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#6 アート事業のはじまりは、「平山のやりたいことを応援したい」の気持ちから

マイナビを退職して独立してから1年が経ち、ようやくだんだんと売上が上がるようになっていたころ。

自由に使えるお金は今よりもかなりたくさんあったのですが…いろんなことにお金を使っても、全然心が満たされない自分に気がつきました。

前回のnoteはこちらからご覧いただけます。


車を買おうと思い立って外車を購入してみたり、当時の自分にとってはちょっといいランクのマンションに引っ越してみたり、毎日のように飲みに行ったり。なんとなく「成功した人がやってるっぽいこと」をしてみたものの、どれもしっくりこない。

むしろ、全然楽しくない。

「もしかして、自分はお金がモチベーションじゃないのかも」

そんなある日平山(今の共同経営者)から「転職を考えているんだけど、相談に乗ってほしい」と相談されたのは、そんな思いを抱えながら過ごしていたタイミングでした。

あれは確か梅田の居酒屋だったかな。

明らかに人生というかキャリアに悩んでいるテンションで、彼女にしては珍しく元気がなかったけど、そんな状態のときに自分を頼ってくれたのは嬉しかった記憶があります。

平山の当時のブログから勝手に拝借。確かに悩んでそう笑

自分の売上を信頼できる友人のために使いたい

就職活動のインターンで出会った平山やチームメンバーとは、就職後も、お酒を飲みながら近況を報告する関係が続いていました。

僕の中での平山のイメージは、ほんとに絵が上手で漫画が大好きな子。

勝手に平山のmixiより拝借
勝手に平山のmixiより拝借。どれもすごいよね…

当時、僕のmixiのタイムラインには、平山の描いたアートたちが流れてきて才能ってすごいなと感動していました。

呑みにいったときに、レシートの裏に「まっつん描いてみてた!」と言って、さらさらと僕の似顔絵を描いて見せてきたり。

「この子はいつかアーティストになるんだろうな」と思ってみていました。

そんな平山が今の仕事を辞めると決めて「好きなことを仕事にしたい」と言いながらも、あくまでも「転職先」を探し続けていた彼女に、「だったら転職じゃなくて一緒に会社を立ち上げるのはどうか」と提案しました。

当時の彼女は転職エージェントに登録して仕事を探していましたが、転職サービスが重視するのは前職のキャリアがメインです。本人はもっとクリエイティブな仕事がしたいと思っているはずなのに、紹介されるのは営業職ばかり。

不動産営業の求人票を見ながら「でも大手だしなーちょっとありかも」とか悩んでいる平山を見て「なんでだよ!」とつっこんだことは一度や二度ではありません。

なんでアート大好きな人が、不動産営業やるんだよ!と。

「やってみたいことに挑戦してみたらいいじゃん!」と言っても、「未経験だし」「やりたいことがそんなに簡単にやれるわけないし」というウジウジした回答が返ってくる。

何度かそうした会話を交わしたときに、平山がこのまま一般企業に転職するのはすごくもったいないし、超烏滸がましいし、おせっかいだけど、だったら自分が平山にとって好きなことをできるように応援する立場になればいいのではと思いました。

冒頭の話に戻りますが、自由に使えるお金が増えて少し贅沢をしてみたもののあまりおもしろいとは思えなくて、じゃあ満足度が高いお金の使い道はなんだろうと。

まだ当時27歳だったので、稼ぎ続けられる体力があるのに事業を縮小するのもきっと違う。だったら、稼いだお金を次の事業や信頼できる友人のために使うというのは、たぶん今の自分にとって一番いい使い方なんじゃないかなと思ったんです。

(会ったことがある人はわかってくれるでしょうが)平山は、どんな人とも仲よくなれて、超天然で、交友関係がとても広い。僕は無意識のうちに敵をつくってしまうタイプですが、彼女は敵を一切つくらない。今までも彼女を苦手という人には出会ったことはありません。

そんな彼女のような人と、これから新しく出会うことは絶対に難しい。友人ではあるけれど、自分に全くないものを全部持っていて、自分がそもそも彼女のことをとても尊敬していて、彼女のような人間性に憧れもあって。

事業の内容がどうであれ、一緒に働いてくれるならきっと、僕に足りない部分を補ってくれるだけでなく、経営をする立場でもバランスが良いだろうという確信がありました。

僕が提案してから平山が起業という道を選択するまでには、結局1年くらいかかったと思います。(ずっとウジウジしてた)

そして実は、起業を決めたタイミングでは事業内容が決まっていたわけではありませんでした。平山が「アートを事業の柱にする」と決めたのは、NOMALにジョインする1ヶ月前のこと。

そのときのことは本人のnoteに詳しく載っているのでぜひ。僕がここに書くより、本人の葛藤と合わせてお読みください。

平山の記事にもあるように、彼女がアート事業を立ち上げたきっかけはサンフランシスコ旅行がきっかけ…なんですが、帰国して数カ月後、実はサンフランシスコ旅行で貯金をほぼ使い切っていたと聞いたときはたまげました。

あんなに独立するのが不安だとウジウジしてたのに、なんで貯金と退職金使い切っちゃうの?

個人的には、事業内容を直前で変えたことよりもこっちのほうが平山らしいエピソードです。

仲間を支えるモチベーションで、自分の事業の売上は6倍に

こうして、2015年7月、自分の事業の売上やクライアントは引き継ぎつつ、改めて株式会社NOMALという会社を立ち上げました。

NOMALのアート事業は、アート作品の通販事業から始まりました。

▼アート通販サイト「WASABI」

当時アートを扱っていたのはギャラリーがほとんどで、いろんなアーティストの作品が買える通販サイトというビジネスモデルを日本で立ち上げたのはかなり早かったと思います。

貴重なリリース当時のWASABI!今はだいぶ進化しました。

しかし競合がいないということは、当時そこにはあまりビジネスチャンスがなかった、ということでもありました。アートって身近じゃないし、身近でないものを通販で買うのはハードルが高い。具体的な数字は覚えていませんが、最初の数ヶ月はほとんど売上がなかったように記憶しています。

当時、平山は相当にしんどかったはず。

毎日「売れない、不安だ」と言う彼女を励ますために仕事が終わると居酒屋に立ち寄って話を聞いていましたが、お金もなかったので、カレーのルーをつまみに飲んでいたのを覚えています。

▼仕事終わりに平山が良く泣いていた居酒屋はこちら

こういう事業の立ち上げ方や、そのころの思い出話をするとよく周りから「松本さんは不安じゃなかったんですか」と聞かれるのですが、本当に不安はありませんでした。

メイン事業をアートにすると聞いたとき、素直に「そっちのほうが平山らしいよね」と思ったし、実際に事業が走り出してからは彼女の爆発的なエネルギーを間近で見ていたから、いつかは軌道に乗るだろうと信じていました。

平山の熱い想いがなくならないうちは、絶対に大丈夫だと思ってたし、それが仮に20年赤字が続いたとしてもアートに対する想いがあるうちは、軌道に乗るまで絶対に続けさせることが、自分の責務だと。

平山が「やりたいこと」を実現するまでは僕が倒れずに頑張る。
なので、アート事業については本当に平山に任せっきりでした(今も)。

当時は平山の事業がどうなっているかを細かく把握する余裕がなく、とにかく会社として売上をつくるために24時間自分の仕事のことを考えていました。

当時、良いことがあったときは焼肉に行くことが多かった気が!

振り返ってみようと思っても記憶がないくらい必死に働いていたはずで、マイナビ時代の2年目と同じくらい、脳がフル回転している感覚があったことだけを覚えています。

多分、NOMAL創業から5年くらいは1日も休んでいないんじゃないかな。

寝ているときも夢の中でパソコンを打っていたらしいし、何度も預金残高が0円になる夢を見て目覚めたりして、とにかく毎日仕事のことが頭から離れない生活でした。

でもそのおかげで、NOMALの創業から5年間で、自分の採用コンサルティング事業は売上を6倍にまで伸ばすことができました。

今思うとあのころの僕は「ゾーン」のような精神状態に入っていたのだと思いますが、その経験はビジネスマンとして自分を大きく成長させてくれたと実感しています。

人生において、24歳・25歳のマイナビ時代と、27歳〜30歳くらいまでの2回ゾーンに入って仕事をしていた経験は、今振り返ると本当に大きい!このときに、お金じゃない意味での貯金があるおかげで、今も生きていられる気がしています。

同時に、「お金がモチベーションじゃないのかも」と感じた自分がもう一段階上のステップに登れたのは、仲間が増え、「誰かのために」というモチベーションが生まれたからかも、とも思うのです。

そしてそれができたのはやはり、平山の圧倒的な熱量があったから。

毎日のように「どうやったら絵が売れるだろう」と考えて試行錯誤を繰り返し、アーティストとの関係性を深めたり、商品の見せ方を工夫したり、SNSでの発信を増やしたり。

初めて1枚のアートが売れたときの喜びの表情を見ていたり。

そうした試行錯誤で生まれたのが、今のアート事業のもう1つの柱となっている「ウォールアート事業」です。

▼ウォールアート事業

さまざまな会社やイベントに足を運んでは人脈を作り、少しずつ実績を積み上げていく彼女の粘り強さには本当に頭が下がる思いでした。

「アート通販サイト」と「ウォールアート」という2つの武器を手に入れたアート事業でしたが、それでもまだアート事業の売り上げの伸びはゆるやかでした。

そんな状況が一変するのが、2020年に起きたあのできごと。あのときにアート事業がなければNOMALは倒産していたかもしれません。


ここまでご覧いただき、ありがとうございました。次回は、NOMALの危機をアート事業が救う話を予定しております。フォローしていただけると、モチベーション保てますのでよろしくお願いいたします!

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