インバウンドブームの次のかたち
“来てもらう”時代のその先へ
半年前、「インバウンドブームの終焉は何年後?」というコラムを投稿しました。
あれから半年。
観光業界はさらに勢いを増し、
訪日旅行者の数は2019年のピークを超えるかもしれない、というところまで来ています。
数字だけ見れば、
たしかに“日本ブーム”の真っ只中。うれしい話ですよね。
でも今回は、あえてその先のことを考えてみたくなりました。
このブームが、
もし“ずっとは続かないもの”だとしたら——私たちは、そのあとにどんな姿を描いていけるんだろう?という視点です。
“観光に頼る”
ということの難しさ
観光客が増えるのは、もちろんいいこと。日本の各地にお金が落ち、人の流れが生まれ、街に元気が出る。これはとても大きなプラスです。
でもその反面、ちょっと気になるところも出てきています。
たとえば、最近よく言われているのが「円安の恩恵で来てもらえているけど、これが円高に戻ったらどうなるの?」という声。
それに、
観光業の現場では人手が足りず、
受け入れのキャパを超えてしまっているエリアも出てきました。
観光地が混雑しすぎて、
地元の人の暮らしに支障が出てしまうようなこともあったりして……。
「にぎわい」は嬉しいけれど、それが誰かの負担になってしまっては、長く続けるのは難しくなります。
“見る観光”から、“関わる観光”へ
いま、日本を何度も訪れてくれる
“リピーター”の方が増えています。
「またあの景色を見に行きたい」という理由もあると思うけれど、
もしかしたらそれ以上に、
「あの人にまた会いたい」「あの町の雰囲気が好き」といった“人や空気への愛着”があるのかもしれません。
ただの“観光”ではなく、“関わり”がある旅。
誰かと話す。ちょっと手伝ってみる。地域の日常を少しだけ体験してみる。
そういう旅の形が、これからもっと求められていくような気がします。
「お客様」から「地域の一員」へ。
そんな受け入れの姿勢が増えれば、旅先とのつながりはもっと深くなっていくはずです。
“観光資源”って、
なにでできてる?
いまの観光って、
かつての「有名な場所を巡る旅」から、「自分だけの体験を見つける旅」へと変わってきているのです。
昔なら、観光地とは
無縁だったような町がじわじわと
注目されるようになったり。
地元の人の日常や、素朴な風景、
ちょっとした会話が旅人にとっては
かけがえのない思い出になったり。
それってつまり、
“観光資源”っていうのは、派手なものや歴史あるものだけじゃなくて、「そこにある暮らしそのもの」も含まれているんだな、と感じる瞬間です。
数字の先に、つながりを
観光を語るとき、どうしても
“数字”の話になりがちです。
でも、
実際に旅をする人が持ち帰るのは、
そういったデータじゃなくて、
心の中に残る風景や出会いではないでしょうか。
「また行きたいな」と
思ってもらえる旅先には、きっとそこにしかない“つながり”がある。
インバウンドブームが続くこと自体はうれしいことだけど、その“次”を見据えるなら、
「来てもらう」だけじゃなく、「また関わってもらえる」関係を育てることが大切なのかもしれません。
日本の観光が、“関係をつくる力”として育っていく未来。
その始まりに、いま私たちは立っているのかもしれません。
今回も最後まで読んでくださって
ありがとうございました。
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