【美術展2025#13】ル・コルビュジエ 諸芸術の綜合 1930-1965@パナソニック汐留美術館
会期:2025年1月11日(土)〜3月23日(日)
建築家ル・コルビュジエ(1887‒1965)は活動の後期において、建築の指揮のもとで絵画や彫刻をつなぐ試みを「諸芸術の綜合」と言い表しました。そしてそれ以上に、「諸芸術の綜合」とは統一、調和、普遍的法則の理想主義に導かれた彼の芸術観全体を示すスローガンでもありました。
ル・コルビュジエは近代建築の巨匠として世界的に知られていますが、視覚芸術の他分野においても革新をもたらしました。本展は1930年代以降に彼が手がけた絵画、彫刻、素描、タペストリーをご覧いただき、さらに彼が求め続けた新しい技術の芸術的利用にもスポットをあてます。そして後期の建築作品も併せて紹介することで、はるかに伝統的な枠組みを超えたル・コルビュジエの円熟期の芸術観を明らかにします。
楽観的で歓喜に満ちたこれらの作品は、「住宅は住む機械」という彼のよく知られた言葉に集約される機能主義者のイメージを超えた、あらたな像を結びます。また、レジェ、アルプ、カンディンスキーといった同時代を生きた先駆的な芸術家たちの作品を対峙させることで、当時の芸術潮流における彼の立ち位置も浮かび上がらせます。
本展はゲスト・キュレイターにドイツ人美術史家ロバート・ヴォイチュツケ氏を迎え、20世紀の革新的頭脳の創造の源泉に迫ります。
ここパナソニック汐留美術館では昨年同時期にフランク・ロイド・ライト展が行われていたが、今年はコルビュジエ。
この流れだと来年はミース・ファン・デル・ローエか?
アカデミックで地味な企画が多い印象のパナソニック汐留美術館だが、それこそ「この時期には建築の巨匠を掘り下げる」とかをシリーズ化すれば美術館の特色みたいなものが打ち出せるのでは。
あとはせっかくパナソニックがやっているのだから、家電→照明デザイン、住宅→建築、自転車→スポーツ系プロダクトデザイン、とか自社と関係のある美術・デザインの企画をもっと増やすと良いのでは。
自慢のルオーコレクションにはあまり引きずられない方がいいと思うし、なんならいっそのこと手放してしまった方がすっきりするような気もする。
思いっきり私感であることを前置きして、例えばゴッホのひまわりを見るためにSOMPO美術館へ行く人は多いと思うが、ルオーを見るためにこの美術館に足を運ぶ人はそれほど多くない気がする。
足枷になっているルオーを手放した収入を元にリニューアルして尖った企画を充実させればこの企業系小規模美術館の存在意義が明確になるのでは、…なんて、なんの責任もないただの一鑑賞者が自分の嗜好を元にふと思った戯言である。
さて、今回は建築に限らず「諸芸術の綜合」の名のとおり、建築以外にも絵画、彫刻、模型、タペストリー、緞帳、写真、映像などの諸芸術作品が展示されていた。
ただし館内は写真撮影禁止。
絵画は大成建設所有のものが数多くあったが、西洋美術館で委託展示されていたりするので以前見たことのある作品も多かった。

周知の通り西洋美術館は建物そのものが国内唯一のコルビュジエ建築であり世界遺産としても登録されている。
その圧倒的なアドバンテージを最大限に活かしつつ、西洋美術館こそ「諸芸術の綜合」をするべきだと思う。
特に椅子や什器の運用に関しては、私の「●美術館の名作椅子●#01」でも記したが、コルビュジエの正規ライセンスを唯一持つCassinaとがっつりタッグを組んで徹底的にこだわってほしい。
同じくCassinaが正規ライセンスを持つシャルロット・ペリアンやピエール・ジャンヌレの椅子なども織り交ぜながら、そのデザインの歴史的意義を強くアピールすることで建築のみならずデザインの文脈でのコルビュジエらの重要性も伝えられると思う。
それは美術館側だけでなくCassina側にも課せられた使命でもあるはずだ。


今回の展覧会前にCassina ixc.からメーリングリストでインフォメーションが届いていた。
今回の展覧会に際し、2脚のソファを貸し出すとのこと。
そうそう、そういうことだよ。


シャルロット・ペリアンのREFOLOは木製のベースを土台にしてパーツをバラしたり組み替えたりすることができるシンプルで秀逸なデザイン。
REFOLOは西洋美術館には置いてないが、東京国立博物館に什器として置いてある。

東京国立博物館1階
トーハク本館1階のREFOLOは薄暗い場所に置かれ扱いが雑な感じ。
現行品であれど美術館・博物館に置かれる名作椅子や家具はキャプションとか解説文とか付けてもっとアピールすべきだと思うのだが。

東京国立博物館2階
ペリアンは1940年に坂倉準三の誘いで日本の輸出工芸指導の顧問として来日し、柳宗理らの案内で日本各地を巡り日本の近代デザインにも大きな影響を与えた。
その後も日本との関わりは深く、このソファも東京で発表された。
資料にもその姿が残る。



現在、我が家でもREFOLOを愛用している。

《MEXIQUEテーブル》
《BERGERスツール》
《LC1セルフカスタム》
ちなみに件の貸出品であるもう一脚の「3 FAUTEUIL GRAND CONFORT, GRAND MODÈLE (LC3)」は西洋美術館にも置いてある。
Cassinaでは近年このシリーズの呼び方が変わったが、これはいわゆる旧称LC3。
今回パナソニック汐留美術館に貸し出しているLC3はファブリック3シーター仕様だったが、西洋美術館のものはレザー2シーター仕様。

@国立西洋美術館

ポリエステルパッディング仕様 LCX(革)
@国立西洋美術館
西洋美術館では常設展示室出口に鎮座している。
ちなみにこの椅子はクロムメッキのフレームが多い中、西洋美術館の品はフレームがライトブルー塗装の受注輸入仕様。
塗装されている方がクラシカルな雰囲気を纏っていて個人的には好きだ。
この椅子はクレジットでコルビュジエの名も併記されるが実際にはシャルロット・ペリアンのデザインとされる。

発表から100年近く経つが全く色褪せずに今でも魅力的な存在感を放っているのは元々のデザインの力があるということは大前提だが、それとともにその文脈や意義を徹底的に研究しているCassinaの力も大きいだろう。
その他、西洋美術館にはコルビュジエが設計者ということでコルビュジエ絡みの椅子が多く置かれている。

我が家にも一脚LC3がある。

ついでにLC4。

椅子好きなもんでなんだか椅子の話ばっかりになってしまった。
そういえば昔インドに行った時にバスでチャンディーガルを「通ったことがある」。
その語のとおり、旅の移動中に通過しただけである。
今にして思えばなんでチャンディーガルで降りて街巡りをしなかったのか後悔しかないが、当時の私はコルビュジエが頭の片隅によぎりはしたものの、旅の都合上割愛してしまったのだ。
また行けばいいと思いつつ早20年経つが未だ行けていない。
チャンディーガルで思い出したが、以前買ったままで飾りそびれてしまいっぱなしだった皿を久々出してみた。
せっかくだからこれを機にどこかに飾ってみよう。↓

そして以前チャンディーガルのOpen Handの置物が欲しいなあと思ってネットの海を彷徨ったが見つけられなかったので自作してしまったやつ。↓


なんだか話がとりとめなくなってしまったが、とにかく私はコルビュジエの建築も好きだが、それとともにコルビュジエやペリアンの椅子や家具が大好きなのだ。
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