デジスパイスによる【止めるブレーキ】の検証。
いつもお世話になっております、「まちのくるまやさん」です。
今日はいつもの整備ではなく、サーキット走行時に使用する「デジスパイス」の活用方法Part.2として、ご紹介したいと思います。
今回は、「止めるブレーキを確認する」です。
「止めるブレーキ」とは、筑波サーキットでは1ヘア・2ヘア、FSWなら1コーナーです。
ABSが効くまで思いっきり踏むブレーキと想像して下さい。
まず前提として、ABSが作動する事を悪いとは考えないで下さい。ABSが作動するまでの急制動のブレーキの話をしていると捉えて下さい。
デジスパイスでの確認方法は大きく4つ。
1.しっかりと制動Gが出ているか
2.同じ止めるブレーキを各コーナー前で出来ているか
3.アクセルを離してからブレーキ効き初めまで時間が掛かりすぎていないか
4.ヒール&トウに集中しすぎて減速Gが抜けていないか
の4点です。
下図は、筑波サーキット走行時のGボールです。
車はZ33、タイヤはA050、タイムは58秒~59秒です。
上手く走れている時は、走行全体のGが「山」のような形になる事が多いです。
しかし本当に上手く荷重移動が出来て走行しているときは、もう少し楕円になります。ブレーキから加速に行く部分が角ばっていなく、〇に近づきます。車の特性によるところも多いのですが、そのような傾向はあります。
さて、本題ブレーキの話です。
1.しっかりと制動Gが出ているか?のお話です。
下図はブレーキ時のマックスのGが1.5G位、横Gが1.5~1.7Gくらいです。

色々な車やサーキットで、デジスパイス、AIM、Raceboxで確認しましたが、「最大横Gの80%はブレーキGが出る。もしブレーキの縦Gが、横Gの70%以下しか出ていなければブレーキが弱い」と言えると思います。
例えば横Gが1.5Gなら縦Gは最低1.05Gは出るはずです。
この条件は、Sタイヤでも、スポーツラジアルでも、純正タイヤでも同じでした。(※SUGOの最終コーナーの瞬間横Gとか、SPAのオールージュはどうすんだよ!あ~ん???見たいな突っ込みは勘弁してください。初心者向けなので…)
そして次です。
2.同じ止めるブレーキを各コーナー手前で出来ているか?です。
エスケープの有無、視覚的に恐怖を感じているか?、なんとなく苦手と思っているのか、という心理的な要因と、実は路面にカントが付いている、全体的に下っている、平らな部分とカントが付いている部分が混在している、といった路面の状況による要因があり、全ての止めるブレーキを同じようにコントロールするのは意外に難しいです。
下の図は、1ヘア進入時のブレーキ開始直後です。
171.12㎞/hで、まだ横に1Gが掛かっていながら、ブレーキは0.5G程度掛かっています。

そこから60m進んだ時点で、81.53㎞/h、既にコーナーへのアプローチに入っているので制動はゆるくなっていますが、
「60mで、171.12㎞/hから、81.53㎞/hに、つまり89.59㎞/h減速した」のが分かります。

続いて、2ヘアのブレーキです。
2ヘアのブレーキ開始時は、横に0.7Gくらい掛かっていて、168.87㎞/h出ています。

ブレーキ開始時から60m後のスピードは、127.37㎞/hで、
「60mで、168.87㎞/hから、127.37㎞/hに、つまり41.5㎞/h減速した」
となり、大失敗しているのが分かります。
大失敗=しっかりとした制動がされていない、ことがデータから判明します。

これが本当に失敗なのかを調べるには、他のデータと照らし合わせると簡単です。でも、見る前からなんとなく、傾きが2ヘアが緩いので、おかしいことに気が付きます。

さて、比較です。
赤 58.800 のデータ (Z33 A050)
青 1:00.349 のデータ (Z34 A050)
グラフの傾きを見ても、青は1ヘアと2ヘアが同じ傾き(同じ制動Gが出ている)のに対して、赤は1ヘアの傾きは急なのに対して、2ヘアの傾きが緩くなっていて、速度のデータ通り「赤の方がラップタイムは1.549秒も早いのに、2ヘアのブレーキ進入時に青よりも25mも手前でブレーキを開始している」という悲しい結果が分かります。
これは、このときに 何か理由があったのか?
それとも他走行車両が目に入ったのか?
苦手意識があって常に制動が弱いのか?
どのような理由だったのかを検証する事で、運転の見直しをすることが出来ます。
赤は走行時メンタルが〇んでいました。
当時NAで最速だったAE86とE46M3CSLがスーパーラップで一緒に走行して、コントロールタワー上を見たら(わざわざ見ないで一所懸命に走れ!と今は思います)AE86が57秒を出したのを見てかなり動揺して、これは丁寧に運転しないとヤバい、丁寧に丁寧にと思い、2ヘア手前で早くブレーキを抜きすぎてしまい、更に最終コーナーでは2ヘアの失敗を取り戻そうと突っ込みすぎて失敗する、という永久に上級者になれない中級者ならではの失敗をしてしまいました。
といったように、自分の失敗が顕著に分かります。
私はサーキットには行けても年4~5回、ここ10年のうち6年間は全く走行していませんでしたが、あまりタイムが上下する事はありません。
お客様や友人たちのタイムをデータを見ると、ブレーキ進入時の速度も、位置も、制動距離も全部バラバラになっていることが多く、そこをある程度一定にしていくことで、タイムが安定して、タイムが安定すると練習するべき点が見つかると思います。
次は
3.アクセルを離してからブレーキ効き初めまで時間が掛かりすぎていないか
です。
これは、アクセルを離してからブレーキを踏むまでに時間が掛かりすぎていると、グラフの頂点が鈍角になります。
AT車で左足ブレーキをすると、ビックリするくらい尖がった鋭角の頂上になります。この点も自分のデータで確認してみてください。
そして最後
ヒール&トウに集中しすぎて減速Gが抜けていないか です。
私は、足首の靭帯を何回も切って足首が緩くて、ヒール&トウが苦手でたまに減速時にカクカクした状態になることがあります。なので、4~2速とか、5速~2速とか飛ばしてシフトチェンジをしています。
ブレーキペダルをしっかりと踏みながら、ちょっとだけアクセルを意識するのが良いと思います!
ブレーキは無理をすると危ないのですが、これくらい差があることを結構しがちなので、確認すると楽しいですよ!というお話でした!
