
いま考えている「余白を設計する」という仕事の、
ひとつの原点になっています。
岡崎では、
シェアコミュニティや、
週に一度の立ち飲み酒場といった、
とても小さな実践も続けています。
そこには、
学びも、支援も、目的もありません。
成果も、評価もありません。
ただ、
肩書きや役割を一度外して、
同じ時間を過ごすだけ。
キャリアブレイク中の人も、
地域で暮らす人も、
企業や自治体で働く人も、
同じ場に混ざり合い、
ときには何も起こらないまま、夜が終わります。
こうした場は、
何かの「補完」や「おまけ」ではなく、
むしろ、これまで考えてきたことの
いちばん根の部分を、日常の中で試す
実装なのだと思うようになりました。
評価される前の時間。
成果が出る前の迷い。
役に立つと言われる前の違和感。
それらを急いで回収せず、
いったん置いておける余白があること。
その余白があるからこそ、
人は自分のペースで、
また社会や仕事とつながり直せるのだと思います。
最近は、
こうした考え方や実践を、
「余白設計室」として
少しずつ言葉にし始めています。
何かを変えるために急ぐのではなく、
変われる余地を、静かに設計すること。
これからの5年は、
プログラムをつくることや、
誰かに伴走することに加えて、
こうした「立ち止まれる時間」を
暮らしや仕事、職場や組織の中に、
意識的に埋め込んでいきたいと考えています。
キャリアブレイク中の人だけでなく、
働いている人も、
組織の中で責任を担っている人も、
地域で暮らす人も。
誰にとっても必要な時間として。
まだ、
はっきりした答えがあるわけではありません。
でも、
急がず、比べず、孤立させない場を、
少しずつ増やしていくこと。
それが、
これからの社会や仕事を支える
見えにくい土台になると信じています。
これは、
これからの5年に向けた、
私自身の最初の呼吸のような文章です。
相談・対話について
もし、
この文章を読んで
「自分にも、少し立ち止まって考える時間が必要かもしれない」
「組織や地域の中に、こうした余白をつくれないだろうか」
と感じた方がいたら、
対話や相談の時間をつくることもできます。
個人でも、チームでも、自治体や企業でも構いません。
答えを出すためではなく、
問いを一緒に置くところから。
ご関心があれば、
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気軽に声をかけてください。
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