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【科学が証明】水槽の「魚の数」が多いほど、人は癒やされる? 大学の研究で判明した驚きの事実



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「水槽を眺めていると心が落ち着く」 この感覚、アクアリウムを趣味にしている人なら誰もが持っているものでしょう。

古くは古代ローマの貴族や、中国の金魚飼育の歴史に見られるように、私たちは昔から水辺の生き物に安らぎを感じてきました。病院の待合室に水槽が置かれているのも、なんとなく「癒やし効果があるから」と信じられているからです。

しかし、これまでその効果は「なんとなくそう感じる(主観)」レベルの話でしかなく、「医学的にこれだけの数値が出る」という確固たる証拠(エビデンス)はほとんどありませんでした。

今回は、イギリスのエクセター大学などが発表した画期的な研究をもとに、「魚の数」と「癒やし」の意外な関係について、高校生でもわかるように解説します。

実は、「魚は多ければ多いほど、私たちの心臓に良い」という驚きの結果が出ています。


1. 巨大水槽を使った大掛かりな実験

2015年、イギリスの研究チームは、あるユニークな実験を行いました。 実験室の小さな水槽ではなく、国立海洋水族館にある「55万リットルの巨大水槽(大西洋大水槽)」のリニューアル工事を利用して、人間の反応を調べたのです。

研究チームは、水槽の状態を以下の3段階に分け、それを見る来館者の心拍数や血圧がどう変化するかを測定しました。

・第1段階:水だけ(魚なし) 海水を張り、岩や海藻の飾りだけがある状態。魚はいません。

・第2段階:魚が少しいる 試験的に少数の魚を入れた状態。

・第3段階:魚がいっぱい(完成形) メジロザメやコモリザメなどの大型魚から、群れを作る小型魚まで、合計19種・138匹以上の魚が泳ぎ回っている状態。

この3つの段階それぞれで、人の体がどう反応したかを比較しました。

2. 心拍数が「7%」も下がった! 実験結果の詳細

結果は、非常にわかりやすいものでした。

① 水だけでも効果はある

驚くことに、魚がいない「水と海藻だけの水槽」を眺めるだけでも、心拍数は平均で約3%下がりました。水面の揺らぎや、青色の光を見るだけでも、人間には鎮静効果があることがわかります。

② 魚が多いほど、リラックス効果は倍増する

そして魚が入り、その数が増えるにつれて、リラックス効果は高まりました。 魚がもっとも多い「第3段階(完成形)」では、心拍数が平均で「7%以上」も低下し、血圧も有意に下がることが確認されました。

たった10分程度眺めるだけでこれだけの数値変化が出るのは、医療的な観点から見ても無視できない大きな効果です。

③ 「落ち着く」けど「ワクワクする」不思議な感覚

面白いのは、アンケートによる気分の変化です。 魚がたくさんいる水槽を見ると、人々は「リラックスした」と感じると同時に、「興味深くて楽しい」というポジティブな興奮も感じていました。

ただボーッとして眠くなるのではなく、魚の動きに好奇心を刺激されながら、体は深くリラックスしている。これは精神の回復にとって理想的な状態と言えます。

3. なぜ「魚の数」が重要なのか?

なぜ魚が少ない水槽より、多い水槽のほうが癒やされるのでしょうか? これには2つの心理学的な理由があります。

理由1:脳を休ませる「ゆるやかな没入感」

勉強やスマホ操作で集中しているとき、私たちの脳はひどく疲れています。この疲れを取るには、何も考えずに何かに夢中になる時間が必要です。

魚の動きは、予測不能でありながら、見ていて不安になるような脅威はありません。 魚がたくさんいれば、「あ、あっちにも魚がいる」「こっちでは群れを作っている」と、努力しなくても自然と視線が惹きつけられます。 これを専門用語で「ソフト・ファシネーション(穏やかな魅了)」と呼びます。魚の数が多いほど、この効果が強まり、脳が強制的に休息モードに入れるのです。

理由2:本能的な「安心感」

私たち人間の祖先は、自然の中で生きてきました。 「魚がたくさんいる場所」は、かつての人類にとって「食料が豊富で、環境が良い場所」を意味しました。 そのため、生き物がいっぱいいる光景を見ると、本能的に「ここは安全だ」「豊かな場所だ」と感じ、安心スイッチが入る(副交感神経が優位になる)と考えられています。これを「バイオフィリア仮説」と言います。

4. 逆に効果がなかった例:歯医者さんの待合室

しかし、どんな時でも水槽があればいいわけではありません。 別の研究チームが「歯医者の待合室」で行った実験では、水槽があっても患者さんの不安や血圧は下がらなかったというデータもあります。

なぜ効果がなかったのでしょうか?

・恐怖が強すぎる 歯の治療の痛みや恐怖(強いストレス)は、水槽の癒やし効果を打ち消してしまうほど強力だった可能性があります。

・水槽の迫力不足 エクセター大学の実験は視界を覆うような巨大水槽でしたが、歯医者の水槽は小型だったと考えられます。不安から気を逸らせるほどの「没入感」が足りなかったのです。

つまり、本当に癒やされたいなら、視界がいっぱいになるくらい大きな水槽か、あるいは小型でも中身が充実していて、ついつい見入ってしまうような水槽が必要だということです。

5. 魚にとっても「群れ」は幸せ

ここまでは人間の話でしたが、実は「魚の数を増やすこと」は、魚自身にとっても良いことであることがわかっています。

ゼブラフィッシュなどの実験で、群れを作る魚を1匹だけで飼うと、「社会的孤立」によって強いストレスを感じ、脳の発達に悪影響が出たり、ストレスホルモンが増えたりすることがわかっています。

逆に、仲間がたくさんいる環境では「社会的緩衝作用」という心理効果が働き、「みんながいるから怖くない」と安心することができます。 適度な密度(1リットルに3~6匹程度という研究もあります)があるほうが、スカスカの状態よりも魚のストレスが低く、喧嘩も減るというデータもあるのです。

6. まとめ:自信を持って「魚」を入れよう

これまでのアクアリウムでは、「魚を入れすぎると水が汚れるから良くない」と言われがちでした。もちろん、ろ過能力を超えた過密飼育はNGです。

しかし、十分なろ過フィルターを備えているなら、魚の数をある程度多くすることは理にかなっています。

・人間にとって:視覚的な刺激が増え、心拍数が下がり、癒やし効果が最大化される。 ・魚にとって:仲間がいる安心感(社会的緩衝作用)でストレスが減る。

「もっと魚を入れたいけど、かわいそうかな?」と迷っているなら、強力なフィルターを用意した上で、思い切って群れを作ってあげてください。 キラキラと群泳する魚たちを見ることは、科学的に証明された「最強の癒やし」なのです。






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