見出し画像

理系の専門性を広げてインターン挑戦、大手企業の技術職へ【松尾研講座修了生インタビュー】

東京大学松尾・岩澤研究室(以下、松尾研)では、人工知能・データサイエンスの教育を通じて、多様な学生が自らのキャリアを切り拓いています。今回は、GCI(グローバル消費インテリジェンス寄附講座)2022 Winter、DL基礎2023、LLM基礎2023 Summerを修了し、現在はGCIのTA(ティーチング・アシスタント)としても活躍している山際さんにお話を伺いました。

[松尾研講座・現在募集中の講座一覧はこちら]
[
その他の修了生インタビュー記事はこちら]

プロフィール
山際さん:三重大学大学院電気電子工学専攻。2022年から2023年にかけて松尾研の講座3つを修了し、現在はGCIのTAとして講座運営に携わる。来春から大手企業の技術職で就職予定。(2025年取材当時)

Q. GCIを受講する前のご経歴について教えてください

三重大学大学院電気電子工学専攻の修士2年です。初めて松尾研の講座を受けたのは学部3年生のときでした。

もともと機械やものづくりが好きで、メーカーに関心がありましたが、同時にソフトウェアにも興味を持っていました。現在、精密機器メーカーから内定をいただいており、研究で使われる測定装置を開発する仕事を通じて、ものづくりの面から研究に貢献したいと考えています。

Q. GCIを受講しようと思ったきっかけを教えてください

工学部に所属していたのでC言語やJavaの基礎はすでに学んでおり、統計や線形代数の知識もありました。そんなとき、教授や先輩から「Pythonは将来的に必ず役立つ」と勧められ、Pythonを使って何か作ってみることに興味を持ちました。

はじめはオンライン教材を使ってPythonの文法を学び、文法がある程度わかるようになったところで、Pythonを実践的に使ってみたい気持ちがわいてきました。ちょうどその頃、新聞で松尾研とメタバースに関する記事を目にして興味を持ち、松尾研の取り組みを調べるようになりました。

元々私は、日本の製造業に貢献したいという思いから、製造業で得られるデータを効率的に扱って生産性を向上させることに興味がありました。その上でGCIのカリキュラムの内容を自分で少し勉強してみたところ、「データサイエンス」というものが私の目指すものに深く関わっていることに気づきました。学生は完全無料で受講できることと、「新たなことを学びたい!おもしろそう!」という勢いもあり、自然と松尾研のGCIに挑戦することに決めました。

ワクワクしていた一方で、「レベル高そうだけど大丈夫かな」と初めのうちはかなり緊張していました。

Q. 実際にGCIを受講してみて、どのような印象を持ちましたか

受講当時は学部3年生だったので大学の講義数や実験が多く、そこにGCIを足すと相応に負担は重かったです。しかし、空いた時間をやりくりして宿題1回あたり2~3時間くらいで取り組むことで大学とGCIを両立することができました。

難易度は、講義の内容をもとに自分で色々実行しつつ学んでいれば、自然と解けるくらいでした。自分で書いたコードの通りに結果が出力されるのが新鮮で、「ここの変数を変えたらどうなるんだろう」「別の処理を追加してみよう」というように一人で楽しみながら学んでいました。

GCIの教材には自発的に学べる余地がたくさんあるので、そこに興味を持って実践したことがその後の学びにもつながっていたと思います。

また、講義内容そのものだけでなく、特によく使うプログラムや関数、Pythonプログラミングの慣例的なものを講師の方の雑談を通して学べたことは一番の収穫でした。このような、書籍では扱われにくい内容をメインの講義の合間に学べたことで、さらに学習意欲が増しました。

Q. その後、DL基礎・LLM基礎の受講で難易度の差は感じましたか

GCIから次のステップとしてDL基礎講座とLLM基礎講座を受講したとき、難易度が一気に上がったと感じました。課題をこなすだけで4〜6時間かかることが多く、理解を深めるために教材だけでなく自分で書籍を購入して学習を補っていました。特に「Python機械学習プログラミング[PyTorch&scikit-learn編]」はとても参考になりました。

また、Slackの情報交換チャンネルも大いに活用しました。オフィスアワーは質問のレベルが高く、最初は質問するのに勇気がいりましたが、優秀な仲間に囲まれる環境そのものが良い刺激になりました。

Q. 講座を通してどのような変化がありましたか

松尾研の講座を修了できたことは、自分にとって大きな自信になりました。東大関連の講座をやり遂げたという達成感があり、研究に対するモチベーションも高まりました。

GCIはデータサイエンスの入り口に過ぎないので何かの技能が飛躍的に上がった、ということはなかったと思っています。しかし、GCIで学んだ内容が基礎となり、研究や他の講座への理解がスムーズになりました。

特に、コンペティションなど実践の場を通してデータの結合や欠損値処理、モデル構築といったデータ分析で頻繁に用いられるスキルを、泥臭く手を動かしながら学べた点はデータ分析への理解を深める上で非常に良い経験になりました。その後別の機会でデータを扱うことがありましたが、同じ要領で分析を行うことができて感慨深かったです。

講座をきっかけにインターンにも挑戦しました。大学4年の秋から約1年間、LLM関連のコンペ評価チームなどで実務に近い経験を積みました。チームで開発・分析を進める中で、エンジニアとしてのスキルや考え方を学ぶことができました。

現在はGCIのTAとして受講生をサポートしています。講義のサポートや質問対応、講師経験を通して、自分自身の理解がより深まっていくのを感じています。

全体を通して松尾研の講座は、データサイエンスを幅広く学べる点が印象的でした。単に技術を身につけるだけでなく、自分がどの分野に興味があるのかを見極めるきっかけになりました。AIやデータ分析の世界は範囲が広いですが、その全体像を掴んだうえで自分の進む方向を考えることができたのは、松尾研で学んだからこそだと思います。

Q. 今後の目標について教えてください

大学卒業後は大手精密機器メーカーで技術職として働きます。インターンを通してチーム開発の基礎を学びましたが、実際の業務ではさらに深い知識や経験が求められると思うので、現場でしっかりスキルを磨いていきたいです。

同時に、松尾研のようなコミュニティにも引き続き関わり、会社で必要とされるスキル以外の学びも続けたいと考えています。


松尾研の講座は、AIやデータサイエンスに関心のある学生が、それぞれの専門や将来の目標と結びつけながら学べる場です。山際さんのように、学部時代から一歩を踏み出し、学び続ける姿勢を持つことで、研究にもキャリアにも新しい可能性が広がります。

[松尾研講座・現在募集中の講座一覧はこちら]
[
その他の修了生インタビュー記事はこちら]