8年前の保活を振り返る──小規模保育から幼稚園へ、迷い続けた選択
保育園に入りたくても入れない、点数競争の厳しさ。
小規模保育園しか選べず、3歳以降はまた保活のやり直し──。
8年前、長女と次女の進路をめぐって必死に選び続けた私の保活体験を、制度の背景や今の視点から振り返ります。
1. 保活を始めたきっかけ
8年前、長女が3歳、次女が1歳のとき。
久しぶりに声をかけてくださった方から「手伝ってほしい」と仕事の依頼がありました。私自身もそろそろ社会復帰を考えていた頃で、その一言が背中を押し、保活を始めることにしました。
当時住んでいた地域の保育環境は、今とはずいぶん違っていました。0〜5歳まで通える認可保育園は数えるほどしかなく、駅近の園は1つだけ。駅から逆方向に少し行くと3園ほどありましたが、通勤や送迎の動線を考えると現実的ではありませんでした。
しかも、途中入園。すでにほとんどの枠は埋まっていて、「姉妹そろって同じ園に」という希望は叶いそうにありませんでした。
2. 点数競争と小規模保育園という現実
当時の保活は「点数」がすべてでした。
育休からの復帰であれば200点を超えるのが当たり前。けれど私の場合は新たにパートとして働き始める形だったため、夫婦合わせても160点ほどしかなく、入園優先順位は低くなってしまいました。
見学できたのは小規模保育園(0〜2歳まで対象)の園ばかり。マンションの一室やビルのフロアを使った園が多く、園庭はありません。外遊びは近隣の公園に連れて行ってもらう形。子どもにとっての環境として本当に良いのか、迷いながらも「今預けられる場所はここしかない」という現実に背中を押されるように、申し込みをしました。
ここで、今振り返ると「保活あるある」とも言える失敗をします。
確実に2人が入れる園を第一希望にすればよかったのに、「もしかしたら0〜5歳まで通える園に入れるかも」と期待して、そちらを第一希望に書いてしまったのです。
結果、長女だけが入園でき、次女は落選。再び次女だけ別の預け先を探すことになりました。
3. 企業主導型保育園という選択肢
認可保育園の申請は月に1回しかできず、待っている間も時間が過ぎていくばかり。そこで候補に挙がったのが、企業主導型保育園や無認可保育園でした。
いくつか見学をし、最終的に選んだのは企業主導型保育園。認可に比べて保育料は高く、長女と同じくらいの金額を次女にも支払うことになり、「何のために働いているのだろう」と思う瞬間もありました。それでも、企業が運営母体という安心感や、保育士さんたちの雰囲気の良さもあり、次女はニコニコと楽しそうに通ってくれました。
一方、長女は外遊びが大好きだったこともあり、室内中心の小規模園に馴染めず、毎朝泣いて通う日々。小規模園は2歳児までなので、次の進路をどうするかという課題が、またすぐに迫ってきました。
4. 幼稚園という選択肢との出会い
卒園がみえてきたタイミングで、改めて幼稚園も候補に入れて調べ始めました。
市立幼稚園なら17時までの預かり保育
私立幼稚園なら18時まで、遠方には19時まで対応の園も
ちょうど「幼児教育・保育の無償化」が始まり、費用負担が大きく軽減されるタイミング
さらに見学を重ねる中で気づいたのは、幼稚園の持つ環境の豊かさでした。
広い園庭、教育的なカリキュラム、担任制で3年間同じ先生・同じクラスで過ごす安定感。これなら長女も落ち着いて通えるのではないか──そう思えたのです。
5. 幼稚園に通い始めた長女の変化
入園当初は、年少のゴールデンウィーク明けまで泣いていました。けれど、それを境に泣かなくなり、笑顔で登園するようになりました。
思い切り庭で遊べること、仲間と一緒に取り組む行事、先生との信頼関係──それらすべてが長女に合っていたのだと思います。
小学生になった今でも、長女は通っていた幼稚園のことを「大好きな場所」として語ります。楽しい思い出が、彼女の中で確かな安心感として残っているのです。
そしてその経験は、次女や長男にも受け継がれました。長女が楽しそうに通っていた姿を見ていた二人にとって、幼稚園は「楽しい場所」というイメージのまま自然に通い始め、今では三人とも幼稚園が大好きです。
6. 小規模保育園の課題を振り返って
一方で、振り返ると小規模保育園には大きな課題も感じます。
最大の問題は、3歳以降の進路サポートがほぼないこと。契約書には「連携施設」と書いてあったものの、実際には優先入園枠ではなく、単なる情報共有に近いものでした。卒園に向けて、また一から保活をやり直すしかありません。
現場の先生方も「この後が大変なのは分かっているけれど…」という複雑な思いを抱えていました。制度の壁に阻まれて、子どもの成長を見守る立場でありながら、進路面で何もしてあげられない──その苦しさは、保護者だけでなく先生方にもあったのだと思います。
7. 制度の変化と、今だから思うこと
あれから8年。
認定こども園の普及や預かり保育の拡大、幼児教育無償化の定着により、今の保活事情は当時より改善しているように見えます。
しかし、地域差や園ごとの差はまだ存在し、「保活の二重苦」(0〜2歳と3歳以降の2回戦)が続いている家庭もあります。
私自身、当時の経験を振り返って思うのは、そのときのベストを選ぶしかないということ。制度や枠の中で、完璧な選択肢は存在しないけれど、結果として長女に合った園と出会えたことは、今でも大きな財産になっています。
結びに
8年前の私に言えることがあるとしたら──
「迷っていい。悩んでいい。そのときのあなたが必死に選んだ道が、きっと正解になるから」と伝えたいです。
制度も環境も時代とともに変わるけれど、
子どもの幸せを願って選択に迷う親の気持ちは、今も昔も変わりません。
だからこそ、この記録をここに残しておきたいと思います。
