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イナビルを吸ったことはありますか?(イナビル苦労話その1)

プーーッ!白い粉が霧状に噴き出した!
これは今回お話しする、薬局での私の失敗談の一コマです。

昨年末はインフルエンザが大流行し、患者数が過去最多を記録しました。

インフルエンザで処方される抗ウイルス薬の1つに「イナビル」があります。使ったことのある方もおられるかと思います。
イナビルは吸入粉末剤という基本的な特徴に加えて、使う上での説明がいくつか必要になる薬です。

例えば
・薬は1回分で終了。ただしできる限りすぐに使うこと。
・10歳以上は1回分が2個(2容器)。2個を続けて使用する。
・1個につき2ヶ所に分けて薬剤の粉末が充填されており、①②の順に吸入する。
・吸い残しをなくすために吸入を2回繰り返す。そうすると1個につき4回、2個なら8回吸入することになる。
・未成年者、特に男子に対しては発熱から2日間以内は異常行動について注意が必要。
など。

しかしイナビルの服薬指導、特に小学生以下のお子さんで苦労するのは、容器の使い方よりも「吸入」の部分です。

大人なら使い方を説明して、では帰ったらすぐ使ってくださいね、で済むことも多いのですが、お子さんも保護者も初めての場合は、薬局のその場で(薬局の構造によっては個室に移動して)説明しながら吸入してもらう方が確実です。

それでも小さい子にはなかなか難しく、私も多くの苦労や失敗がありました。

1. そもそも「吸う」ことができない子
私が以前いた薬局(小児科の隣)では、こんな小さな子にイナビルを?!というケースも何度かありました。

小児などで正しく吸入できるかを確認するためのツールとして、メーカーから無償提供されている「吸入確認用笛」があります(見出し画像を参照)。
吸入口をくわえてしっかり吸い込めれば笛が鳴る仕組みになっていて、イナビルが使用可能かどうかを判断できるのです。

しかし小さい子供では「吸ってみて」と言っても通じないこともありました。吸い込む動作を私がオーバーアクションでやってみせてもだめです。
「ジュース飲むとき、どうしてる?」で通じることもありますが、本物のジュースじゃないから?うまく吸えないこともあります。
また吸い込む力が弱くても笛は鳴りません。

どうしても笛が鳴らない場合は、薬剤を使用できないと判断し、医師に疑義照会して中止または飲み薬や点滴にしてもらうことで対応します。

しかし、いっそ吸えない方が良かった、と思うようなケースも…

2. 本番で失敗する子
確認用笛を一発で鳴らせた子。よしこれなら大丈夫と、薬剤を持たせて。
「じゃあ今度は本番ね。さっきと同じように吸ってみて。はい!」
プーーッ!
白い粉が霧状に噴き出した!

合図の声かけがプレッシャーになって動転したのか、力んでしまったのか、その子は思い切り吹いてしまったのです。

くわえる前に息をしっかり吐かせるのも大事なポイントでしょう。

3. 吸うのを嫌がって駄々をこねる子
確認用笛は問題なく鳴らせて、いざ本番。
吸い込んだ瞬間に「オエーッ!」

苦い粉末がいきなり口に入ってくるので、びっくりするのでしょう。
中には泣き出してしまう子もいます。
そこで吸入の場では前もって水を用意しておき、吸ったらすぐ飲ませるようにしていました。子供も飛びつくようにして水を飲みます。

しかし問題はその後です。次(2ヵ所目以降)の吸入を、もう嫌だと言い出します。

それでも親が無理やり、またはなだめて、泣く泣く最後まで吸ってくれればありがたいのですが、断固として拒む子もいます。
そうすると親と子の根競べになります。
長い時には1時間近く押し問答している親子もいました。

しかし薬剤師もずっと付き合ってる訳にはいきません。
医師に連絡して中断または薬剤変更を相談することになります。


そういった苦労を経験しながら、私も小児への服薬指導の要領を少しずつ覚えていったと思います。

そしてイナビルに関しては、最も印象に残って、しかも薬剤師としての大きな学びとなった出来事(インシデント)がありました。
その話を次の記事に書きたいと思います。

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