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未来からの評価~ネイチャーポジティブとエネルギー問題~

花の便りが届き始め、各学校では卒業式が行われ子ども達の成長を感じる季節となりました。先般、小学校の卒業式に参列した時に、校長先生から「入学したときのことを覚えていますか?」という挨拶がありました。大人にとって6年はあっという間ですが、子ども達にとっては非常に長く感じた6年だったようでほとんどの卒業生が入学当時のことは忘れてしまうくらい楽しかった学校生活だったようです。卒業式の話題と同時に学校の平衡のニュースも見受けられます。昨年に生まれた子どもの数(外国人を含む)は、72万988人で9年連続の減少となり過去最少を記録しました。国立社会保障・人口問題研究所が2発表していた将来推計人口によると、2024年は77万9千人にとどまる見通しでしたが、実際は想定以上に少子化が進む結果となりました。少子高齢化が進み社会構造が大きく変化することが予想されるなかにおいて、私たちは未来を担う子ども達に何を残すことができるのかをしっかりと考えていかなければなりません。今回は自然環境などから将来の子ども達のために考えていきたいと思います。

ネイチャーポジティブという考え方

チャーポジティブとは日本語訳では「自然再興」を指します。現在の地球は過去1000万年間の平均と比べて100倍の速度という凄まじい勢いで生物が絶滅をする「ネガティブ」な状態になっています。この様な危機的な状況から、環境保全の取り組みだけではなく政治、経済、社会が関わり改善をしていくことを「ネイチャーポジティブ」と言います。2023年に閣議決定された「生物多様性国家戦略2023-2030」においてネイチャーポジティブを2030年までに達成するという目標が掲げられました。今年の4月から施行される生物多様性増進活動促進法では市町村が地域の多様な主体と連携して行う活動や企業等が生物多様性に資する活動について大臣が認定する制度が創設され、認定を受けた場合には関連する手続きが簡素化されるといったメリットがありネイチャーポジティブが促進されるような政策が進められています。

生物多様性と自然環境

しばらく前から新聞紙面などで、大規模な太陽光発電施設の建設によるトラブルを目にする機会が増えています。その内容は主に「親しまれていた自然や景観が損なわれてしまった」「森林伐採による土砂災害などへの不安」などとなっています。こうしたメガソーラーは、再生可能エネルギーの導入促進のために2012年に国が開始した「固定価格買取制度」以降、建設が急増しました。他の電源に比べて設置基準の規制が少なく、建設費用も安価なメガソーラーが次々と建設されてきました。太陽光発電の将来的な発電量の可能性は大きく期待できる電源ではありますが、他方では景観破壊、森林伐採による土砂災害の発生、土地利用の変化による動植物の生息地破壊等の問題が考えられます。私たちの生活に欠かせない電力ですがそれによって自然環境や生物多様性が失われてしまってはいけません。

増える電力需要

近年、クラウドサービスやAI技術の発展に伴い、データセンターの重要性が急速に増しています。世界中でデータセンターの普及が進んでおり、総務省の報告によると、2024年3月時点でアメリカには5,381カ所、ヨーロッパには2,100カ所、日本には219カ所のデータセンターが存在しています。世界中で建設が進むデータセンターですが、データセンターの増加には電力消費の増大という課題も生まれ、持続可能なデータセンターの運営に向けた対策が喫緊の課題となっています。資源エネルギー庁によると、現在運用を続けた場合、データセンターの消費電力は2030年には900億kWh、2050年には12兆kWhに達すると予測され、約133倍の増加が見込まれています。今後も生成AIやロボットの活用をはじめとするデジタル化の進展により、データセンターの需要が増加し、電力需要が高まることが予測されていることから、国内の電力供給に圧力がかかり将来的に電力不足に陥るリスクが懸念されます。

主要国のエネルギー自給率(2022年)
日本のエネルギー自給率推移

S+3Eのエネルギー政策

ウクライナ危機や中東情勢の不安定化で国際エネルギー事情は不安的化しました。国内資源に乏しく、石油・天然ガスのほとんどを海外からの輸入に依存する我が国では「エネルギー安全保障」が非常に重要になってきます。陸続きの国では国境を越えて送電線や天然ガスのパイプラインが張り巡らされているため自国での安定供給ができなくても周辺国との間で輸出入が可能になりますが、島国である日本では周辺国との融通が難しいのが現状です。また、産業革命以降急速に増え続けた化石燃料の利用にともない二酸化炭素の排出量が大幅に増えてきました。これにより大気中の温室効果ガスが増加し地球の平均気温が上昇し生物などに大きな影響を与えています。エネルギーは生活や経済活動の基盤となるため、エネルギーの安定供給と脱炭素化に向けS+3E(安全性・安定供給・経済効率性・環境適合性)を前提にあらゆる選択肢を追求していくことが強く求められています。

☆第7次エネルギー基本計画から
再生可能エネルギー:主力電源化、コスト低減と地域との共生可能な適地を確保などを図りながら長期安定電源化に取り組む
火力発電:安定供給に必要な発電容量を確保しつ水素やアンモニアなどを活用し火力の脱炭素化を目指す
原子力発電:安全性や再稼働を進めながら必要な規模を持続的に活用。原子力規制や防災体制の構築。安全性に優れた次世代革新炉の研究開発。

世界的な異常気象や大規模な自然災害が激甚化・頻発化する中において将来の地球環境のことを考えネイチャーポジティブという考えと、脱炭素化や環境保全に向けて積極的に取り組んでいくことが私たちの世代の課せられた使命となっています。未来を担う子ども達やその先の世代から「この時代に生きた人のおかげ」とプラスの評価をされようなエネルギー政策が必要になってくるでしょう。

おまけ

子ども達の話題から環境問題を経て少し強引にエネルギー分野へ話題をシフトしてみました。先日千葉県知事選挙がありました各候補がそれぞれの主張(一部疑問な内容もありましたが…)していました。選挙だけではなく政治家が「未来への・・・・」という発言をしますが、最終的に評価するのは現代に生きる私たちではなく、今の子ども達やこれから生まれてくるであろう未来の子ども達になります。その世代から良い評価を受けられるように国民一人一人が当事者意識を持っていかなければならないのかなと思っています。

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